本田竹廣 It's Great Outside [CD]
ジャズピアニストの本田竹曠は、66年のプロデビュー後、渡辺貞夫のクインテットやトリオ編成で活動、この頃に渡辺貞夫と一緒に活動をしていたのが増尾好秋(g)で、本田と増尾の二人は意気投合し、本田竹曠のファースト・ソロ・アルバムにも参加しています。その後発表したアルバム「ジス・イズ・ホンダ」はベーシストの鈴木良雄と渡辺貞夫の実弟であるドラマーの渡辺文男とともに、バラードを中心としたスタンダード・ナンバーのアルバムは本田竹曠の代表的なアルバムとなりました。78年にリリースされた「It's Great Outside」は全曲本田竹曠のオリジナルで、レゲエやブルースやカリブミュージックの要素を取り入れ、ファンク・フィーリングのあるクールなジャズ・グルーヴを披露しています。前作「Another Departure」に続きニューヨークでレコーディングが行われ、前作のロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(dr)とのトリオ演奏とはうって変わり、スティーブ・ジョーダン(dr)、アンソニー・ジャクソン(b)、レイ・マンティーラ(per)が作り出す強烈なビートに乗せて本田竹曠はリラックスしたソロを展開、昔のような激しく熱いアドリブを期待すると物足りないが、この頃の本田竹曠を現したリラックスして乗る演奏の素晴らしさを十分に味わえるアルバムです。特に、ニューヨークに在住していた増尾好秋(g)はプロデュースの手助けをし、そのギター・プレイも素晴らしく、本田と増尾はマイ・ブラザーとお互いに呼び合い、認めていた事が良くわかるプレイでした。増尾好秋(g)とコーネル・デュプリー(g)とのコンビネーションもユニークで面白かった、2人のギターを聴き比べるのも面白いです。
同年に結成したグループ「Native Son」では本田竹曠と峰厚介が中心となり、フュージョン色が強くなり人気を集めていきます。
「I'll Become The Child」
「It's Great Outside」
「When The Sun Comes Up」
峰厚介と組んだ「ネイティブ・サン」は当時「スクエア」や
「カシオペア」と並んで日本の音楽シーンでフュージョン
ブームを巻き起こして一世を風靡しましたね。
歯切れがよく洗練されたサウンドが心地よかったです。
1曲目にリンクされた曲はナベサダの「カリフォルニア・
シャワー」をほうふつさせるように感じたので思わず
カリフォルニア・シャワーにも係わっているのかと思い
調べてしまいました。
by NO14Ruggerman (2022-08-07 18:09)
NO14Ruggermanさん
本田竹曠さん渡辺貞夫のグループに長い間いたので、その人間味溢れる音楽の影響が大きいのでしょうね。レゲエ・タッチの「I'll Become The Child」も渡辺貞夫のサウンドの人間味あふれる温かい心と楽しさを現すような曲でした。そう言われると「カリフォルニア・シャワー」のデイブ・グルージンのタッチに似ている。
by ameneko (2022-08-07 21:12)