Steve Miller Band Fly Like An Eagle [CD]
スティーヴ・ミラー・バンドのアルバム「Fly Like An Eagle(鷹の爪)」は76年にリリースされた。テキサス出身でブルースに親しんだ、スティーヴ・ミラーは68年にスティーヴ・ミラー・バンドとしてデビューし、デビュー作「Children of the Future」はビートルズとブルースの結婚と言われ賞賛された。ボズ・スキャグス、ベン・シドラン、ニッキー・ホプキンスらが在籍したバンドであることでも知られている。「Fly Like An Eagle(鷹の爪)」は全米チャートで一気に2位まで昇りつめ、スティーヴ・ミラー・バンドの人気を決定づけたアルバムとなった。スティーヴ・ミラーはキャリアを通じて様々なジャンルを試し、過去の影響をすべて活用し、まとめ上げられた彼のサウンドは素晴らしいものに仕上がっている作品となった。ブルースからヒッピー・ロック、カントリー、そしてR&Bにシンセシザーを巧みに使い、宇宙に舞い上がるようなギター・サウンドを確立、スペース・カウボーイの愛称で親しまれていた。
「Fly Like An Eagle」
「Take The Money And Run」
「Rock'n Me」
「You Send Me」
Boz Scaggs Middle Man [CD]
「ミドル・マン」は80年にリリースされた、ボズ・スキャッグスのアルバム、ボズ・スキャッグス流のブルー・アイド・ソウルを極めた前作「ダウン・トゥ・レフト」から2年半のインターヴァルを経てリリースされた。プロデュースはジョー・ウィザードから名エンジニアのビル・シュニーに代わり、より重厚なサウンドになったいる。前2作アルバムの作曲のパートナーのデヴィド・ペイチやマイケル・オマーティアンから本作ではデヴィッド・フォスターに代り、作曲と演奏面で大きく貢献している。デヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ルカサー 、スティーヴ・ポーカロ – 、デヴィッド・ハンゲイトのトトのメンバーに加え、デヴィッド・フォスター、ドン・グロルニック 、リック・マロッタ、レイ・パーカーJr、カルロス・サンタナなどが参加し、トトのメンバーをバックにした最後のアルバムでもあった。「Jojo」はボズ・スキャッグスとデヴィッド・フォスターとデヴィッド・ラズリーによる共作で、AORの代表曲の一曲となっている。「Breakdown Dead Ahead」ではスティーヴ・ルカサーのギター・ソロも印象的で、前作の「A Clue」のギター・ソロによって有名になったのを思い出される。「You Can Have Me Anytime」はいかにもデヴィッド・フォスターという曲で、新しいタイプのボズ・スキャッグスを引き出している、尚ギター・ソロはカルロス・サンタナが弾いている。都会的で洗練されたAORの傑作アルバムで、ハイ・センスなAORというボズ・スキャッグスの定番となったメロディアスなサウンドが詰まったアルバムとなった。
「Jojo」
「Breakdown Dead Ahead」
「Simone」
「You Can Have Me Anytime」
Electric Light Orchestra Out Of The Blue [CD]
エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)は、ロックバンドにストリングス楽器担当を導入したユニークな構成のバンドで、77年にリリースされた「アウト・オブ・ザ・ブルー」はELOのフロントマンであり、スタジオの魔術師といわれたジェフ・リンにプロデュースされた2枚組のアルバムでした。その音楽性は、初期のプログレ路線から交響楽団との本格的コラボを経てディスコ風ポップまで、70年代の時代を通じて進化を続けたELO、「アウト・オブ・ザ・ブルー」は完璧主義者のジェフ・リンのこだわりが詰まった総決算的な大作。アナログ盤では2枚組で、C面に収録された4曲は組曲的な構成になっていて、そのラストには、名曲の「ミスター・ブルー・スカイ」が収録されている。その音楽性とアルバム・ジャケット(宇宙船のイラスト)から「スペース・ロック」とも呼ばれたが、ロックやポップスの要素とストリングスの演奏が溶け合った作品である。メンバー7人によるELOの最後の作品であり、といっても、実質7人全員が参加した曲はほとんどない。
「Turn To Stone」
「It's Over」
「Sweet Talkin' Woman」
「Summer and Lightning」
「Mr. Blue Sky」
The Police Reggatta De Blanc [CD]
アルバム「Reggatta De Blanc」はデビュー作から一年足らずで作られた79年にリリースされたポリスのセカンド・アルバム。このアルバムはポリスがUKアルバムチャートでトップに立った最初の作品でした。出来上がったアルバムに付けられたのは、「Reggatta De Blanc」はフランス語と英語の入り混じった言葉で、英語に翻訳すると 「White Reggae」つまり白人によるレゲエを意味します。つまり、今回も前作同様、ロックにレゲエを融合させるという、彼等のユニークな作風のアルバムでした。ポリスの3人はバンドを結成した時点ですでに立派なキャリアを積んだミュージシャンだったので、当時のイギリスで勢いがあったパンクやニューウエイブのバンドと違ったのは、パンクだけでなくレゲエのリズムを織り込んだ自分達の音楽の要素を構築することが出来た、ファースト・アルバムをさらに発展させたものが「Reggatta De Blanc」でした。「Message In A Bottle」ではアンディ・サマーズ(g)の代名詞であるシスティマティックなアルペイジオが登場していたり、白いレゲエ(白人によるレゲエ)といった音楽性の側面が強いアルバムでもありました。まだまだ荒っぽい生々しいアレンジとその音作りと、スートリーのあるメッセージ性はポリスの魅力でもありました。
「Message In A Bottle」
「Bring On The Night」
「On Any Other Day」
「No Time This Time」
ToTo [CD]
ロサンゼルスでスタジオ・ミュージシャンをしていた高校の同級生だったデヴィッド・ペイチ(key)とジェフ・ポーカロ(ds)に高校の後輩であるスティーヴ・ルカサー(g)やスティーヴ・ポーカロ(key)ら、若きセッション・ミュージシャンとして活躍た彼らの注目されたデビュー・アルバムは78年にリリースされた。卓越したテクニックでプログレ、、ジャズ、ハードロック、ソウル、フュージョンの要素を合わせた、素晴らしいアンサンブルを披露したアルバムとなった。ハイ・レベルな演奏スキルとロック・バンドらしい一体感、セッション・ミュージシャンらしく異なるタイプの曲も苦も無く演奏し、デビュー・アルバムとは思えぬハイ・クオリティなサウンドを繰り広げている。専任のボーカリストのボビー・キンボールがいるにもかかわらずギタリストのスティーヴ・ルカサーやキーボーディストのデヴィッド・ペイチがリード・ボーカルをとることが多く、聴きやすいサウンドを有していることから、ジャーニーなどとともに産業ロックと形容されることがあるが、実際に、そういった趣が色濃い曲も数多く、それゆえヒット曲が多かった。小林勝也さんがデビュー当時はアメリカではアイドル・バンドとして認識されていたと言っていて、日本とはチョット違っていて驚いたの思い出しました。
「Child's Anthem」
「Hold the Line」
「Georgy Porgy」
「I'll Supply the Love」
Michael Franks One Bad Habit [CD]
アルバム「ワン・バッド・ハビッド」はマイケル・フランクスの6枚目のアルバム、80年にリリースされた。前作のジョン・サイモン(ザ・バンド、ジャニス・ジョップリン、サイモン&ガーファンクルのなどを手掛けたプロデューサー)によるプロデュースはジャズ感覚を強めてた作風だったが、本作はトミー・リピューマとアル・シュミットとのコンビが復活し、新たに元ルーファスのドラマー、アンドレ・フィシャーがリスム・アレンジとコ・プロデゥーサーとして手腕を発揮することになった。前作から一転コンテンポラリーな指向を強くして、シャープなサウンドとなった。「Baseball」でのエモーショナルなでデヴィッド・スピノザのギターで始まる本作は、曲ごとにミュージシャンが適材適所に代わるセッション方式で、マイケル・フランクスにとっては初めての事、やはりスティーリー・ダンの影響があったのだろうか、エリックゲイル(g)、エディ・ゴメス(b)、ドン・グロルニック(key)、ニール・ジェイソン(b)、リック・マロッタ(dr) 、ヒュー・マクラッケン(g)、ラリーウィリアムズ(key)などの東西の一流ミュージシャンが参加、そしてアンドレ・フィシャーの弟クレア・フィッシャーはストリングスのアレンジを担当している。ちなみにドン・グロルニック(key)とリック・マロッタ(dr)が参加したスティーリー・ダンの「ガウチョ」のリリースは本作から半年後のこと。サウンドが変わっても、やっぱりマイケル・フランクスが歌い始めればやっぱりいつものウイスパー・ボイスでエレガントに歌っている。
「Baseball」
「All Dressed up with Nowhere to Go」
「On My Way Home to You」
「One Bad Habit」
Player Room Wiyh A View [CD]
プレイヤーはロサンゼルスで1976年に結成されたロック・バンド。英国はリヴァプール出身のピーター・ベケット(g,vo)とテキサス出身のJ.C.クロウリー(kyd,vo)、L.A.のローカル・バンドを転々としていたロン・モス(b,vo)、そしてロンのハイスクール時代のバンドメイトだったジョン・フリーゼン(ds)の4人で結成された。サード・アルバム「Room Wiyh A View」は80年にリリースされた。前科の発表後に創設メンバーのJ.C.クロウリーが脱退し、本作では、ピーター・ベケットとトニー・ベルーソによる共同プロデュースおよび全曲を作曲している。77年に全米ナンバー・ワンヒットとなった「BABY COME BACK」を彷彿させるメロウ・チューンの曲はお手の物で良い出来である。ホール&オーツやパブロクルーズのような多彩なサウンドとアルバム全体を通しての爽やかなハーモニーは、当時の西海岸らしいサウンドである。当時は国内版の発売もなかったが、アルバムの楽曲は佳作が揃っていた。
「It's For You」
「Who Do You Think You Are?」
「Givin' It All」
「It May Never Happen」
Dr.John Dr.Jhn's Gumbo [CD]
72年にリリースされた「ドクター・ジョンズ・ガンボ」は、ニューオーリンズの歌手兼ピアニストのドクター・ジョンによる5作目のアルバムで、ロック・シーンへニューオリンズ旋風を巻きおこしたドクター・ジョンの出世作。ニューオーリンズの著名なR&Bのアーティストのカバー曲がアルバムの大部分を占めており、50年代から60年代にかけてのニューオーリンズのジャズやブルース、R&Bの数々を紹介している、結果的にドクター・ジョンによるニューオーリンズ音楽の入門書的な内容となっている。さらに、ローリング・ストーンズからザ・バンドまでに影響を及ぼした、ドクター・ジョンによるリズムの変革の貢献は計り知れない、デキシーランド・ジャズ、マルディグラ等の土着的な楽曲の「シンコペーション・ミュージック」には人を虜にするなにかがある、70年代世界にニューオーリンズ・ミュージックの素晴らしさを発信し、その影響をもたらしたのが本作でもある。アルバムからは「Iko Iko」がシングル・カットされ、ビルボードのポップ・チャートの71位を記録した。
なお、タイトルの「ガンボ」とは、ルイジアナ州で食されるスープ料理のこと。
「Iko Iko」
「Blow Wind Blow」
「Mess Around」
「Little Liza Jane」
おまけでザ・バンドの映画「ラスト・ワルツ」から「Such a Night」ドクター・ジョンらしい名曲。
Dire Straits [CD]
アルバム「ダイア・ストレイツ」は、イギリスのロックバンド、ダイア・ストレイツのデビュー・スタジオ・アルバムで、78年にリリースされた。マーク・ノップラー という優れたギタリストを中心に、オリジナル・メンバーは、マーク・ノップラー(リードギター&ボーカル)と弟のデヴィッド・ノップラー(リズムギター)、ジョン・イルズリー(ベース)、ピック・ウィザース(ドラム)の4人構成で結成され、イギリスのバンドながらアメリカのルーツ・ミュージックをベースとしたデビュー・アルバムとなった。ルーツ・ミュージックに独自の解釈を施した音楽に高い評価を付ける向きもあったものの、直ちにヒットはしなかったがオランダのラジオでヘヴィー・ローテーションされたり、ツアーの効果もあってアルバムは全米で2位、全英で8位を記録した。渋く味のあるギター・プレイを軸に丹念に作り上げたサウンドはデビュー・アルバムとは思えない出来で、そのスタイルは、当時の音楽シーンのトレンドからも全く離れた所にあり、極めて特異な個性をアピールしている。
「Sultans Of Swing」
「Wild West End」
「Southbound Again」
「In The Gallery」
Peter Frampton I'm In You [CD]
ピーター・フランプトンは、イングランド出身のロックミュージシャン、シンガーソングライター、ギタリスト。アルバム「アイム・イン・ユー」は、ピーター・フランプトンの3枚目のスタジオ・アルバムで、77年にリリースされた。ゲストミュージシャンにスティーヴィーワンダー、リッチーヘイワード、マイクフィニガン、ミックジャガーが参加している。前作の76年に発表したライブ・アルバム「フランプトン・カムズ・アライヴ」は、全世界で1,000万枚以上を売り上げる驚異的な大ヒット作となる。マイケル・ジャクソンのスリラーが出るまでで、売り上げ枚数がトップだったモンスターアルバムとなったが、この結果、ロック界ではライブ・アルバムがブームとなり、他のミュージシャン達もこぞってライブ・アルバムをリリースした。絶頂期のアルバム「アイム・イン・ユー」はフランプトンで最も商業的に成功したスタジオ・アルバムとなった。ギター・ヴォーカルの先駆者的な存在でもあり、アコースティックなサウンドも得意としている。ちなみにデビッド・ボウイと同じ高校で後輩、80年代のデビッド・ボウイのアルバムやツアーにギタリストとして参加している。
「I'm In You」
「St. Thomas (Don't You Know How I Feel)」
「[I'm A] Road Runner」
「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」
おまけで「フランプトン・カムズ・アライヴ」から「Baby I Love Your Way」その後、色々な人たちにカヴァーされる名曲。