坂本龍一 音楽図鑑 [CD]
坂本龍一さんが3月28日死去した。71歳だった。70年代から大村憲司のセッション、渡辺香津美のセッションなどのライブを見ていたので残念でならない。まだ長髪でとんでもない服装で、今のイメージとはだいぶ違うのを思い出してしまった、ファッション・センスを直したのも高橋幸宏がいたためである。
初期の作品で、傑作のひとつとして呼び声も高いアルバム「音楽図鑑」は、坂本龍一の4作目のオリジナル・アルバム、84年にリリースされた。YMO散開後に発売され、スタジオに入って何の先入観なしに出てくるものを記録していく手段を取った作品だった、その為か多彩で多様な珠玉の名曲が並んでいます。レコーディングでは、オーストラリア製のシンセサイザー/サンプリング・マシーン〈フェアライトCMI〉が導入されたことも、坂本にとって大きな出来事だった。簡易シーケンサー機能により視覚的な音楽作りが可能となった坂本は、そこからインスパイアされた楽曲を数多く生み出していく、どの曲にもポップなメロディーと緻密なアレンジが施され、耳に残る音色やフレーズがぎっしりと詰め込まれている。山下達郎が参加している理由は、同時期に隣のスタジオで竹内まりやのアルバム「VARIETY」のレコーディング中で、プロデューサー兼アレンジャーの山下がスタジオに入り浸りだったためで、お互いのブースを行き来しながら楽器やヴォーカルのダビングを手伝い合っていたという。坂本も「VARIETY」収録の「本気でオンリーユー (Let's Get Married)」と「ふたりはステディ」の2曲で演奏に参加している。ピアノを弾く坂本の影が蟻になっているジャケットデザインは立花ハジメが担当した。
ご冥福をお祈りいたします。
「TIBETAN DANCE」
「ETUDE」
「羽の林で」
「森の人」