McCoy Tyner Fly With The Wind [CD]
ジャズ・ピアニストのマッコイ・タイナーが76年にリリースしたアルバム「フライ・ウィズ・ザ・ウィンド」はマッコイ・タイナーと ベースのロン・カーター とドラムスのビリー・コブハム のトリオ演奏にカラフルなフル・ストリングとヒューバート・ロウズ のフルートを中心とした管楽器をフューチャーしたアルバムです。マッコイ・タイナーがその名を広く知られるようになったのは、61年、かのジョン・コルトレーンのグループに入団してからのことです、モダンでクールなスピード感を加えることによってマッコイ・タイナーのピアノは、ジョン・コルトレーンの演奏を最大限引き立てることになり、ひいては「新しいジャズ・ピアノのスタイル」として大きな注目を集めるようになったのです。このアルバムは76年の作品で、当時のフュージョンのテイストも感じられ、中には「ポップに過ぎる」「コマーシャリズムに堕した」と非難する向きもあり、マッコイ・タイナーらしくないと言う人もいますが、ストリングスや管楽器が幾重にもかさなった美しく重厚なサウンドと、ビリー・コブハブのハードなドラムに支えられ、力強さを保持しながらも美しいキャッチーなメロディー・ラインは素晴らしく、さらにマッコイ・タイナーのピアノのソロは縦横無尽に駆け回り、ヒューバート・ロウズの素晴らしいフルートのソロも加わり、アルバムはめざましいセールスを上げたのでした。
「Fly With The Wind」
「Salvadore De Samba」
「You Stepped Out Of A Dream」