Stanley Clarke, Patrice Rushen & Ndugu Chancler Standards [CD]
チック・コリアが率いた伝説のグループ、リターン・トゥ・フォーエバーで有名なベーシスト、エレクトリック・ベースの概念を変えたStanley Clarkeが珍しくウッドベースのみで録音し、ピアノはリー・リトナーと共演し女性版のハービー・ハンコックと言われ、R&B方面でボーカルとしても活躍している女性ピアニストのPatrice Rushen、ドラムには、グラミーにも何度もノミネートされ、前に紹介したチョコレート・ジャム・カンパニーのリーダーのNdugu Chancler を迎えてアコースティック・トリオでの演奏、三人の全曲ジャズ・スタンダードの久しぶりの演奏です、やっぱり凄いです。スタジオ・セッションから「Oleo」とNdugu Chancler のドラムから始まる「Salt Peanuts」三人の素晴らしいインタープレイが聴けます。
「Oleo」
「Salt Peanuts」
Bob James All Around The Town [CD]
〈フュージョン・クラシックス・オン・タッパン・ジー(15)〉ニューヨーク・ライヴ+1
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2004/08/04
- メディア: CD
ボブ・ジェームスは、ピアニスト、音楽プロデューサー、作曲家、編曲家。ジャズ・フュージョンおよびアダルト・コンテンポラリー界を代表するアーティストの一人。ドラマの音楽や劇伴、クラシックまで幅広く手掛ける、 初期の作品は、音楽性にクラシック的な要素が強かった、作曲やオーケストレーションも務め、フュージョンおよびアダルト・コンテンポラリー全盛期の先端を走る存在となる。「All Around The Town 」はN.Y.で行われた3種の異なるそれぞれのライヴ音源からチョイスされた2枚組アルバム。その中からタウン・ホールでのライブが面白い企画で、ボブ・ジェームス、ジョアン・ブラッキーン、リチャード・ティーの3人のピアニストとビリー・ハート、スティーブ・ガッドの2人のドラマーとエディ・ゴメスのベースの構成で、個性の異なる3人のピアニストのプレイが聴けるライブで聴きごたえがあります。
「The Golden Apple」ピアノ・ソロはジョアン・ブラッキーン、ボブ・ジェームス、リチャード・ティーの順番、再度ボブ・ジェームス、リチャード・ティー、ジョアン・ブラッキーンの順番。
「Stompin' At The Savoy」30年代のスウィング・ナンバー。3人のピアノ・ソロの違いだけでなく、2人のドラム・ソロの違いも面白いです。
佐藤允彦 Amorphism [CD]
80年代で、Steve Gadd、Eddie Gomezの映像で良い物がないかと思い、ピアニストの佐藤允彦との共演を思い出しました、たぶん88年の頃の映像で、佐藤允彦、Steve Gadd、Eddie Gomezトリオの三部作の第二弾のアルバム「Amorphism」からの曲を演奏、アルバムも全米でリリースされました。全曲が佐藤允彦のオリジナル、佐藤の歯切れ良く疾走のメロディとオリエンタリズムをふんだんに取り入れ、ベースとドラムとピアノのキメを作りながらの奔放なアドリブとグルーヴは素晴らしく、生ピアノだけでなく、シンセの積極的な導入は、シンセの著しい進化をしている80年代の時代を感じてしまう。前作の「AS IF …」は自身が最も影響を受けたピアニストビル・エバンスに捧げたアルバムで、ビル・エバンスにちなんだ楽曲を収録、前作も凄く良かったが、前作の完成度よりも佐藤の色が明確になったため面白さを感じた。
「Escape Velocity」アルバムの聴きどころの曲。
「Alice in Wonderland」アルバムにははいっていないが、名曲を佐藤らしい素晴らしいアレンジで演奏。
Chick Corea Three Quartets [CD]
チック・コリア(p)の作品で、エデイ・ゴメス(b)、スティーブ・ガッド(Dr)の組み合わせは「妖精」「マッド・ハッター」「フレンズ」からの流れらのアルバム「スリー・スリー・カルテッツ」、今度はステップスの流れからマイケル・ブレッカー(Sax)までが参加、チック・コリアとマイケル・ブレッカーの顔合わせはこれが初めてで、当時マイケル・ブレッカーが積極的に4ビート・ジャズに取り組み初めて一番凄かった作品の一つ、当時の最先端の4ビート・ジャズを4人が自分の持っているあらゆるテクニックを駆使してアグレッシブに表現、「フレンズ」も凄かったがインタープレイの妙ははるかに上回るものになった。チック・コリアの楽曲もチック・コリアらしさが良く出ている、複雑でカッコいい楽曲。チック・コリアは、これで全てを出し尽くした為か、エデイ・ゴメス、スティーブ・ガッドとの共演は最後となる。
「Quartet #1」チック・コリア達が更に新しいジャズの時代を切り拓いていくエネルギーを感じられる。
「Folksong」チック・コリアの本質であるヨーロッパ的なロマッンティクさを感じられる。
「Quartet #2 Part.1 (Dedicated to Duke Ellington)」デューク・エリントンへのオマージュ
Steps Smokin in Pit [CD]
スモーキン・イン・ザ・ピット Smokin' In The Pit
- アーティスト: ステップス STEPS
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2018/01/31
- メディア: CD
1979年にヴィブラフォン奏者のマイク・マイニエリがニューヨークで結成。メンバーは、マイケル・ブレッカー(sax) マイク・マイニエリ(vib) ドン・グロルニック(key) エディ・ゴメス(b) スティーヴ・ガット(ds)スペシャル・ゲスト:渡辺香津美(g)。
六本木『ピット・イン』で録音されたライブアルバム、新感覚のアコースティック・ジャズは、当時のジャズ・シーンに大きな衝撃を与えた。ライブは80年12月14日と16日の2日間で、初日を見に行くことが出来ました、入れ替え制で一日2回の演奏、2回とも見る事が出来ました、19時から始まり入れ替えの休憩があり、2回目の演奏が終わったのは夜中の2時を回っていました、結局6時間以上は演奏をし続ける物凄いライブでした、真ん中の前から4列目にいたので、ライブアルバムとして録音している緊張感は最初から感じられ、これでニュー・ヨークのミュージシャンの本気の演奏が聴けるとワクワクしていました、エディ・ゴメス(b) スティーヴ・ガット(ds)がいるので音的にはチック・コリアの「フレンズ」の延長線上の路線と予想していましたが、目の前での演奏は予想以上でした。80年はウィントン・マルサリスの出現で4ビート・ジャズのシーンがにわかに復活してきた頃、80年代の音楽シーンも面白くなるんだろうなと楽しみにしていたのを思い出します。ここからチック・コリアの「スリー・カルテット」のアルバムにも繋がっていきます。
「Tee Bag」ドン・グロルニックのアドリブに突入する直前の、スティーブ・ガッドのオープンロールがカッコイイ!
「Young and Fine」ウェザーリポートの曲を4ビート・アレンジにした曲。
「Not Ethiopia」こんな難しい曲を出来るでしょと、リハーサルで譜面を渡され、すぐ本番で弾きまくった渡辺香津美はやっぱり凄いや!
Monty Alexander Trio The Paris Concert 2001 [DVD]
モンティ・アレキサンダーは、ジャマイカ出身のジャズ・ピアニスト、10代にしてオスカー・ピーターソンに後継者と 言われ、元オスカー・ピーターソン・トリオのハーブ・エリス+レイ・ブラウンとの 「トリプル・トリート」ではスタンダード・ナンバーを中心にスウィングにつぐスウィングで魅了し、いっぽうオセロ・モリノーのスティール・パンを加えた 「アイヴォリー&スティール」ではポップでファンキーなカリブ風味のジャズを存分に展開。今回は2001年のパリでのコンサートで、サイドメンにBobby Thomas, Jr. とHassan W. Shakourを迎えた、モンティ・アレキサンダーの実力が存分に発揮できるトリオ形式でのライブパフォーマンス、スタンダードやオリジナルのカリプソ感を取り混ぜた曲などの構成でリラックスした雰囲気が最高です。ボーカルも凄い上手く、一曲軽く歌っているのもいい感じでした。
「Runninig Away」ハンド・ドラムスと言われたボビー・トーマスJr.は、ジャコ・パストリアスやピーター・アースキンと共に最盛期のウェザー・リポートのリズム・セクションを担った名手、本来はパーカッションなのだが、今回はドラム、だが途中のパーカッション・ソロは流石と思わせるものである。
「Battle Hymn」今回のパリ・コンサートのラストの曲。
Herbie Hancock New Standard [CD]
1920年代や30年代に書かれてヒットした曲も当時はポップ・ソングだった、それらが次第にスタンダードと呼ばれるようになった、それなら最近のヒット・ソングの中にも、その候補があるのではと選曲、「New York Minute」ドン・ヘンリー、「Mercy Street」ピーター・ガブリエル、「Norwegian Wood」ビートルズ、「When Can I See You」ベイビー・フェイス、「You’ve Got It Bad Girl」スティーヴィー・ワンダー、「Love Is Stronger Than Pride」シャーデー、「Scarborough Fair」サイモン&ガーファンクル、「Thieves in the Temple」プリンス、「All Apologies」ニルヴァーナ、「Your Gold Teeth II」スティーリー・ダンなどを取り上げ、新時代のスタンダード曲になるというコンセプトにアコースティックなジャズ・サウンドに、この後のロックやポップスの楽曲をジャズにする先駆けとなったアルバムです。ハービー・ハンコックの15年ぶりのアコースティク・アルバムになった、参加ミュージシャンはサックス奏者のマイケル・ブレッカーにギタリストのジョン・スコフィールド、ウッドベースのデイヴ・ホランドにドラムのジャック・デジョネット、そしてパーカッション奏者のドン・アライアスという一流ミュージシャン達です。
「You've Got It Bad Girl」1972年のアルバム『トーキング・ブック』の収録していた楽曲です。
「Mercy Street」元ジェネシスのシンガーだったピーター・ガブリエルがソロになって1986年にリリースしたアルバム『So』に収録していた楽曲です。
「When Can I See You」ベイビー・フェイスの1994年のヒット曲です。
Chick Corea Friends [CD]
78年にリターン・トゥ・フォーエヴァーを解散したチック・コリア、その後の一つにストレート・アヘッドなジャズに挑戦したアルバム「フレンズ」。メンバーは、チック・コリア(P、el-P)、ジョー・ファレル(Sax、fl)、エディ・ゴメス(b)、スティーブ・ガッド(ds)。このメンバーでチック・コリアのアルバム「妖精」「マッドハッター」で共演、その手応えからこのアルバムを制作、全曲チック・コリアの作曲、特に日本では人気ある一枚となった、今までに無いスタイルで、4人の熱いインター・プレイは反応力と柔軟性の高さを見事に表現している。
エディ・ゴメスとスティーブ・ガッドの2人はその後色々なアーティストと共演、息の合ったコンビネーションを聴かせてくれる。
「Waltse For Dave」チッ・コリアが尊敬するデイヴ・ブルーベックに捧げた美しいワルツ。
「Samba Song」アルバム最大のハイライト、チック・コリア、ジョー・ファレル、エディ・ゴメスの3人のソロも素晴らしいですが、それ以上に素晴らしいのがスティーブ・ガッドのドラミング、最初から最後までドラム・ソロを含めて凄いです、間違いなくスティーブ・ガッドのベスト・プレイの一つです。
Keith Jarrett Trio スタンダーズ・ライブ!/星影のステラ [CD]
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は21日、世界的な米ジャズピアニストのキース・ジャレット(75)が、脳卒中に伴う左手のまひが回復しないため、公演に復帰する可能性は低いと報じました。このニュースを見て、もうあの演奏を生で聴けないのかと思い、今回はKeith Jarrett Trio 「スタンダーズ・ライブ!/星影のステラ」です。
80年代にピアノ・ジャズの新時代を築いたキース・ジャレットの通称"スタンダーズ・トリオ"による初のライヴ盤。最初の録音である「スタンダーズ vol.1」「スタンダーズvol.2」も良いのですが、当時ライブ盤を良く聴いていたので取り上げました。キース・ジャレット(p)ゲイリー・ピーコック(b)ジャック・ディジョネット(ds)が従来の方法論とは違う発想で即興を展開し、凛とした気品と緊張感が漲る演奏、今聴いてもクオリティの高さに驚愕してしまいます。「Stella By Starlight(星影のステラ)」や「The Way You Look Tonight(恋に恋して)」など有名スタンダード・ナンバーを至高の解釈で聴かせると共に、「オールド・カントリー」など隠れた名曲にスポットを当てた功績も大きいです。
「The Way You Look Tonight(恋に恋して)」最初の27秒音が出ません。
「Stella By Starlight(星影のステラ)」
Stephen Bishop Careless [CD]
74年にニック・デカロに「Under The Jamaican Moon」の楽曲を提供、そして75年にアート・ガーファンクルに「Same Old Tears On A New Background」の楽曲を提供したことをきっかけに,レーベル契約。そして,エリック・クラプトン、ラリー・カールトン 、ジェイ・グレイドン 、チャカ・カーン 、アート・ガーファンクル等の豪華ゲストを迎え,デビューアルバム「Careless」を1976年に発表し、32週にわたってチャート・インするロング・セラーとなり、その作品は、都会派の短編小説のように、ほろ苦くロマンチックと言われました。洗練されたアレンジやバック陣の演奏に加えての彼の温かなギターの音色,そして甘く哀愁を帯びた歌声が、デビューアルバムにしてかなりの完成度を誇る名盤となっています。
「Save It For A Rainy Day 」Eric Claptonがブリッジの短いギターを披露し、終盤ではChaka Khanが力強いバック・ヴォーカルで曲を盛り上げる、なんて贅沢な使い方。
「On And On」シングル・ヒットが11位となった。
おまけで、1982年に公開された映画トッツィーその主題歌は,デイブ・グルーシンの作曲で、スティーブン・ビショップの歌声が素晴らしい。その映画トッツィーの主題歌「It Might Be You(邦題:君に想いを)」。