Eric Clapton [CD]
アルバム「エリック・クラプトン」は70年に発表されたエリック・クラプトンのソロ名義でのファースト・アルバム。ブラインド・フェイス解散後、デラニー&ボニーのツアーに帯同したエリック・クラプトンは大きな刺激を受け、デラニー・ブラムレットをプロデューサーに起用した、初のソロ・アルバムはアメリカン・ロック的な内容に仕上がった。ボニー・ブラムレットをバック・ヴォーカルに迎え、デラニー・ブラムレットはリズム・ギターを担当、リズム・セクションは、のちにエリック・クラプトンのバックで演奏し、デレク&ザ・ドミノスとして知られることとなるメンバーが揃った。その他にもレオン・ラッセル、ジム・ゴードン、ボビー・キーズ、リタ・クーリッジ、スティーヴン・スティルスなどそうそうたる面々がアルバムに参加している。アルバムのほとんどの楽曲はデラニー・ブラムレットとエリック・クラプトンが手掛けているが、レオン・ラッセルとの共作が2曲と、スティーヴ・クロッパーとデラニー・ブラムレットの共作の曲が1曲、そしてJ・J・ケイルの「After Midnight」のカヴァー曲がシングル・カットされヒット曲となる。イギリス人のエリック・クラプトンはこの頃からJ・J・ケイルやザ・バンドなどのアメリカのブルース・ロックに心酔していて、米南部音楽への憧憬があらわとなったルーツ志向の楽曲となる。クリーム~ブラインド・フェイス時代に聴かせた派手でテクニカルな演奏を控えめにする代わりに、楽曲を重視したアンサンブルを打ち出していた、その路線変更は素晴らしく、このアルバムで果敢にも変身を遂げ、新たな音楽性を追求したのがわかるアルバムでもある。そうした方向性はその後のエリック・クラプトのソロキャリアの基本路線となった。
「After Midnight」
「Lonesome And A Long Way From Home」
「Easy Now」
「Let It Rain」