John Tropea Live At Mikell's New York [CD]
ニューヨークのトップ・セッション・ギタリストのジョン・トロペイのライブ・アルバム「 Live At Mikell's New York」は94年にリリースされた、80年にマンハッタンのクラブ"ミケールズ"で収録された物で、幻の音源と言っていいだろう。名手ジョン・トロペイのギター・プレイはもちろん、スティーブ・ガッドとリック・マロッタのツイン・ドラム、ウィル・リーのベース、ドン・グロルニックのキーボード、ジョージヤングのサックス、ロニー・キューバのバリトン・サックス、ジョン・ファデイスのトランペットなどニューヨークのトップ・クラスのアーティスト達、ニューヨークのトップ・セッションのオールスターが揃ったライブとなった。80年の録音なので、ミュージシャン達の若さもある油の乗り切った、全盛期のサウンドとなり、最高のグルーヴを作り上げています。ホーン・セクションのアンサンブルも素晴らしく、ただただ聴き入ってしまうアルバムです。さらに嬉しい事にはスタッフのピアニスト、リチャード・テーとニューヨークのトップ・セッション・ギタリストのデビッド・スピノザが飛び入りで参加し演奏をしています。
「Tambourine」ハイテンションのジョン・ベルーシの司会によってライブがはじまります。
「Can't Hide Love」飛び入りゲストのリチャード・ティーの演奏が聴けます。
「The Bratt 」飛び入りゲストのデビッド・スピノザとジョン・トロペイのツイン・ギターは聴き応えがあります。
「Muff 」ジョン・トロペイ、ウィル・リー、リック・マロッタの共作、各自の強力なソロが聴けます。
Earth, Wind & Fire Gratitude [CD]
アルバム「Gratitude」は75年にリリースされた、アース・ウィンド&ファイアーのライブ・ラルバムに新曲5曲という構成のアルバムで、モーリス・ホワイトとチャールズ・ステップニーによって共同プロデュースにより制作されました。前2作のアルバムの収録曲を中心としたライブが4分の3以上を占めているのでライブ・アルバムとして捉えている人が多いのではないかと思う。ラリーダン(key)アル・マッケイ(g)フレッド・ホワイト(dr)ヴァーダイン・ホワイト(b)なとの一番バンドとして充実した演奏力に加えコーラスも完璧、また管楽器も素晴らしく、管楽器ソロも随所で聴く事が出来、ジャージーな部分も聴ける。モーリス・ホワイトのヴォーカルとフィリップ・ベイリーのヴォーカルの素晴らしく、ファンクさとメロウさ合わせ持ち、そのすべてが合わさったのがアース・ウィンド&ファイアーの個性だと痛感できるライブです。スタジオ録音の「Sing a Song」などの出来も良く、ビルボードのホットソウルソングチャートで1位に輝きました。
「Africano/Power」
「Devotion」
「Reasons」
「Shining Star」
「Sing a Song」
John Hall Power [CD]
「ダンス・ウィズ・ミー」の大ヒットで知られるオーリアンズの中心人物にして、ギタリスト/シンガー・ソングライターのジョン・ホール、79年にサード・ソロ・アルバム「Power」をリリース。ジョン・ホールはオーリアンズをソロ・活動をする為に76年に脱退、アルバム「Power」はAOR全盛期に制作された、ジョン・ホールは79年のスリーマイル島原発事故を受けて組織されたミュージシャンによる反原発プロジェクト、ミューズの主要者となり、そのメッセージ・ソング「 Power」を妻のジョハンナと書き上げた「 Power」はメロディアスな味わいと、詞的な美しさを兼ね備えた先進的な作品であり、ヴォーカルを担当したのはジェームス・テイラーとカーリーサイモンで、歌詞には自然エネルギーへの転換を切望する内容が綴られている。アルバム全体としては、ジョン・ホールの心地良い歌と彼のギター・プレイがたっぷり聴ける。「Half Moon」はジャニス・ジョップリンが取り上げて歌い、作曲者として当時注目を集めたジョン・ホールだった、当時からセッション・ギタリストとしても知られた存在で、オーリアンズを結成する前にソロアルバムを発表していました。今回も「Half Moon」を取り上げていて、ジョン・ホールのキレ味鋭いギターが楽しめる。
「Home at Last」
「Power」
「Run Away with Me」
「Arms / Half Moon」
おまけでオーリアンズの大ヒット曲「Dance with Me」
Robbie Dupree Carried Away [CD]
ロビー・デュプリーはニュー・ヨークのブルックリン生まれ、70年にはChic結成以前のナイル・ロジャースとブルース色の濃いバンドを組み活動、その後ニューヨーク州のウッドストックに移り住み活動、この頃にトッド・ラングレンやザ・バンドと親交を深める、この頃にクラッキンのメンバーとも知り合っていたと推測される、クラッキンのメンバーであるリック・チュダコフ&ピーター・ブネッタをプロデュースに迎えてファースト・アルバム『ふたりだけの夜(原題:Robbie Dupree)』をレコーディング、セカンド・アルバムももリック・チュダコフとピーター・バネッタがプロデュースを手がけ、でクラッキンのメンバーであるブライアン・レイ、レズリー・スミス、アルノ・ルーカスが参加している。セカンド・アルバムから約8年のブランクを経て88年にリリースされた「Carried Away」ロサンジェルスからニュー・ヨークのウッドストックに拠点を移し、オーリアンズのラリー・ホッペンとジェリー・マロッタとボブ・レイン、クラッキンのレスリー・スミスとピーター・バネッタ、そしてニューヨークのセッション・ミュージシャンのジョン・トロペイ(g)、トニー・レビン(b)などが参加している。「This Is Life」は飲酒運転で命を落とした友人の死を歌にしたとのことで、この曲が最初に出来上がり、そこからこのアルバムに発展したとのこと。派手ではないもののシリアスで内省的な曲が多く、ロビー・デュプリーのボーカルの良さが生きている作品となった。
「This Is Life」
「Talk To You」
「Tears」
「Why」
Crackin' Crackin' - I [CD]
クラッキンは、「西のタワー・オブ・パワー、東のクラッキン」と言われるファンキー&メロウなサウンドが持ち味のバンドで、70年代に活動した白人・黒人混成のグループ。クラッキンのファースト・アルバム「Crackin' - I」は75年にリリースされた。数多くのAOR名作にその名を残す名プロデューサー・チームのピーター・バネッタ&リック・チューダコフ、全盛期のドゥービー・ブラザースやアベレイジ・ホワイト・バンドのアレンジャーとしても知られるレスター・アブラムス、そしてリッキー・リー・ジョーンズ、ランディ・ニューマン、マーク・ジョーダンらの作品に携わるソウル・ファンク・ヴォーカリスト&ドラマーのアーノ・ルーカス、また現在ポール・マッカートニーのバンドにいるギタリストのブライアン・レイ、そしてソロとしてもAOR傑作を残す名ヴォーカリストのレスリー・スミスが在籍、ロビー・デュプリーのバック・バンドとしても何度か来日も果たしているクラッキン。都会的なセンスに溢れる大所帯グルーヴを売りにした彼らの記念すべきデビュー作は、当然のことながら彼らのアルバムの中でも最もファンクしている作品となり、デビュー作にして自分たちの目指すところを明確に示し、熱き70年代のシティ・ソウルを満喫できるアルバムとなった。
「Wanna Dance?」
「Fall In Line 」
「Live Life Simple」
「What Ta Day」
Mark-Almond Other Peoples Rooms [CD]
ニッキー・ホプキンスも在籍したスウィート・サーズデイのジョン・マーク、ミュージック・マシーンを率いたサックス奏者ジョニー・アーモンドマがジョン・メイオールの元で知り合い、フォークとジャズを目指したイギリス発の先進的ユニットがマーク=アーモンド、71年にデビューするが、一旦活動を休止してアメリカで再出発、渡米後2作目となるのが「アザー・ピープルズ・ルームズ」で78年にリリースされた。プロデュースを担当したのはトミー・リピューマ、レコーディングとミキシングをアル・シュミットが担当して、トミー・リピューマが設立したホライゾン・レコードからリリースされた。この二人による作品はニック・デカロの「Italian Graffiti」やジョージ・ベンソンの「Breezin'」マイケル・フランクスの「The Art Of Tea」や「Sleeping Gypsy」などが知られている。アダルト・コンテンポラリー路線を開拓したトミー・リピューマだけに、エレガントでメロウ、洒落たサウンドのマーク=アーモンドの魅力を引き出している。参加ミュージシャンはジョン・トロペイ(g)レオン・ペンダービス(key)ウィル・リー(b)ラルフ・マクドナルド(per)ラリー・ウイリアムス(key)スティーブ・ガッド(dr)などのニューヨークのミュージシャン達が見事なサポートをしている。彼らの持ち味だったイギリス的な繊細さがニューヨークのサウンドに溶け込んでいる。かつての牧歌的な叙情性から、都会的なサウンドへと見事に変わっている。
「The City」
「Girl on table 4」
「Other Peoples Rooms 」
「Lonely People」
Kate Bush The Kick Inside [CD]
THE KICK INSIDE (2018 REMASTER)
- アーティスト: KATE BUSH
- 出版社/メーカー: Warner Music
- 発売日: 2018/11/16
- メディア: CD
「キックインサイド」は英国のアートロック歌手ケイト・ブッシュのデビュースタジオアルバムで78年にリリースされた。ケイト・ブッシュは11歳で曲を書き始め、16歳の時にピンク・フロイドのデイヴィッド・ギルモアに見いだされ、エミリー・ブロンッテの同名小説をモチーフにした「嵐が丘」でデビュー、いきなり全英1位となる。本作制作時のケイト・ブッシュはまだ17歳で、ピアノ主体の曲作りと英国的なファンタジーを匂わせるメロディ、それをファルセットのようなハイ・トーンのヴォーカルで歌い上げている。ダンカン・マッケイ、イアン・バーンソン、デヴィッド・ペイトン、アンドリュー・パウエル、アラン・パーソンズ・プロジェクトのスチュアート・エリオット、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアなど、プログレッシブ・ロックのベテランによる演奏とプロデューサーのデイヴィッド・ギルモアとアンドリュー・パウエルによって作り上げられたサウンドとケイト・ブッシュの歌によって作られたアートロックは、時代を越えて今聴いても、その奔放な才能には驚かされる、彼女の原点となったアルバムです。ちなみに「Wuthering Heigを最初に聴いた時、矢野顕子にそっくりだなあと思ったのを思い出しました。
「Wuthering Heights」
「Moving」
「Kite」
「Them Heavy People」
Nina Simone Here Comes The Sun [CD]
ニーナ・シモンはアメリカ合衆国のシンガーソングライター、ピアニスト、公民権活動家。彼女は音楽人生を通じて社会的意識の高いプロテスト・シンガーとして活躍、人種や性別に対する社会の偏見に疑問を投げかけ、弱者に寄り添う者であろうとしたアーティストだった。数々のディーヴァたちからリスペクトを受けるニーナ・シモンの代表作「ヒア・カムズ・ザ・サン」は71年にリリースされた。タイトルから分かるようにビートルスのジョージ・ハリスン作のナンバー「ヒア・カムズ・ザ・サン」に始まり、ボブ・ディランの「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」、その他ファイヴ・ステアステップス、ジェリー・ジェフ・ウォーカーらのヒット曲をカヴァーしたアルバムで、特に「マイ・ウェイ」はフランク・シナトラの歌唱で知られる曲のカヴァーだが、アレンジは大幅に異なり、高速のボンゴや流れるようなストリングスが機能して、彼女の主張を示している。唯一のオリジナル「ハウ・ロング・マスト・アイ・ワンダー」はウェルドン・アーヴァイン作で、先鋭的なジャズ・ミュージシャンのウェルドン・アーヴァインを歌モノの作曲家として早くから起用していたのも彼女だった。ワン&オンリーの解釈で歌い、破格のスケールが強く心を打つ名作。
「Just Like a Woman」
「Here Comes the Sun」
「My Way」
「How Long Must I Wonder」
Roberta Flack Chapter Two [CD]
アルバム「チャプター・ツー(第二章)」は、ロバータ・フラックのセカンドアルバムで、70年にリリースされました。ファーストから引き続きジョエル・ドーンがプロデュースを担当、ダニー・ハサウェイとエミール・デオダートがアレンジを担当し、ピアノを主体にした静かでジャジーなテイストのアルバムとなりました。ダニー・ハサウェイ(key)、レイ・ルーカス(dr)、エリック・ゲイル(g)、チャック・レイニー(b)、ヒューバート・ロウズ(fl)、エミール・デオダート(key)らによる演奏は、ジャケット写真さながらのモノトーンなロバータ・フラックの歌声に寄り添うようにピッタリとフィットしている作品となりました。アルバムの一曲目は、のちにロバータの代表作となる「愛のためいき(Feel Like A Makin' Love)」の作者でもあるジーン・マクダニエルズの「僧侶リー(Reverend Lee)」で始まり、アル・ウィルソンやニーナ・シモンのヴァージョンがおなじみのジミー・ウェッブ作品「愛を信じて(Do What You Gotta Do)」、ボブ・ディランの「女の如く(Just Like a Woman)」、ベティ・エヴェレット&ジェリー・バトラーの64年のヒッ曲でも有名な「Let It Be Me」などを収録しています。一部のリスナーやアーティストらに高い評価を受けたが、一般的にみればまだ無名の存在だったロバータ・フラック、その時期の彼女を、社会的意識の高いプロテスト・シンガーとして位置づけしていて、メッセージ色の強い曲を複数歌っていた、メッセージ・シンガーの先輩、ニーナ・シモンの曲も歌っていた為、当時のロバータ・フラックはポスト・ニーナ・シモン的な色合いもかなり強かった。「チャプター・ツー(第二章)」はロバータ・フラックの音楽指向とメッセージ性が結びついた、彼女らしい秀作だった。
「Reverend Lee」
「Do What You Gotta Do」
「Just Like a Woman」
「Let It Be Me」
Gerry Rafferty City To City [CD]
アルバム「シティ・トゥ・シティ」は、スコットランドのシンガーソングライター、ジェリー・ラファティの2枚目のソロ・スタジオ・アルバムで、78年にリリースされた。60年代末にビリー・コノリー(英国で愛されるコメディアン/アクター/ミュージシャン)とともに結成したハンブル・バムスというフォーク・デュオで活動を開始し、その後ロック・バンド、スティーラーズ・ホイールとして活躍、71年にソロ・デビューし、7年ぶりのソロリリースであり、トラディショナル・フォークと英国的ロックをブレンドしたサウンド、そして憂いを帯びたメロディは、グラスゴーのポール・マッカートニーとの異名を持っている、英国の田園風景を思わせる名作である。バグパイプで始まるトラッド調の「The Ark」で始まり、最初のシングルになった「Baker Street」は全英シングルチャートで1位を記録し、次のシングル「Right Down the Line」も6位を記録する、ポール・マッカートニー調の「Mattie's Rag」なども収録、捨て曲無しの名盤で、全米アルバム・チャート1位を記録した他、世界各国でTop 10ヒットを記録、全米ではプラチナム・ディスクを獲得する大ヒット・アルバムでした。
「The Ark」
「Baker Street」
「Right Down the Line」
「Mattie's Rag」
「Waiting for the Day」