Mr.Children SENSE [CD]
今日は大晦日なので、日常的な愛を淡々と語るシンプルな歌詞の名曲「365日」が入っていたMr.Childrenのアルバム「SENSE」です。2010年にリリースされた16枚目のオリジナル・アルバム。前作「SUPERMARKET FANTASY」から約2年ぶりとなるオリジナルアルバムで、メジャーデビュー・アルバムの「EVERYTHING」以来となる全曲がCD初収録のアルバムで、CDシングルの発売が1枚もない状態での発売だった。全作詞・作曲: 桜井和寿、全編曲: 小林武史 & Mr.Children、弦編曲: 小林武史 & 四家卯大で、桜井和寿の天性のメロディ・メーカーぶりは随所で感じ取れるし、Mr.Childrenと小林武史の5人の演奏の充実とグルーヴ感の充実したアルバムでした。ジャケットデザインは「SUPERMARKET FANTASY」に引き続き、森本千絵さんによるものです。
今年一年間ありがとうございました、感謝です。来年もよろしくお願いします。
「365日」
「擬態 」Mr.Children Tour 2011 SENSEからの映像。
「ロックンロールは生きている」Mr.Children Tour 2011 SENSEからの映像。
「I'm talking about Lovin 〜innocent world」Mr.Children Tour 2011 SENSEからの映像。
小林武史 Duality [CD]
88年にリリースされた小林武史のファースト・アルバム「Duality」。80年代の初頭、キーボーディストとして杏里のサポート・メンバーでもあった小林武史が「思いきりアメリカン」を作曲しヒットをする、これを機に作曲家としても活動を開始し(この曲以外の杏里への提供楽曲では、作曲のみならず、すべて作詞も手掛けている)またこの時、杏里のアレンジをしていた佐藤準の薦めでアレンジャー業も始めている。25歳の頃、ギタリストの大村憲司との出会いをきっかけに井上陽水、坂本龍一、高橋幸宏、大貫妙子など数多くのアーティストの楽曲やライブでキーボーディストとして参加ししている。小林自身が歌っているデモテープを聴いた大貫妙子の勧めで作られたが「Duality」で、ほとんどプロモーションが無かったこともありセールス的には大きな影響を生み出せなかった。女性ボーカルを探していたが見つからなかったので自分が歌ったが、難しかったと語っている。この頃に桑田佳祐の1stソロシングル、サザンオールスターズのアレンジにも参加し、その後プロデュースを手掛けていたアーティストに渡辺美里や小泉今日子などもいるが、まっさらなバンドをプロデュースしてみたいとメジャーデビュー時からプロデュースしていたMr.Childrenは有名な話である。
アルバムの楽曲の完成度は高い、小林武史のヴォーカルが聴ける珍しいアルバムである。
「何秒か前に」
「ひまわり」
「Looking For America From The Kitchen」
大貫妙子 Shooting Star In The Blue Sky [CD]
「シューティング・スター イン・ザ・ブルースカイ」は、93年に発売された大貫妙子の通算15作目のスタジオ・アルバム。その瑞々しいサウンドは商業主事に媚を売るでもないが、クオリティの高さからかCMソングになったりと、そのポップな感覚は変わらい。その時代ごとの優れたサウンド・クリエイターを見つけるのが抜群に上手い大貫妙子(いずれも優秀なキーボード・プレイヤーである)。今回のアルバム「シューティング・スター イン・ザ・ブルースカイ」ではミスターチルドレンのプロデュースをしていたサウンド・クリエイターの小林武史との共同プロデュースの三部作の最後にあたる作品、ロンドンと東京でレコーディングされました。小林武史によるアレンジの相乗効果で、大貫妙子のサウンド・歌詞ともに新しいポップな世界が展開され、独自の世界観が表現されたアルバムとなりました。96年には、本アルバムの楽曲を中心に選曲し1993年11月15日に渋谷公会堂で開催されたライブ「LIVE '93 Shooting star in the blue sky」の音源を収録したアルバムが発売されていてこちらも良いアルバムです。
「しあわせのサンドウィッチ」
「Shooting Star In The Blue Sky」
「Million Bucks」
「会いたい気持ち」
「紙ヒコーキのラブレター」
吉田美奈子 Monsters In Town [CD]
「モンスター・イン・タウン」は、81年にリリースされた吉田美奈子通算8作目のスタジオ・アルバム。前作のアルバム「モノクローム」に続き吉田美奈子自身のプロデュースとレコーディング・メンバーも同じ、渡嘉敷祐一(dr)岡沢章(b)松木恒秀(g)清水靖晃(sax)に富樫春生(key)と土方隆行(g)を加えたライン・アップをベーシックに、6人編成のホーン・セクションとストリングスを加えてレコーディングされ、一人多重コーラスとバックの演奏と一体となったタイトなグルーヴを聴かせる意図が随所に見え隠れしている。この編成は次作「LIGHT'N UP」と、さらにその次のライブ・アルバム「IN MOTION」へと繋がる作風を決定したアルバムでもある。さらに吉田美奈子がファンクの女王と呼ばれるようになったのもこのアルバム以降でファンク・ナンバー「Town」やメロウ・グルーブの「Lovin' You」を聴くとわかると思う。その圧倒的な歌唱力や声量はアレサ・フランクリンを連想してしまうが、実際に彼女はアレサ・フランクリンの大ファンである。80年代の初頭の彼女の音楽性はそうした嗜好が最も具現化されたものであった。この後、他アーティストのプロデュース・ワークをメインにしていく吉田美奈子にとって分岐点のアルバムでもある。
「Town」
「Lovin' You」
おまけで95年のライブから個人的に特に大好きな曲で「頬に夜の灯」の映像。82年のアルバム「LIGHT'N UP」から、バックのメンバーは、岡沢章b、土方隆行g、沼澤尚dr、中西康晴p、難波弘之key、古木敏比古sax。
中森明菜 Bitter And Sweet [CD]

BITTER AND SWEET AKINA NAKAMORI 8TH ALBUM
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2014/01/29
- メディア: CD
「BITTER AND SWEET」は、85年にリリースされた中森明菜にとって8枚目のアルバムでスタジオ・アルバムとしては通算7枚目にあたる。井上陽水、EPO、角松敏生、松岡直也、吉田美奈子、飛鳥涼、神保彰ら作曲陣を迎え、編曲陣も 萩田光雄、清水信之、椎名和夫、井上鑑、角松敏生らで、各収録曲でミュージシャン・チームを変えてレコーディングが行われ、全体的に今までの路線から脱皮を目指し、アーティスティックな方向性を強めた作品で、様々な曲調の曲に挑んでいる。井上陽水が作曲したヒット曲「飾りじゃないのよ涙は」から始まり、ヴァラエティに富んだアルバムになっているがトータル性は無く曲によってバラツキがあるのがチョット残念だった。飛鳥涼が作曲した「予感」や角松敏生が作曲した「SO LONG」も良かったが、特に吉田美奈子が作曲した「APRIL STARS」はフィリー・ソウル調の椎名和夫のアレンジと吉田美奈子のバラードの世界感に中森明菜のヴォーカルが溶け込んでいて最高の雰囲気を醸し出しいる、この手の曲を歌って欲しいと個人的にはずっと思っていたので吉田美奈子のセンスの良さに脱帽した。
新たな個人事務所を開設して再出発するらしいが、来年は元気で歌っている姿を見せてほしい。
「ロマンティックな夜だわ」作詞 ・作曲:EPO 編曲:清水信之
「予感」 作詞 ・作曲:飛鳥涼 編曲:椎名和夫
「SO LONG」作詞 ・作曲・編曲:角松敏生
「APRIL STARS」 作詞:吉田美奈子 作曲:吉田美奈子 編曲:椎名和夫
飯島真理 FOR LOVERS ONLY [CD]
飯島真理が90年にリリースした5曲入りミニ・アルバム「FOR LOVERS ONLY」1曲目の「Who's Right, Who's Wrong」はペイジズのカヴァー。2曲目の「The Things We Do For Love」は10CCのカヴァー、3曲目の「Can We Still Be Friends」はトッド・ラングレンのカヴァー、4曲目「 I Can Never Say Good-Bye」は飯島真理、唯一のオリジナル曲、5曲目の「Hold Me Tight」はビートルズでレノン&マッカートニーのカヴァー。プロデュースは飯島真理自身と当時の夫ジェームス・スチューダーで、全曲のアレンジも飯島真理とジェームス・スチューダーが担当しています、何と言ってもカヴァー曲の選曲のセンスの良さが物を言っているアルバムで、飯島真理の良さを出す事に成功しています。唯一のオリジナル曲「 I Can Never Say Good-Bye」も良い感じでした。サポートメンバーはLAの一流ミュージシャン達で、ジョン・ロビンソン(ds)エブラハム・ラボリエル(b)ジェームス・スチューダー(key)マイケル・ランドゥ(g)などです。
「Who's Right, Who's Wrong~We Do For Love ~Can We Still Be Friends~ I Can Never Say Good-Bye ~Hold Me Tight」
The Carpenters Christmas Portrait [CD]
「クリスマス・ポートレイト」は、カーペンターズが78年に発表した、9作目のスタジオ・アルバムにして初のクリスマス・アルバム。カレン・カーペンターは、カーペンターズとしてデビューした頃から、クリスマス・アルバムを作りたいという思いを持っていた、77年12月、カーペンターズがテレビ番組『The Carpenters at Christmas』に出演した時、カレンとリチャード・カーペンターは、クリスマス・アルバムを作る時が来たと思い制作に乗り出した。カーペンターズのオリジナル曲は「メリー・クリスマス・ダーリン」のみで、他はクリスマス・キャロルやポピュラー・ソング等を取り上げている。収録曲のうち、「メリー・クリスマス・ダーリン」は、70年にクリスマス・シングルとして発表された楽曲のリミックス・ヴァージョン、「サンタが街にやってくる」は、74年発表のシングル・ヴァージョンとは別テイクで、アップ・テンポのアレンジになっている。クリスマスの定番曲の数々を、彼らならではの美しいハーモニーで聞かせてくれます。リチャード・カーペンターのアレンジはどんな曲も極上のポップスに変えてくれるし、カレン・カーペンターの歌声には感動的させてくれるし、癒されます。
「Merry Christmas, Darling」
「Santa Claus Is Coming To Town」
「Christmas Song (Chestnuts Roasting On An Open Fire)」
「Winter Wonderland/Silver Bells/White Christmas」
A Donny Hathaway Collection [CD]

A Donny Hathaway Collection by DONNY HATHAWAY (1990-04-12)
- アーティスト: DONNY HATHAWAY
- 出版社/メーカー: Atlantic
- メディア: CD
クリスマス・イブなので好きなクリスマス・ソングを選んでみました。ダニー・ハサウェイの「This Christmas」は70年にシングル曲としてリリースされ、翌年の1971年に発売された彼のセカンドアルバム「Donny Hathaway 」に収録され、72年には全米チャートで11位を記録するヒットとなりました。歌詞は、大事な人とともにクリスマスを過ごせることの喜びを表す内容、サウンドは弦楽器を演奏するシカゴ交響楽団のメンバーを含むシカゴのトップミュージシャンと一緒に録音、ダニー・ハサウェイのゴスペルの影響を受けた独特の歌い回しで、伸びやかに、かつ優しく包み込むように歌い上げています。ジャズ・ギタリストのフィル・アップチャーチは、この曲は「アフリカ系アメリカ人によって書かれた絶対に最高のホリデー・ソング」と言っています。その後「This Christmas」は、これまでにさまざまなR&Bアーティスト達にカバーされ、徐々に注目されるようになり、名曲となっていきます。79年にダニー・ハサウェイは残念ながら飛び降り自殺し自ら命を絶ちますが、その年の暮れにヴォーカル・グループ、ザ・ウィスパーズがダニー・ハサウェイを悼み「This Christmas」の替え歌を作ります。その替え歌というのが「A Song For Donny」で、歌詞の内容もまさにダニー本人に捧げられたもので、特に素晴らしいカヴァーとなっています。誕生から50年以上経った「This Christmas」は、デスティニーズチャイルド、アッシャー、メアリーJ.ブライジ、レディA、そして最近ではペンタトニックス、ピンクスウェット$、ジェスグリンなど、さまざまなアーティストグループによって録音されています。グラミー賞を受賞した歌手のララ・ハサウェイは、亡くなった父親のダニー・ハサウェイとの「This Christmas」のデュエットの新しいビデオを作り、今年の12月に初公開しました。
「This Christmas」
「A Song For Donny」
「This Christmas」Donny Hathaway & Lalah Hathaway
Chris Rainbow Looking Over My Shoulder [CD]

ルッキング・オーヴァー・マイ・ショルダー (生産限定紙ジャケット仕様)
- アーティスト: クリス・レインボウ
- 出版社/メーカー: ヴィヴィド・サウンド
- 発売日: 2021/05/26
- メディア: CD
英国のポップ・マイスター、スコットランド出身のクリス・レインボー。初のセルフ・プロデュースにより、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンなどからの影響を全開にしたソロ2作目「Looking Over My Shoulder」は78年にリリースされた。その後にキャメルやアラン・パーソン・プロジェクトなどの作品にも参加しプログレ・ファンにもその名が知られている。英国屈指のポップ・クリエイターらしいセンスが溢れる英国AORのアルバム。デイヴ・ローソン(key)、ヘンリー・スピネッティ(ds)、サイモン・フィリップス(ds)他、ロンドン・スタジオ・シーンの精鋭たちをバックに、10CCやパイロットなどにも通じる卓越したポップ・センスと一人多重録音による極上のヴォーカル・ハーモニーが織りなす70年代英国ポップの最高峰のアルバム、全曲素晴らしい出来で選曲が難しかったです。
「You And I」
「Gimme Just A Little Beat Of Your Heart」
「Show Us The Sun」
「Dansette」
「Living In A World Today」
Loggins and Messina Mother Lode [CD]
バッファロー・スプリングフィールドやポコで活躍した、シンガーソングライターのデュオ、ケニー・ロギンスとジム・メッシーナによる5枚目のアルバム(スタジオ録音では4枚目)「マザーロード」は、74年にリリースされた。自分達のスタジオ、マザーロード・スタジオでの録音で、二人の個性がよくあらわれたアルバム、特にジム・メッシーナが主導したと思わせる様々曲が展開されています。一曲目の「Growin'」はケニー・ロギンスがメインの彼らしいポップ・チューンがあったり。ジム・メッシーナの複雑なギターとマンドリンの演奏が指揮するバンドの音楽は、ジャジーで渋みのあるサウンドとカントリー・テイストのジム・メッシーナの歌心が、独特な哀感を伴って混ざり合った落ち着きのあるものとなり「Be Free」「Move On」などの曲によって示され、さりげない実験色も併せ持った曲でした。この時代に琴を取り入れている珍しい曲「Keep Me In Mind」はジム・メッシーナの曲をバンドのベーシストのラリー・スミスが歌っている影の名曲、後にジム・メッシーナはインタビューで驚異的な声を持っていると賞賛していたりと、色々な意味でバラエティに富んでいたアルバムでした。最後にこのアルバムでキーボードを担当しているのは将来のTOTOのキーボーディストであるデヴィッド・ペイチが演奏しています。
「Growin'」
「Be Free」
「Move On」
「Keep Me In Mind」