Led Zeppelin Physical Graffiti [CD]
PHYSICAL GRAFFITI [REMASTERED ORIGINAL 2CD]
- アーティスト: Led Zeppelin
- 出版社/メーカー: Atlantic
- 発売日: 2015/02/24
- メディア: CD
74年、アトランティック・レコードとの契約が切れたレッド・ツェッペリンは、プライベート・レーベル「スワン・ソング」を立ち上げた。レーベル名の由来は、ペイジがお遊びで弾いていたインストゥルメンタル曲の題名から来ている。「スワン・ソング」にはツェッペリンの他、マギー・ベルや、後にペイジと活動を共にするポール・ロジャース率いるバッド・カンパニーも加わった。74年は、ツェッペリンにとって初めてコンサートが行われない静かな1年となったが、アルバムの録音作業は進み、LP1枚半分にも及ぶ素材が出来上がり、バンドは曲を削るよりも、これまでの未発表曲を加えて2枚組で発表することを決めた。アルバムには新作8曲に加え、レッド・ツェッペリン のアルバム「III」、「IV」、「聖なる館」からの未発表曲7曲が加えられた、多彩な音楽性が堪能できるアルバムとなる「Physical Graffiti」は75年にリリースされ、アルバムは彼らのキャパシティーの広さを示す作品となり、ローリング・ストーン誌は本作のことをまるでザ・フーの「トミー」、ローリング・ストーンズ「ベガーズ・バンケット」、ビートルズの「サージェント・ペパーズ」を一つにしたような傑作だと最大級の賛辞を送っている。アメリカのビルボード・チャートでは3位に初登場。翌週には首位を獲得し、6週間その位置を守った。また、さらにツェッペリンの過去のアルバム5枚がチャートに復活し、6枚のアルバムを同時にチャート・インさせるという初の快挙を成し遂げた。
「Kashmir 」バンドを代表する1曲、メロトロンが奏でる壮大なサウンドとメロディーがたまらない。1975年のツアー以降、解散の1980年まで演奏され続けた。
「Trampled Under Foot」アメリカ他数カ国でシングルカットされている。
「Ten Years Gone」バッキングのギターは14本もオーバーダビングされている。1977年のツアーで披露された時には、ジョーンズがトリプルネック・ギターでベース・ペダルを操作しながらリズムギターを担当している。
The Who Quadrophenia [CD]
ザ・フーの6作目にあたるスタジオ・アルバム「Quadrophenia(四重人格)」73年にリリースされた。作詞・作曲は全てギタリストのピート・タウンゼントによるもので、全曲タウンゼントの曲で占められているのはオリジナル・アルバムは本作が唯一である。サウンドも前作のアルバムで初めて導入したシンセサイザーが多用され、前作以上に複雑で色彩豊かな音造りになっている。モッズ出身のバンドだったザ・フーは「コンセプト・アルバム」という新たな概念を打ち立て、「Quadrophenia(四重人格)」のコンセプトは1960年代中期のロンドン、モッズ少年のジミーの多重人格と精神的な葛藤を軸に展開される。自分達のルーツを題材にしているアルバムであるが、タウンゼントによればこれは自叙伝ではなく、ザ・フーの歴史がメンバーではなく観客によって作られてきた事を示しているという。また、主人公のジミーを支配する4つの人格は、それぞれザ・フーのメンバー4人の人格に割り振っていて、4人(ロジャー・ダルトリー (vo,harp)ピート・タウンゼント (g,vo)ジョン・エントウィッスル (b, vo))キース・ムーン (ds, vo)を反映するテーマ曲も4曲入っている。コンセプトアルバムの最高峰で20世紀ロック史に刻まれる名盤といわれているが、なぜか日本ではザ・フーの人気が無く、余り高い評価を得られなかった。
本作品を元にした映画『さらば青春の光』が1979年に公開されている。
「The Real Me」
「Quadrophenia」
「Cut My Hair」
「The Punk and the Godfather」
Wishbone Ash Argus [CD]
ウィッシュボーン・アッシュはイギリスのロックバンドで、ツインリードギターのバンドスタイルで有名であり、そのツインギターはプログレッシヴ・ロックやフォーク、クラシックに強い影響を受けていた。70年代を通してイギリスを代表するバンドとなり、2人のギタリストのアンディ・パウエルのフライングVの音とテッド・ターナーのストラトキャスター音によるツインリードは「ロック史における最も重要なギタリスト10人」に選ばれ、ジェフ・ベックとジミー・ペイジがヤードバーズに加入して以来の最も興味深いツインギターバンドと評された。72年に発表した3枚目のアルバム「Argus(百眼の巨人アーガス)」は、マーティン・ターナー のリードヴォーカル&ベース、スティーヴ・アプトン -のドラムス、アンディ・パウエル のギターとヴォーカル、テッド・ターナー のギターとヴォーカルによる作品で、ツインリードスタイルの完成を果たしたことでバンドの最高傑作と称され、全英アルバムチャートで最高3位を記録した。
アンディ・パウエルは、ザ・フーと共にツアーを行った際にピート・タウンゼントの作り出したコード進行に感銘を受け、それが「Blowin' Free」の作曲に繋がり、またツイン・リード・ギターやジャムのスペースを伴ったアレンジが巧みに機能していて、当時のブリティッシュ・ロック界で彼ら独自の方法で融合して個性的なサウンドを作り上げたアルバムとなっている。
余談ですが、バンドのマネージャー、マイルス・コープランド3世は、ポリスのスチュワート・コープランドの実兄。
「Blowin' Free」
「The King Will Come」
「Warrior」
「Throw Down the Sword」
Rod Stewart Every Picture Tells A Story [CD]
60年代はジミー・パウエル & ファイブ・ディメンジョンズ、ザ・フーチー・クーチー・メン、スティームパケット、ショットガン・エクスプレスといったグループを渡り歩いたロッド”・スチュワートでしたが、68年にスーパーギタリストジェフ・ベックが結成したジェフ・ベック・グループへ参加し、注目を集めるようになります。69年にジェフ・ベック・グループの同僚ロン・ウッドと共にフェイセズ へ参加し、75年末にフェイセズ が解散するまで、フェイセズ とソロの活動を並行させていてました。ロッド・スチュワートが1971年に発表したサード・アルバム「Every Picture Tells A Story」。 イギリスとアメリカの両国で、自身初のアルバム・チャート1位を獲得し、母国イギリスでは、45週連続のチャート・インというロング・ヒットとなった。また、収録曲「マギー・メイ」も、英米両国のシングル・チャートで1位を獲得していて今の彼の地位を確立した作品です 。ハードロックとフォークとブルースの融合を完成させた、アコースティックなテイストを強調したUKらしいトラッド感覚満載のルーツ・ロックに仕上がっています。参加ミュージシャンは、ロン・ウッド(g、b)、イアン・マクレガン(org)、ケニー・ジョーンズ(ds)といったフェイセズ勢に、「Maggie May」も共作した盟友クイテントン・ マーティン(g)、ジェフ・ベック・グループでの同僚ミック・ウォーラー(ds)、後にジェファーソン・スターシップへ加入するピート・サーズ(p)等が加わっています。
「Maggy May」ロッド”・スチュワートとクイテントン・ マーティンの共作、イギリスのトラッド・ソングをヒントに作られた。
「Seems Like A Long Time」ソウルフルな仕上がりでバック・コーラスはフリー・ソウル~レア・グルーヴ方面で人気のUKの女性シンガーのマデリン・ベルが務めています。
おまけで2019年に新たなアレンジで作られた「Rod Stewart - Maggie May with the Royal Philharmonic Orchestra」です。
RONNIE WOOD Slide on This [CD]
ロン・ウッドはザ・バーズから始まりジェフ・ベック・グループ、フェイセズ、ローリング・ストーンズとブリティッシュ・ロックの王道を歩き続けてきた。そんなロン・ウッドが1992年に発表した、ソロ名義では5作目のスタジオ・アルバム「Slide on This」。バーナード・ファウラーとのコラボレーション・アルバムに近いアルバムとも言われている、9曲がファウラーとの共作で、アレンジ、プロデュースも共同で行い、ファウラーはヴォーカルだけでなくキーボードやドラムのプログラミングまで手掛けている。バーナード・ファウラーはミック・ジャガーのソロ・アルバムからハーヴィー・ハンコックやモーターヘッドやデュラン・デュランまでかなり広い範囲の仕事をこなしてきたバッキング・ヴォーカリスト。またストーンズのツアーやレコーディングだけでなく各メンバーのソロ活動にも参加、ストーンズ・ファミリーで最も重要なミュージシャンの一人だ。アルバム制作には5ヶ月かかり豪華なゲストに囲まれて制作、ダブリンで録音された。ソロ・アルバムとして10年以上も間がありその間に繰り返していた実験的な曲を土台に試行錯誤を経て制作されただけあって一気に彼の代表作となるのが間違いないアルバムとなった。最後にチャーリー・ワッツも大活躍して彼らしい素晴らしいノリが聴けるアルバムの一つでもある。
「SHOW ME」シングル第一弾で、レコーディングと同様にダブリンで制作されたPV。
「Fear for Your Future」ロンが10年前に書いた曲でお気に入りの曲。
「Always Wanted More」ジョー・エリオット(デフ・レパード)とのデュエット。
The Charlie Watts Orchestra Live at Fulham Town Hall [CD]
ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが80歳で死去。「8月24日にロンドンの病院で、家族に囲まれ静かに息を引き取った」と広報担当者が発表した。チャーリーの訃報が届いたのは、ストーンズの全米スタジアム・ツアー「ノー・フィルター」不参加が発表されてから数週間後のことだった。キース・リチャーズは1979年、このように語っている。「みんなミックとキースがストーンズだと思っている。でも、チャーリーのドラムがなかったらバンドは成り立たない。チャーリー・ワッツこそがストーンズなんだよ」と。チャーリーは熱心なジャズ好きとしても有名で自身のジャズ・アルバムも発表している。「The Charlie Watts Orchestra Live at Fulham Town Hall」はチャーリー・ワッツの記念すべきソロ・アルバム第一弾。ストーンズのアルバム「Dirty Work」制作前後、メンバーのいざこざでアルバムの制作が停滞、そこでチャーリーは長年の夢である「ロニー・スコッツ・クラブの舞台に立ちたい」との思いからジャズ・バンドを結成することになった。当初は8人編成ぐらいのジャズ・コンボを考えていたが、一緒に演りたいというミュージシャンが跡を絶たず最終的には33人編成のニューヨークの精鋭たちを集めたビッグバンドとなり、1985年11月18日ついにロニー・スコッツ・クラブに出演することになった。自身のルーツでもあるジャズをプレイする実況録音。「STOMPING AT THE SAVOY」などスウィングのスタンダードに真っ向から挑んだアルバムでストーンズとは一味違った躍動感のドラミングをしている。
同じ80歳になるリンゴ・スターがニュー・アルバム「Zoom In」を今年発表し元気な所を見せていたので、チャーリー・ワッツの死去は非常に残念である、冥福をお祈り申し上げます。
「Stomping at the Savoy」
「Robbins Nest」
「Flying Home」
矢野顕子 WELCOME BACK [CD]
矢野顕子の14枚目のアルバム「WELCOME BACK」は89年にリリースされたアルバム、その前に矢野は矢野顕子解散宣言をして音楽活動を2年間休止していてた、矢野本人が「今度のアルバムは私の新たなデビュー・アルバムになりそうよ!」と制作中にデビュー・アルバムのエンジニアの吉野に言ったそうだが、この復帰作は音楽を奏でる喜びが満ち溢れるそんな作品になった。パット・メセニー、ピーター・アースキン、チャーリー・ヘイデン、という名うてのジャズ・ミュージシャンを迎え、ニューヨークのパワーステイションでセッション的に作られたものと、打ち込みをベースとした二つのパターンで制作されている、パット・メセニーは矢野が作ったデモテープの「It's for You」をいたく気に入り自宅の留守番電話のBGMに使っていたそうです、この曲はパット・メセニーとライル・メイズが作曲したなんですけどね。そんな話からも分かるようにお互いのリスペクトに溢れた、非常に密度が濃いセッションとなり、音の細部にまで魂が宿る素晴らしい作品で、矢野の代表作と推す音楽関係者が多いのも頷ける。個性的なヴォーカルも良いけど、ピアニストとしてもパット・メセニー、ピーター・アースキン、チャーリー・ヘイデンの大御所達にも負けないのは流石。
「It's for You」パット・メセニーとライル・メイズの共作名義でリリースした「ウィチタ・フォールズ」収録されたナンバーのカヴァー。
「ほんとだね。 (It Will Take A Long Time)」矢野顕子しかできないナンバー。
「Hard Times, Come Again No More」19世紀アメリカの作曲家スティーブン・フォスター作曲により1854年に出版されたアメリカ歌謡。ライブで弾き語りを見た時は感動しました。
「Watching You」作曲:矢野顕子 作詞:糸井重里&矢野顕子
四人囃子 ゴールデン・ピクニックス [CD]
前作の衝撃的デビューアルバム「一触即発」はプログレッシヴ・ロックの影響が強く、日本の"ピンク・フロイド"と呼ばれた四人囃子、75年に森園、岡井、坂下、佐久間の四人による「四人囃子」となり、1975年の秋に来日したディープ・パープルのオープニング・アクトを務めた後に76年にリリースされたセカンド・アルバム「ゴールデン・ピクニックス」当時の日本ロック・シーンで「プログレッシヴ・ロック」のイディオムをここまで消化して展開されたロック・ミュージックは他に類例がなかった。しかし森園のフュージョンへの指向はすでに明らかで、四人囃子の代表曲というよりは森園勝敏の代表曲の「レディ・ヴァイオレッタ」はマクスフィールド・パトリッシュの同名のイラストレーション作品や冨田勲の「月の光」にインスパイアされて書いたギター・インストゥルメンタル。シンプルでダイレクトな器楽演奏の魅力だけで聴かせる名曲を聴くとわかると思う。森園は四人囃子でやれることはもうないと脱退し、プリズムへ加入する。世界的にもプログレッシヴ・ロックの終焉が近づいていたし新たなフュージョンが始まろうとしていた時期でその両方を感じられるアルバムで傑作である事は間違いないと思う。
「レディ・ヴァイオレッタ」音楽のスタイルやジャンルを超えての永遠の名曲。シングル・バージョンです、ギターソロはアルバム・バージョンよりシングル・バージョンが明らかに良いです。
「カーニバルがやってくるぞ」中盤の間奏部で聞かれるメロディはフランスの作詞家/作曲家/シンガーのレオ・フェレ(Leo Ferre)による「パリ野郎(Paris Canaille)」。
Yellow Magic Orchestra [CD]
イエロー・マジック・オーケストラ(2018年リマスタリング)
- アーティスト: YELLOW MAGIC ORCHESTRA
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
- 発売日: 2018/11/28
- メディア: CD
細野晴臣のアルバム「はらいそ」この時点ですでに「イエロー・マジック構想」は存在し、「はらいそ」の収録曲「ファム・ファタール」のレコーディング時に細野は高橋、坂本の3人では初顔合わせとなり、偶然に近い形で坂本と高橋がメンバーとして選ばれる事となった。YMOに関するプランとは「外人から見た、誤解された東洋イメージ」をテーマとし、ドイツのシンセサイザー音楽を融合させる事を目的とするというものであった。このニュースは「今、ヨーロッパとアメリカで大流行しているクラフトワークの音楽をはるかに超越した凄い音楽が生まれつつある」と業界の最も進んだ音楽評論家の間で話題となっていた。YMOのファースト・アルバムのレコーディングには細野、坂本、高橋の他に松武秀樹(冨田勲のマニュピレーター)、高中正義、橋本俊一が参加し、細野は当時流行していたディスコサウンドと融合する事で商業化できるでのはないかと画策する、3人ともソウルに対してまねをしても勝てないと思っていたが、人力の演奏とシークエンサーでの打ち込みを融合したリズムは大きな武器となる、地球上の極彩色のリズム達にディスコのシンプルなドライブ感が加わった、そのリズムはコンピューターと人間とのセッションによって生まれた音楽で、マンネリ化した音楽の概念を打破し、その超ポップなコンセプトで新風を巻き起こすのである。
「Firecracker 」マーティン・デニーのカバー曲、細野さんの最初の構想的戦略としてはアメリカで発売し、売り上げ目標400万枚するというものだった、冗談だったけど。
「Cosmic Surfin' 」作曲:細野晴臣
「La Femme Chinoise」作曲:高橋幸宏
Harry Hosono & the Yellow Magic Band はらいそ [CD]
Paraiso by Harry Hosono & the Yellow Magic Band (2005-03-24)
- アーティスト: Harry Hosono & the Yellow Magic Band
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: CD
「はらいそ」(PARAISO)は、78年にリリースされた細野晴臣&イエロー・マジック・バンドのソロアルバム。タイトルの「はらいそ」(PARAISO)はポルトガル語でパラダイス paradise にあたるパライソ(paraíso)が訛った、キリシタン用語で天国のことである。 「トロピカル・ダンディー」、「泰安洋行」に次ぐ、トロピカル三部作の最後を飾るアルバム、細野が「チャンキー・ミュージック」と名付けた、様々なジャンルの音楽をごた混ぜにしたサウンドが繰り広げられ、東京・沖縄・ハワイ・シャンバラを自由に行き来するそのサウンドは、当時の細野さんの音楽の集大成とも言えるもの。初めて坂本龍一、高橋幸宏の3人が共演し、細野はこのアルバムの収録後、自宅で2人にYMOのコンセプトを伝えた。アルバムのエンディングの曲の「はらいそ」の最後にが小森のオバチャマ風に名文句?の「この次はモアベターよ」と言ってるのはYMOの事を指してるという。
「東京ラッシュ」78年にリリースされた音に映像をあわせて90年に作られたもの。
「ファム・ファタール~妖婦」初めて細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人が共演した曲。
「四面楚歌」いかにも細野さんらしくて大好きな曲。
「はらいそ」細野が曲が終わった後に「この次はモアベターよ」と言っている。