Sly and the Family Stone There's a Riot Goin' On [CD]
アルバム「ゼアズ・ア・ライオット・ゴーイン・オン」はドラッグで開店休業状態だったスライが2年ぶり以上間が空いたアルバム。バンドと録った曲もあるが、仲間が離れいった状況で、当時の最新機器だったドラム・マシンを使ってほとんどを単独で作り、親友のボビー・ウーマックやビリー・プレストンの手を借りて、1年にかけてカリフォルニア州サウサリートのレコード・プラント・スタジオで録音され、完成させた作品で、71年にリリースされた。その革新的な手法や、暗くてクールなファンクの凄みは他には例がなく、スライならではのヒラメキがあり、それはスライ個人の混沌とした勘定とも共振したのであろう。経緯はどうあれ異色の名作が出来上がった。
「Luv N' Haight」
「Family Affair」
「Poet」
「Africa Talks to You "The Asphalt Jungle"」
「Runnin' Away」
Kokomo Rise And Shine [CD]
ココモは、イギリスのファンク・バンドで、アヴェレイジ・ホワイト・バンドと並ぶ、70年代英国ファンクの代表的バンドの一つで、ホワイト・ファンクの草分け的バンド。ジョー・コッカーのバック・バンドとしても知られるグリース・バンドで活動していたニール・ハバードとアラン・スペナーが、アライヴァルというリヴァプール出身のバンドのメンバーと合流して、73年5月に結成された。バンド名は、アレサ・フランクリンが1972年に発表した楽曲「ファースト・スノウ・イン・ココモ」にちなんでいる。マイアミ録音のセカンド・アルバム「ライス・アンド・シャイン」は77年にリリースされた。
メンバー・チェンジを経て、ほとんどがロンドンのセッションミュージシャンである、ニール・ハバード (g)、アラン・スペナー (vo&b)トニー・オマリィ (Vo&key)メル・コリンズ (sax)、フランク・コリンズ (vo)ダイアン・バーチ (vo)パディ・マクヒュー (vo)ジョン・サスウェル (dr)の8人編成となり制作されたのが本作で、同じ英国出身のアヴェレージ・ホワイトの「Pick Up The pieces」が全米ナンバー・ワン・ヒットになった為か、よりファンク・ナンバーが強化されたアルバムとなった。イギリス盤とアメリカ盤ではジャケットが違っている。
「Use Your Imagination」
「Little Girl」
「Do It Right」
「Happy Birthday」
Sergio Mendes [CD]
アルバム「セルジオ・メンデス」は、75年にリリースされた。当時率いていたグループではなく個人名義で発表したアルバムで、ブラジル盤では「I Believe」日本盤では「If I Ever Lose This Heaven(悪魔の誘惑)」というタイトルでリリースされている。前作までタッグを組んでいたボーンズ・ハウに代わりデイブ・グルーシンとの共同プロデュースとなり、ボニー・ボウデンとソンドラ・カットンによるボーカルをフィーチャーした作品で、リオン・ウェア作の「If I Ever Lose This Heaven」ダニー・ハサウェイの「Someday We'll All Be Free」スタイリスティックスの「Let Them Work It Out」などをカヴァーし、当時のメロウ・ファンク路線寄りの選曲から、このアルバムのセルジオ・メンデスの方向性を感じ取れる事が出来る。ベース にチャック・レイニー、ドラム –にハーヴェイ・メイソン、ギターにデヴィッド・T・ウォーカー、パーカッション –にパウリーニョ・ダ・コスタなどが参加し、この手のメロウなサウンドを得意とするメンバーらしい素晴らしい演奏をしている。セルジオ・メンデスのアルバムの中でもフリーソウル のレアグルーヴへ方向転換した貴重な作品。
「Lookin' For Another Pure Love 」
「If I Ever Lose This Heaven」
「Someday We'll All Be Free」
「Let Them Work It Out」
Average White Band Soul Searching [CD]
ソウル・サーチング+2 (最新リマスター、新装解説、歌詞、ボーナス・トラック付)
- 出版社/メーカー: AWB/SOLID RECORDS
- 発売日: 2019/02/13
- メディア: CD
アヴェレイジ・ホワイト・バンドは、イギリス、スコットランド出身のファンク、ソウル/R&Bのバンド。地声に力のあるアラン・ゴリーとファルセットを得意とするヘイシュミット・ステュアートという二枚看板のリード・ヴォーカルを擁した彼らの、76年にリリースした4枚目のアルバム「ソウルサーチ」はニューヨークのアトランティック・スタジオで録音された。マービン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーのニュー・ソウルからの影響を彼ららしく表現した作品となった。ラスカルズのブリガッティ兄弟も参加したヘイシュミ・ット・ステュアート作曲の「Queen Of My Soul 」は全売トップ40に入り、ヘイシュミットとネッド・ドニヒーとの初共作「A Love Of Your Own 」は、ネッド・ドニヒーのアルバム「ハード・キャンディ」を始め、メリサ・マンチェスター、ミリー・ジャクソン、ハワード・ヒュエットなどにカヴァーされた隠れた名曲が入っている。このアルバムからドラムが元ブラッドストーンのスティーヴ・フェローンに代わり、どんな曲でも素晴らしい演奏を聴かせてくれている。彼は、チャカ・カーンの78年のソロ・デビューアルバムに出演して以来、エリック・クラプトン、ビージーズ、マイケルジャクソン、ジャコパストリアス、ジョージ・ベンソン、シンディ・ローパー、ホイットニー・ヒューストン、デュランデュランなどのアルバムに参加するスーパー・ドラマーとして名を馳せていく。76年当時に流行り始めていたメロー・ファンク路線となり、ロジャー・ボール のホーンアレンジもジャズに傾倒を強め、彼らの強みであるハードなファンクと同じ位に、メロディックなソウルに焦点を合わせる事に成功したアルバムとなりました。
「Queen Of My Soul 」
「Everybody's Darling 」
「A Love Of Your Own 」
「Soul Searching」
Georgie Fame Cool Cat Blues [CD]
ジョージー・フェイムは、イギリスのR&B、ジャズミュージシャン。66年に次作の「ゲット・アウェイ」でナンバー・ワンを獲得。アルバム「Cool Cat Blues」は90年にリリースされた。ベン・シドランが自ら立ち上げたGo Jazzレーベルの一作目だったのが本作である。ベン・シドランの元には「JAZZ」というキーワードの下に、ジャンルを超えて互いに尊敬し高め合う、名だたるミュージシャンが集結しジャズはもちろん、フュージョン、ロック、ソウル、ブルース…すべての音楽ファンに捧ぐ最上質の作品を作りていきます。本作はコンテンポラリー・ジャズ・ヴォーカルの流儀を守りながら、聴きやすさもある作品。バックのメンバーもリチャード・ティー(key)ロベン・フォード(g)ウィル・リー(b)スティーブ・ガッド(dr)ラルフ・マクドナルド(per)のニューヨークのファースト・コールのメンバーに、ヴァン・モリソンとボズ・スキャグスがコーラスで参加している。ドナルド・フェイゲンやマイケル・フランクスを彷彿させる、そのアレンジと小洒落たムードは今聴いても古さを感じさせない。
「Cool Cat Blues」
「Yeah Yeah」
「Moondance」
「Rocking Chair」
Richie Havens Connections [CD]
ウッドストックのオープニングアクトを努めた事でで知られるリッチー・ヘイヴンズは、まさに伝説的という言葉がぴったりのシンガーだ。そんな彼のアルバム「Connections」は79年にリリースされた。実に3年ぶりとなる作品だが、気負いがなく、自然な歌い方は並みのシンガーではないことを示している。リッチー・ヘヴンズといえば、何といっても、激しくギターをかき鳴らして切々と唄うイメージなのだが、本作でのリッチー・ヘヴンズは弾き語りの枠から飛び出して、自由気ままに歌っている。さらに本作はジェイ・メイソン、ポール・マッカートニー、サム・クック、ボブ・シーガー、トム・ウェイツ、ラモン・ドジャー、スティーヴィー・ニックスらの曲を選曲しているのだが、リッチー・ヘイヴンズ流に唄い上げているが素晴らしい。リック・デリンジャー(g)ジェフ・バクスター(g)デビッド・スピノザ(g)リチャード・テイー(key)チャック・レイニー(b)スティーブ・ガッド(dr)などが参加している。
「Mamma We're Gonna Dance」
「Every Night」
「Dreams」
「Here's a Song」
Ben Sidran Bop Sity [CD]
バップ・シティ BOP CITY (2015年リマスター版)
- 出版社/メーカー: SOMETHIN'COOL / GO JAZZ Project
- 発売日: 2015/07/08
- メディア: CD
ベン・シドランが83年にリリースした「バップ・シティ」、独自のユーモア、インテリジェンスを備え、ジャズやソウルやロックを自由に行き来するベン・シドランだったが、やはりベン・シドランを改めてジャズの人だと位置づけた作品となった。ベン・シドランのオリジナル「It Didn't All Come True」などに、マイルス・デイヴィスの代表曲「Solar」「Nardis」やジョン・コルトレーンの代表曲「Big Nick」やセロニアス・モンクの代表曲「Monk's Mood」にベン・シドランがオリジナルの歌詞を付けて歌い上げる、ワンアンドオンリーの才能を発揮した意欲作。プロデュースは、ベン・シドランとマイク・マイニエリ、78年にリリースした「ザ・キャット・アンド・ザ・ハット」はマイク・マイニエリがプロデュースし、ジャズの名曲に尊敬の念を保った再生を図っていた。ベン・シドラン(ピアノボーカル)フィル・ウッズ(サキソフォン)マイク・マイニエリ(ビブラフォン)ピーター・アースキン(ドラムス)エディ・ゴメス(ベース)スティーブ・カーン(ギター)が参加し、そのミュージシャンの面々をとっても、非常に興味をそそられる。AORでの成功、フュージョン、ロック界の大スター達との交流の中にありながらベンシドランのルーツは常にジャズにあり、そのことが周囲のミュージシャンに与えた影響ははかりしれません。
「Solar」
「Big Nick」
「It Didn't All Come True」
「Nardis」
「Monk's Mood」
Rickie Lee Jones Pop Pop [CD]
アルバム「ポップポップ」は、91年にリリースされたリッキー・リー・ジョーンズのアルバム。ジャズやブルースのスタンダードからティン・パン・アレー、ジミ・ヘンドリックスのカヴァーまでが含まれた作品で、彼女自身が好きな歌という基準でセレクトされた初の全曲カヴァー集で、デヴィッド・ワスとリッキー・リー・ジョーンズが共同プロデュースしたアルバム。共演者も曲によって異なるが、二人から七人くらいの編成で、ベースにチャーリー・ヘイデン、テナー・サックスにジョー・ヘンダーソンというジャズ界の大物が参加、ギターにロベン・フォード、バンドネオン勝者はディノ・サルーンはチャーリー・ヘイデンと共演し注目されていた人物、パーカッションにキューバ出身のウォルフレド・レイエスなどが参加している。「My One And Only Love」は53年にヒットしたフランク・シナトラのラブ・バラードのカヴァー、「Hi-Lili Hi-Lo」は53年の映画「リリーの」主題歌でレスリー・キャメロンとメル・ファーラーが歌いヒットした、「Up From The Skies」はジミ・ヘンドリックスの68年のヒット曲で、ジャズ・オーケストラの巨匠ギル・エヴァンスもカヴァーしている。「Dat Dere」はジャズ・ピアニストのボビー・ティモンズの曲でリッキー・リー・ジョーンズがとても面白く歌っている。「Bye Bye Blackbird」はモート・ディクソンとレイ・ヘンダーソンが書いた曲で、ジーン・オースティンが26年に歌い大ヒットした曲、マイルス・デイヴィス・クインテットでの名演奏を思い出す人も多いだろう。
リッキー・リー・ジョーンズの歌唱はユニークで、個性的なアプローチと解釈で、ひと味ちがったカヴァーアルバムとなった、彼女の大好きな歌手は、サラ・ヴォーン、ペギー・リー、ヴァン・モリソン、ローラ・ニーロ、マーヴィン・ゲイだという。
「My One And Only Love」
「Hi-Lili Hi-Lo」
「Up From The Skies」
「Dat Dere」
「Bye Bye Blackbird」
Chaka Khan Naughty [CD]
アルバム「Naughty(じゃじゃ馬馴らし)」はニューヨークのアトランティックスタジオで録音され、チャカ・カーンのソロ・2作目アルバムで80年にリリースされた。前作に続きアレサ・フランクリン、ロバー・タフラック、ラスカルズ、ホール・アンド・オーツらを手掛け、アーティストの良さを極限まで引き出す手法で大成功に導いているベテラン・プロデューサーのアリフ・マーディンを起用、全編を通してポップソウル的なアプローチは変わっいない、この2作目ですっかりお馴染みのチャカ・カーンのサウンドとなり、明快に表現されたアルバムとなっている。残念ながら、チャカ・カーンがルーファスと並行に活動していた時期でソロ・アーティストとしてのイメージが薄く、このアルバムからは大きなシングル・ヒットも無かった為に、忘られがちな作品である。アンソニー・ジャクソン(b)スティーヴ・フェローン(dr)ウイリー・ウィークス(b)レオン・ペンダーヴィス (key)ハイラム・ブロック(g)マイケル・ブレッカー (sax) ルーサー・ヴァンドロス(cho),など超絶テクニックを持ったニューヨークのミュージシャン達たちが参加し、アリフ・マーディンはアップテンポなものからバラードまで、曲によってメンバー配置を入れ替えて緻密なサウンドプロデュースを行なっている。「Clouds」はアシュフォード&シンプソンが書いた曲で、バックグラウンド・ボーカには10歳のホイットニー・ヒューストンと母親のシシー・ヒューストンが参加し、さらに「So Naughty」ではまだ10代のマーカス・ミラー(b)が参加している。
「Clouds」
「Get Ready, Get Set」
「So Naughty」
「Papillon (aka Hot Butterfly)」
Stevie Wonder Where I'm Coming From [CD]
アルバム「Where I'm Coming From」は、71年にリリースされたスティーヴィー・ワンダーの単独での初めてのプロデュース作となったアルバムで、当時の恋人だったシリータと一緒に全曲を共作し、アレンジにポール・ライザートやデイヴィッド・ヴァン・デヴィッドらの手を借りながら制作、実名ともにスティーヴィー・ワンダーの作品と言えるトータル・アルバムを作った。抽象的な表現もあるが、シリアスなメッセージ・ソングとラブ・ソングが入った作品となった。みずみずしい演奏と表現に彩られたサウンドは、制作面での完全な自由を得た、若きスティーヴィー・ワンダーのやる気と湧きだすアイディアに動かされている作品である。シンセシザーを大幅に導入し、ファンク・ナンバーも登場した次作の名作アルバム「Talking Book」へも繋がるアイディアがここから始まっている。
「If You Really Love Me」
「Do Yourself A Favor」
「Never Dreamed You'd Leave In Summer」
「Sunshine In Their Eyes」