Nina Simone Here Comes The Sun [CD]
ニーナ・シモンはアメリカ合衆国のシンガーソングライター、ピアニスト、公民権活動家。彼女は音楽人生を通じて社会的意識の高いプロテスト・シンガーとして活躍、人種や性別に対する社会の偏見に疑問を投げかけ、弱者に寄り添う者であろうとしたアーティストだった。数々のディーヴァたちからリスペクトを受けるニーナ・シモンの代表作「ヒア・カムズ・ザ・サン」は71年にリリースされた。タイトルから分かるようにビートルスのジョージ・ハリスン作のナンバー「ヒア・カムズ・ザ・サン」に始まり、ボブ・ディランの「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」、その他ファイヴ・ステアステップス、ジェリー・ジェフ・ウォーカーらのヒット曲をカヴァーしたアルバムで、特に「マイ・ウェイ」はフランク・シナトラの歌唱で知られる曲のカヴァーだが、アレンジは大幅に異なり、高速のボンゴや流れるようなストリングスが機能して、彼女の主張を示している。唯一のオリジナル「ハウ・ロング・マスト・アイ・ワンダー」はウェルドン・アーヴァイン作で、先鋭的なジャズ・ミュージシャンのウェルドン・アーヴァインを歌モノの作曲家として早くから起用していたのも彼女だった。ワン&オンリーの解釈で歌い、破格のスケールが強く心を打つ名作。
「Just Like a Woman」
「Here Comes the Sun」
「My Way」
「How Long Must I Wonder」