サンハウス 有頂天 [CD]
ギタリストでボーカリストの鮎川誠さんが29日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した、74歳。
今日は、めんたいロックの祖として、鮎川誠がシーナ&ロケッツの前に在籍していて、今も多くの人々にリスペクトされるバンド、サンハウスのファースト・アルバム「有頂天」です。サンハウスは75年1月に「地獄へドライブ c/w キングスネークブルース」を自主制作盤として発売し、同年6月に「有頂天」を発表した直後に日比谷野外音楽堂でデビュー・ライヴを敢行。年末にはトランザム、中山ラビと共に"ブラック・ツアー"と銘打った初の全国ツアーを展開し、その名を各地で轟かせた。76年5月にはゴダイゴ、CHARと共に全国20ヶ所に及ぶツアーを繰り広げている。生々しいバンドサウンドに独特のオーラを放つ鮎川誠のギターと菊こと柴山俊之のヴォーカルが絡まり最高のグルーヴを生み出した名作。ブルースなどの黒人音楽が見事に消化されていて、鮎川誠の骨太なギターもいい味出してる。この頃はユーミンやティン・パン・アレー系のミュージシャンが台頭するニュー・ミュージック全盛の時代に向かっている中、アルバム「有頂天」は1万枚を超えるセールスを記録している。
ご冥福をお祈りいたします。
「キングスネークブルース」
「風よ吹け」
「レモンティ」
おまけで「レモンティ」の元ネタ、ザ・ヤードバーズの「The Train Kept A Rollin」、この曲のオリジナルは1951年のタイニー・ブラッドショウだがジェフ・ベックが素晴らしいギターのリフを付けてアレンジしている。エアロスミスもカヴァーしている。
おまけでYMOの「Day Tripper」鮎川さんのギターがカッコイイ!!
村田陽一 Solid Brass & Big Band Tribute To The Brecker Brothers [CD]
村田陽一は大学在学中よりライブ・ハウスのピット・インを中心に数多くのセッションを重ねる一方、自己のバンドを率いて活動を開始するほか、オルケスタ・デ・ラ・ルス、米米CLUBのBIG HORNS BEE、JAGATARAなどにも在籍、96年に自己のユニットのソリッド・ブラスでデビューをする、日本を代表する管楽器アレンジャー・トロンボーン奏者。アルバム「Tribute To The Brecker Brothers」は2007年1月に他界したサックス・プレイヤー、マイケル・ブレッカーの為に開催したトリビュート・ライブの模様を収録したライブ・アルバムで、2008年6月15日 浜松アクト・シティ大ホールにてライヴ・レコーディングされた。村田陽一が率いるSolid Brass と19名からなるビッグバンドが共演し、そのビッグバンドには何とランディ・ブレッカー参加、ブレッカー・ブラザーズのほかジャコ・パストリアスの楽曲も演奏し「トリビュート・トゥ・ジャコ・パストリアス」と言ってもよい内容です。大人数ホーンの圧倒的エネルギーで、難曲やファンキー曲を縦横無尽に演奏する豪快なアルバムで、村田陽一のホーン・アレンジも聴きどころ一つ、ホーンの醍醐味を全編で満喫できるエキサイティングなライヴです。
「The Chicken」
「Some Skunk Funk」
「Straphangin'」
「Donna Lee」
「Three Views Of A Secret」
Jagatara 裸の王様 [CD]
【Amazon.co.jp限定】裸の王様 (完全生産限定盤) (メガジャケ付)
- アーティスト: JAGATARA
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレーベルズ
- 発売日: 2023/01/25
- メディア: CD
不世出のヴォーカリスト、江戸アケミを擁し、パンク~レゲエ~ファンク~アフロビート等々を取り込んだ唯一無二の音楽性と、タブーに臆せず鋭く時代を撃つ独自の言語感覚で、主に80年代に活動をし、日本のロック史においても格別の存在感を放った伝説のバンド「JAGATARA」。JAGATARAは、79年に江戸アケミ(vo)を中心に結成。インディーズから「南蛮渡来」「裸の王様」「ニセ預言者ども」をリリース、89年「それから」でBMGビクター(当時)よりメジャーデビュー。その後も旺盛なライヴ/レコーディング活動を展開したが、その矢先の1990年1月27日、アケミが不慮の事故で急死し、活動を休止してしまう。JAGATARAとして初のオリジナル・アルバムとなる「裸の王様」は、アケミの精神的不調による休養を経て、前作「南蛮渡来」から5年後の87年に発表されたセカンド・アルバムで、ファンク・ナンバーを中心に長尺曲4曲で構成され、和製アフロビートと呼ばれるスタイルを確立した作品。JAGATARAと並行して米米CLUBのBIG HORNS BEE、オルケスタ・デ・ラ・ルスにも在籍していたトロンボーン奏者の村田陽一もメンバーだった。今回「南蛮渡来」「裸の王様」「ニセ預言者ども」「それから」が紙ジャケット仕様のCDで再発される。メンバーのOTOの強い要望でリマスタリングを久保田真琴がてがけることになった。
「裸の王様 」
「岬で待つわ (Waiting at the Cape)」
in Concert 仙波清彦とはにわオールスターズ [CD]
仙波清彦は邦楽囃子仙波流家元、仙波宏祐の長男として東京都に生まれ、3歳の頃から父に邦楽を学ぶ。10歳で歌舞伎界に入り、数多くの舞台に出演。東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。パーカッショニスト、ドラマーとして、その類まれなる才能からザ・スクエアに加わったり、坂本龍一のアルバムにも参加、打楽器奏者として坂田明と行動を共にし、その後83年に結成されたのが、仙波清彦とはにわオールスターズで、ジャンルの垣根をぶっ壊した革命集団で、その明るい前衛ぶりと冗談の密度といいアバンギャルドの精神は素晴らしかった。デビュー時のメンバーも村上秀一、川端民生、橋本一子、久米大作、それに山下洋輔トリオの坂田明と中村誠一、チャクラの小川美潮と板倉文までと凄いメンバーが集まった。アルバム「in Concert」は91年にリリースされ、さらに人数が増えて総勢52人。デーモン小暮や戸川純、奥田民生、渡辺香津美、なども加わった。男性は全員水玉模様のパジャマ、女性陣はナース服という衣装も面白く、壮大なる冗談を演じきっている。個人的には戸川純が歌う「リボンの騎士」と小川美潮が歌う「水」が好きでした(東京おとぼけキャッツのボーン助谷のトロンボーン・ソロが聴けたのは嬉しかった)。
メンバーは、仙波清彦(ヴォーカル、パーカッション、指揮者)戸川純、デーモン小暮、小川美潮、奥田民夫、阿部義晴、木元通子、木津茂理、三橋美香子(ヴォーカル)渡辺香津美、倉橋文(ギター)バカボン鈴木、渡辺等、吉田智(ベース)小林靖宏(アコーディオン)十亀正司(クラリネット)石垣三十郎(トランペット)松本治、ボーン助谷(トロンボーン)坂田明、ダディ柴田、矢口博康(サックス)金子飛鳥、斉藤ネコ(ヴァイオリン)久米大作、清水一人(キーボード)福原徹彦、福原百華(笛)藤尾佳子、太田幸子、杵屋五吉郎、田中悠美子(三味線)内藤洋子、内藤久子(琴)望月左之助、仙波大明、仙波和典、仙波宏紅、田淵結(邦打)若林忠宏、ma*to(タブラ)マック清水、田中倫明(コンガ)横沢龍太郎、Whacho、田中顕、梶原茂実、植村昌弘、鈴木憲治(パーカッション)村上秀一、青山純、レイチ、阿部薫(ドラム)。
「明るいテレンコ娘 」
「オレカマ組曲」
「リボンの騎士」
「水」
Eri Skip! [CD]
10代のうちからセッション・シンガーとして活躍した、シンガーソング・ライターの菅井えりがEri名義で86年にリリースされたデビュー・アルバム「ERI」。80年代的のシティーポップスに往年のウォール・オブ・サウンドに取り込んだかのような作品で、アレンジを担当したのは新川博、全体的にエアプレイのようなウエストコースト風サウンドですが、彼女が好きなオールディーズの世界観を軸にフィル・スペクター系のサウンドも取り入れた、ガールズ・ポップに新川博は仕上げている。バックのミュージシャン達はジェイク・コンセプション、松原正樹、土方隆行、青山徹、江口信夫、松原秀樹、浜口茂外也、数原晋、木戸やすひろ、などがキャッチーな楽曲にしている。どんな曲もポップでキュートに歌いこなしているEriの歌唱力も気持ち良い。
「恋はドーナツ・ショップで」
「ダンシング・シューズ」
「ON THE RADIO」
「DREAM IS MY DREAM」
尾崎亜美 Prismy [CD]
「PRISMY(プリズミイ)」は、78年にリリースされた尾崎亜美4枚目のスタジオ・アルバム。前作「ストップ・モーション」から、たった4ヶ月、ハイスピードで制作された、タイトルはデビュー作「Shady」を意識しており、影でなく、プリズムのように明るく多彩な色に染める意志を現した。全曲、作詞・作曲・編曲を尾崎亜美が担当、編曲面での急成長は目を見張るもので、ストリングスをたっぷり使い、尾崎亜美自身の奏でるシンセシザーによってサウンドの厚みを増し、緻密に構築されたアレンジとなった。この後80年にデヴィッド・フォスターとコラボレートし、AOR色を強くするのだが、その前哨戦ともいえる一枚となった。バックアップしているミュージシャン達は林立夫(dr)後藤次利(b)鈴木茂(g)松原正樹(g)佐藤博(p)坂本龍一(p)斉藤ノブ(per)浜口茂外也(per&flute)ジェイク・H・コンセプション(sax)小田和正(cho)鈴木康博(cho)など。これというヒットはなかったが初期の作品で最も統一感のあるアルバムとなった、コンテンポラリーなポップス指向が前面に押し出された完成度の高い楽曲群とピュアな雰囲気とファニーな遊び心に溢れている。坂本龍一、後藤次利、松原正樹といったまだ当時は新進気鋭のミュージシャン達も、見事に使いこなした才能溢れる、尾崎亜美の初期の傑作アルバムとなった。
今日でブログを初めて3年、みなさんのおかげで1000枚以上のアルバムを紹介する事が出来ました、ありがとうございます。これからも色々なアルバムを取り上げていきたいと思います。
「あなたはショッキング・シャイン」
「テンプテーション」
「白夜」
「私は愛を唄わない」
西岡恭蔵 Yoh-Sollo [CD]
[マスターピース・コレクション~シティポップ・マイスター名作選] Yoh-Sollo [生産限定] [UHQCD]
- アーティスト: 西岡恭蔵
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2022/10/26
- メディア: CD
79年に発表された細野晴臣との共同プロデュースによる西岡恭蔵5枚目のアルバム「Yoh-Sollo」。前作「南米旅行」に続き、スペイン、北アフリカからインドネシアをめぐる大旅行を元に制作され、細野晴臣とともに作り上げた本作は、もうひとつの細野晴臣の名作「はらいそ」と言われ、西岡恭蔵が愛妻のクロと世界各地を巡る中で生み出された楽曲の数々を収めたアルバムで、無国籍エスノ・シティ・ポップと形容された。参加したミュージシャンは、細野晴臣、松原正樹、是方博邦、山岸潤史、佐藤博、田中章弘、上原裕、ペッカー、金子マリ、亀淵友香、鈴木慶一などで、70年代末らしい輪郭のハッキリしたサウンドに仕上がっていて、その当時の時代の音がするアルバムでした。次のアルバム「NEW YORK TO JAMAICA」も、鈴木茂アレンジによるニューヨーク~ジャマイカを旅したときの情景を織り交ぜた作品となっている。
「Yoh-Sollo」
「NEVERLAND II」
「Marrakesh」
「Blue Moon La Palma」
門あさ美 HOT LIPS [CD]
「Hot Lips」(ホット・リップス)は82年にリリースされた門あさ美の4枚目のアルバムで、主人公が夜明けのホテルを抜け出すことから始まる、ストーリー仕立ての内容だった為にシングル曲は発売されなかった。前年に阿川泰の「SUNGLOW」を大ヒットさせた松岡直也がサウンド・プロデュース担当し、バックを担当したのも当時の松岡直也のバンドのメンバーだった、村上秀一 - ドラムス、高橋ゲタ夫 - エレクトリックベース、和田アキラ - ギター、土方隆行 - ギター、松下誠 - ギター、ペッカー - パーカッション、土岐英史 - サクソフォーンなどが参加し、サウンドもラテン・フレイヴァーは隠し味として使われている程度で、ベーシックはいつものアンニュイ路線だったが、これまでで最もポップな仕上がりとなり、初めてアルバム・チャートのトップ10入りを果たした作品となった。門あさ美はその美貌に反しテレビなどのメディアにもほとんど出る事がなく、ライブも一切やらないというミステリアスな魅力を売りにしていた人でした。
「気分はもうメンソール」作詞・作曲:門あさ美 編曲:松岡直也
「ルームナンバー202」作詞・作曲:門あさ美 編曲:松岡直也
「とっておき My Love」作詞・作曲:門あさ美 編曲:松岡直也
「乱窓」作詞・作曲:門あさ美 編曲:松岡直也
「ロマン遊泳」作詞・作曲:門あさ美 編曲:松岡直也
ITS It's Wonderland [CD]
日本のマンハッタン・トランスファーと言われたジャズ・コーラス・グループ「イッツ」のセカンド・アルバム「It's Wonderland」は81年にリリースされた。イッツのメンバーは、木本いず美、東郷輝久、島すみえの3人、前作に続きアレンジを佐藤允彦が担当し、今回はロニー・フォスター(key)スティーブ・カーン(g)ウィル・リー(b)ジョー・ファレル(sax)レオン・チャンクラー(ds)などのアメリカで活躍するスーパー・プレイヤー達を迎えての作品となった。ジャンルに関係なく自由奔放で楽しい楽曲となった内容で、ジャズ、AOR、ブラック・コンテンポラリー、さらにテレビ番組セサミ・ストリートの主題歌や9分にも及ぶディズニー・メドレーなどを美しいコーラス・ワークで聴かせている、今回は幅広い彩りを持つコーラス・アルバムを作りたいという思いがあり、サウンド面でコンテンポラリーで、ポップな曲を望んでいて、それを佐藤允彦のコンテンポラリーなアレンジのアイデアに対してのアメリカのミュージシャン達の演奏がフィットしていき、自然と3人も歌もコンテンポラリーなサウンドに向いていった、そのスピリッツは素晴らしく、コーラスには説得力がありエモーションが宿っていった、その結果としてコンテンポラリーな楽しいコーラス・アルバムの誕生となった。
「Count On My Love」
「Sesame Street」
「Solitary Search」
「Make Up Your Mind」
おまけでファースト・アルバムにはいっていた大好きな曲「Rainbow」ドン・グルージンの作曲、アルバム「リー・リトナー・イン・リオ」に入っていたインストの曲に歌詞を付けた曲で、歌詞もドン・グルージン依頼した。
ムーンライダース イスタンブール・マンボ [CD]
「イスタンブール・マンボ」は77年にリリースされたムーンライダーズのサード・アルバム。ギタリストとして白井良明が新たに加入、バンド・サウンド・アンサンブルが強化された、無国籍なエキゾチック感覚は、アメリカ、南米、ヨーロッパ指向のみならず更に中近東風から最後はロシアまでのメロディーも取り入れたアレンジが施され、特にに東洋と西洋の文化の交差点でもあるトルコのイメージのサウンドは、エキゾチズム溢れる先鋭的オルタナティヴ・ロックの傑作で、間違いなく初期のムーンライダースの代表作だ。「週末の恋人」はアメリカのシンガーソング・ライターのハーネス・マルティネスからヒントを得た曲であるし、「ウスクダラ」は江利チエミのレパートリーだったトルコ民謡にかしぶち哲郎の訳詞を付けたもの、「イスタンブール・マンボ」はフォー・ラッツのヒット曲「イスタンブール(ノット・コンスタンティノーブル)」にオリジナルの日本語詞を付けたものである。ムーンライダースの「イスタンブール・マンボ」は本当に面白いアルバムであり、ムーンライダースのメンバーの面々はエキゾチックな歌謡曲が刷り込まれている世代のロック系のミュージシャン達であることがわかる。
「ジェラシー」
「週末の恋人」
「ウスクダラ」
「イスタンブール・マンボ」