SSブログ

Chico Freeman Spirit Sensitive [CD]


Spirit Sensitive

Spirit Sensitive

  • アーティスト: Chico Freeman
  • 出版社/メーカー: India Navigation
  • 発売日: 1994/09/05
  • メディア: CD


チコ・フリーマンはアメリカのモダン・ジャズのテナー・サクソフォーン奏者、トランペット奏者のヴォン・フリーマンの息子である。若い黒人がジャズ・ミュージシャンとして一旗あげるには前衛ジャズをやらざるを得ない、そういう時代だった70年代後半、前衛派として頭角を現した76年、フリーマン自身の率いるグループのファースト・アルバム「モーニング・プレイヤー」がリリースされた。翌年、彼はニューヨークに移り、ニューヨークにおいて創造的な活動を続け、音楽の影響力を広げていった。前衛的な多くの作品とは対照的に、ジャズのスタンダードで構成され、79年にリリースされた「スピリット・センシティブ」は、一部の人達には「牙が抜けた」と酷評されたが、それにしてもここまでストレートなバラード・アルバムが出てくるとは誰もが考えていなかった。サイドのメンバーはエンヤなどで共演してきているベースのセシル・マクビーをはじめジョン・ヒックス(p)ビリー・ハー(ds)といったニュー・ブラック・ミュージックの流れの中にいるメンバーだ。さらにもう一つのテーマ、伝統的なジャズの遺産の踏襲と新たなフォームの確立という命題が、ここにも生かされている。なので前衛の人がたまに作るこういう作品には、どこか部分的にはフリーキーな要素が混ざるのが常だけど、このアルバムにはそういう箇所は皆無で、100%ピュアなバラード・アルバムとして徹底されている名盤である。中でも、セシル・マクビーのベースの演奏は圧巻だ。チコ・フリーマンは1970年代後半に、ジャズの伝統に浸った現代の演奏家であるウィントン・マルサリスを含む運動の一環として知られるところとなる。

「Autumn in New York」(作:ヴァーノン・デューク)

「Peace」(作:ホレス・シルバー)

「A Child Is Born」(作:サド・ジョーンズ)

「Close to You Alone」(作:セシル・マクビー)

nice!(28)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。