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Michal Urbaniak Fusion [CD]


Fusion

Fusion

  • アーティスト: Michal Urbaniak
  • 出版社/メーカー: Sony Jazz
  • 発売日: 1998/08/21
  • メディア: CD


ミハウ・ウルバニアクはポーランドのジャズミュージシャンで、ヴァイオリン、リリコン、サクソフォーン奏者。73年に妻ウルシュラ・ドゥジャクと一緒に米国に移住、ポーランドのフォークミュージックのメロディックでリズミカルな要素をファンキーなニューヨークベースの音楽に導入しました。チェスワフ・バルトコフスキ(dr)、アダム・マコービッチ(key)、ウォイチェック・カロラック(key)そして彼の妻であるウルシュラ・ドゥジャクのクレイジー・スキャットのヴォーカルでのメンバーでマイケル・ウルバニアク・グループ「フュージョン」を結成、コロムビア・レコードと契約を結び、73年に西ドイツでレコーディングしたアルバム「Super Constellation」を「Fusion」のタイトルで発表しました。ポーランドの民間伝承からヒントを得た彼のリズム・アンド・ブルース、ヒップホップ、シンフォニック・ミュージックの要素が融合されたサウンドは、アメリカのジャズ・ミュージシャンの間で人気が高まっていき、数年後当時の若手ミュージシャンだったスティーブ・ジョーダン、マーカ・スミラー、ケニーカー・クランド、トニーバン、オマー・ハキム、ビクター・ベイリーなどと有名なクラブでプレーし始め、さらにウェザーリポート、フレディ・ハバード、エルヴィン・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョージ・ベンソン、ビリー・コブハムなどのスターと共演し、レニー・ホワイト、ウェイン・ショーター、マーカス・ミラー、ジョー・ザヴィヌル、ロン・カーター、ケニー・バロン、バスター・ウィリアムズ、クインシー・ジョーンズなどともレコーディングをしています。85年にはマイルス・デイヴィスとの「チュチュ」のレコーディングにも招待されました。オマー・ハキムとビクター・ベイリーがウエザー・リポートに加入したのもミハウ・ウルバニアクの助言があったからです。ミハウ・ウルバニアクは70年代と80年代のジャズ・フュージョンの発展において中心的な役割を果たし、フォーク、R&B、ヒップホップ、交響曲の要素をジャズに導入した人物です。

「Seresta」

「Bengal」

「Bahamian Harvest」

おまけで79年にFM東京の「Live From The Bottom Line」という番組でオンエアーされた曲。ミハウ・ウルバニアクのグループだったマーカス・ミラー(b)のソロが凄かった、まだ10代なんですよ。

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The Yellowjackets The Spin [CD]


スピン

スピン

  • アーティスト: イエロージャケッツ
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1989/08/25
  • メディア: CD


「スピン」は、89年にリリースされたイエロージャケッツのアルバムです。イエロージャケッツは、ギタリストであるロベン・フォードが1978年に発表したアルバム「ギターに愛を (The Inside Story)」に、キーボーディストのラッセル・フェランテ、ドラマーのリッキー・ローソン、ベーシストのジミー・ハスリップが参加し、共演したのがバンド結成のきっかけで81年に結成された、当初はロベン・フォード(g)が参加し、爽やかなフュージョン系のバンドだったが、87年の「フォー・コーナーズ」からアンサンブルとインプロヴィゼーションが高度な次元で絡み合う、アグレッシブなサウンドを展開し、ファンを驚かせた。ウエザー・リポートが解散後、彼らのスピリッツを最も継承したバンドとなっていく。アルバムはノルウェーのオスロで録音され、シンセサイザーへの依存度が低く、アコースティックなサウンドを示し、伝統的なジャズの設定の中で作業しながら、アルバムを可能な限りメロディックにしようとしました。ゲスト・ミュージシャンとして元ウエザー・リポートのドラマー、アレックス・アクーニャ が パーカッションとアレンジで参加しています。イエロージャケッツの傑作アルバムの一つで、このアルバムは、グラミー賞の「ベストジャズインストゥルメンタルパフォーマンス、グループ」部門にノミネートされました。

「Geraldine」

「The Spin」

「Dark Horses」

「Whistle While You Walk」

おまけで「7. Freedomland」ライブ映像。


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Herbie Hancock V.S.O.P.[Live] ニューポートの追想 [CD]


ニューポートの追想

ニューポートの追想

  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1997/03/01
  • メディア: CD


76年にニューヨークで行われた、ニューポート・ジャズ・フェスティバルで、ハービー・ハンコックの追想というプログラムが組まれた、ハービー・ハンコックのこれまでの活動の中から代表的な3つもグループを選び、そのグループによる演奏の模様を収めたアルバムとなった。アルバム・タイトルの「V.S.O.P.」の意味はVery Special Onetime Performance 一回だけのスペシャル・パフォーマンスという意味。もちろん一回だけでは終わらなかった。一つ目のグループのV.S.O.P.クインテット、フレディ・ハバード(tp)ウェイン・ショーター(sax)ロン・カータ(b)トニー・ウィリアムス(dr)による60年代マイルス・デイヴィス・リユニオンによるストレート・アヘッドなアコースティック・セッション、ハービー・ハンコックの代表曲「Maiden Voyage(処女航海)」このメンバーでは初めての演奏だった。二つ目のグループから「Introductions/You'll Know When You Get There」、エディ・ヘンダーソン(tp)ベニー・モウビン(ft)ジュリアン・ブリースター(sax)バスター・ウイリアムス(b)ビリー・ハート(dr)70年代初頭に結成したセクステットのリユニオンで、アコースティックとエレクトッリックの融合を試みた時代で、その後のハービー・ハンコックのサウンドでも随所で聴く事が出来る。3つ目のグループから「Hang up your hangs ups」ベニー・モウビン(sax)ワゥ・ワゥ・ワトソン(g)レイ・パーカーJr(g)ポール・ジャクソン(b)ジェームス・レヴィ(dr)クイス・ナッシュ(per)いわゆるエレクトッリックなハービー・ハンコックのセットで、二人の強力なファンキーなギタリストを擁した最強のメンバーによるメチャクチャにファキーな演奏で、ストレート・アヘッドなアコースティック・セッションも良いが個人的にはこちらの方が好きかもと思わせるほど、7人のたたみかける演奏には圧倒的でした。この作品は、ハービー・ハンコックという一人のミュージシャンのドキュメント・アルバムと言っていいと思います。最後にこのアルバムでは、アコースティック・ピアノではなく、ヤマハのエレクトリック・グランド・ピアノ確かCP-80を弾いている、今では使われなくなったが、当時は色々なジャンルで使われていた、懐かしい音である。

「Maiden Voyage(処女航海)」

「Introductions/You'll Know When You Get There」

「Hang up your hangs ups」

おまけでLIVE UNDER THE SKY '92から V.S.O.P.の演奏で、マイルス・デイビスの名曲「So What」マイルス・デイビスが亡くなった為にトリビュートのライブとなった。フレディ・ハバード(tp)じゃなかったのが残念でした。

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Dave Valentin Legends [CD]


Legends by Dave Valentin

Legends by Dave Valentin

  • アーティスト: Dave Valentin
  • 出版社/メーカー: Grp Records
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


デイヴ・ヴァレンティンは、アメリカ・ニューヨーク出身のジャズ・フルート奏者。ジュリアード音楽院出身のヒューバート・ロウズのプライベート・クラスに入り、サックスからフルートに転向。当初はラテン・ミュージシャンの影響を受けていたが、次第に師のヒューバート・ロウズらのアメリカン・ジャズへと傾倒していく。ヴァレンティンは打楽器のような音の刻み方をしたり音色に自身の声を混ぜるなど従来にはない独自のフルート奏法を編み出し、そのようなテクニックを武器にして、ジャズのみならずR&Bや、あるいはサルサ、メレンゲなど幅広いジャンルの音楽を研究しいく。77年、デイヴ・グルーシンおよびラリー・ローゼンに見出され、設立されたばかりの「GRP」レーベルの最初のアーティストとして契約し、78年にリリースされたのが本作の「Legends」。ニューヨークで録音されたこの作品は、当時ボブ・ジェームスと双璧をなしていたデイブ・グルーシンが全面協力しアレンジも担当している、レーベルの最初のアルバムだけあって、デイブ・グルーシンのエレクトリック・ピアノも聞き所満載、この頃最強のリズム・セクションと言われたアンソニー・ジャクソン(b)スティーヴ・ガッド(dr)の組み合わせなど、デイブ・グルーシンの力の入れようがわかる。曲目もバッハやチック・コリアやモンゴ・サンタマリアやアーサー・ロスとレオン・ウェアが作曲し、マイケル・ジャクソンが歌った「I Want To Be Where You Are」の作品を取り上げている。デイヴ・ヴァレンティンが残りの曲を作っていて「Sea Pines」など作曲能力も高い。

「Legends」作:デイヴ・ヴァレンティン

「Crystal Silence」作:チック・コリア

「Sea Pines」作:デイヴ・ヴァレンティン

「I Want To Be Where You Are」作:アーサー・ロス、レオン・ウェア

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Hubert Laws Romeo & Juliet [CD]


ロミオとジュリエット(期間生産限定盤)

ロミオとジュリエット(期間生産限定盤)

  • アーティスト: ヒューバート・ロウズ
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2017/11/08
  • メディア: CD


ヒューバート・ロウズは、テキサス州ヒューストン出身のフルート奏者、ロウズ家は音楽一家として知られており、兄のブランチは歌手で、ヒューバートは次男、三男ジョニーはトランペッターから歌手に転じている、4人目の長女エロイーズ・ロウズは歌手で、5人目の四男ロニーはサックス・リード奏者、6人目の次女デブラは歌手である、78年のアルバム「サイレンス」と80年の「ファミリー」は兄弟姉妹が揃って作られた作品などもあります。ヒューバート・ロウズといえば常にクラシックの作品を必ずアルバムの中に入れて来ていて、それはヒューバート・ロウズは68年から73年まではメトロポリタン・オペラ・オーケストラのメンバーとして、71年から74年まではニューヨーク・フィルハーモニックのメンバーとしてバッハ、モーツァルト、ラヴェル、ストラヴィンスキー、さらにはエリック・サティの作品にまで取り組んできたからです。ジャズ・フルート奏者として70年代前半、CTIレーベルから数々のヒット作をリリースしフルートの魔術師と言われ、CBSに移籍第一作となったアルバム「ロミオとジュリエット」は76年にリリースされた、盟友ボブ・ジェームスをアレンジャーに迎え、ボブ・ジェームス色が強い作品だが、二人の相性がとても良いことが良く判るアルバム。チャイコフスキーのタイトル曲「ロミオとジュリエット」などクラシック・ナンバーを取り上げ、アンディ・ニューマーク、スティーヴ・ガッド、ゲイリー・キング 、エリック・ゲイル、ラルフ・マクドナルドらがバックアップし、カラフルなリズムを作り出している。まさにヒューバート・ロウズのフルートが冴えわたる作品となった。

「Undecided」

「Romeo & Juliet」

「What Are We Gonna Do?」

「Guatemala Connection」

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McCoy Tyner Fly With The Wind [CD]


FLY WITH THE WIND

FLY WITH THE WIND

  • アーティスト: TYNER, MCCOY
  • 出版社/メーカー: CONCO
  • 発売日: 2008/06/03
  • メディア: CD


ジャズ・ピアニストのマッコイ・タイナーが76年にリリースしたアルバム「フライ・ウィズ・ザ・ウィンド」はマッコイ・タイナーと ベースのロン・カーター とドラムスのビリー・コブハム のトリオ演奏にカラフルなフル・ストリングとヒューバート・ロウズ のフルートを中心とした管楽器をフューチャーしたアルバムです。マッコイ・タイナーがその名を広く知られるようになったのは、61年、かのジョン・コルトレーンのグループに入団してからのことです、モダンでクールなスピード感を加えることによってマッコイ・タイナーのピアノは、ジョン・コルトレーンの演奏を最大限引き立てることになり、ひいては「新しいジャズ・ピアノのスタイル」として大きな注目を集めるようになったのです。このアルバムは76年の作品で、当時のフュージョンのテイストも感じられ、中には「ポップに過ぎる」「コマーシャリズムに堕した」と非難する向きもあり、マッコイ・タイナーらしくないと言う人もいますが、ストリングスや管楽器が幾重にもかさなった美しく重厚なサウンドと、ビリー・コブハブのハードなドラムに支えられ、力強さを保持しながらも美しいキャッチーなメロディー・ラインは素晴らしく、さらにマッコイ・タイナーのピアノのソロは縦横無尽に駆け回り、ヒューバート・ロウズの素晴らしいフルートのソロも加わり、アルバムはめざましいセールスを上げたのでした。

「Fly With The Wind」

「Salvadore De Samba」

「You Stepped Out Of A Dream」


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Weather Report Mr Gone [CD]


Mr Gone

Mr Gone

  • アーティスト: Weather Report
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1991/01/26
  • メディア: CD


「ミスター・ゴーン」はウェザー・リポートの9枚目のアルバム、78年にリリースされた。前作の大名作アルバムの「ヘヴィー・ウエザー」の影に隠れてはいるが素晴らしいアルバムである。もちろんビルボード・ジャズ・アルバム・チャートで1位となっている。ドラムのアレックス・アクーニャの脱退後でグループはまだドラマーを探していたため、外部のドラマーであるトニー・ウィリアムス、スティーヴ・ガッドが参加、アレックス・アクーニャの後任となるピーター・アースキンも参加している。一曲目の「The Pursuit of the Woman With the Feathered Hat(貴婦人の追跡)」からジョー・ザビヌルのシンセシザーのポリリズムの洪水が押し寄せてくる、メンバー全員によるミルトン・ナシメントを思わせるコーラスはブラジル音楽、カリブ海サウンドが好きな人にはたまらないものがある、ドラムはピーター・アースキンとジャコ・パストリアスが叩いています(ジャコ・パストリアスはベースを始める前はドラマーで事故で手の骨を折っていしまいベースに転向しました)。「Young and Fine」はメロデイアスな「ヘヴィー・ウエザー」路線の曲で、ウェイン・ショターのテナーサックスのソロの安定感は素晴らしい、ドラムはスティーヴ・ガッドがが叩いています。「Punk Jazz」はジャコ・パストリアスらしい曲で、ドラムはトニー・ウィリアムスが叩いています。「Pinocchio」はウェイン・ショターがマイルス・デイビスの名盤「ネフェルティ」で発表した曲であるが、ドラムのピーター・アースキンとのサウンド・チェック用にリハーサルしたものがそのままアルバムに収められたもので、新しいユニットとしてのウエザー・リポートの誕生の瞬間をとらえた曲でもある。ジョー・ザビヌル、ウェイン・ショター、ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンのユニットはこの後5年間も続きウエザー・リポートの黄金期を支えていく。「And Then」はEW&Fのモーリス・ホワイト とデニース・ウィリアムスがヴォーカルとして参加し、ドラムはスティーヴ・ガッドが叩いています。
リーダーのジョー・ザビヌルの頭の中にあるサウンドを他のメンバーを使って表現してた部分が強かったのがウエザー・リポートだったのですが、ジャコ・パストリアスが加入しピーター・アースキンが加入し、ジョー・ザビヌルが思っていた以上に曲を表現すことが出来るようになり、4人のユニットが100%発揮できるようにと考えが変わり始めた最初のアルバムでもあります。

「The Pursuit of the Woman With the Feathered Hat(貴婦人の追跡)」作:ジョー・ザビヌル

「Young and Fine」作:ジョー・ザビヌル

「Punk Jazz」作:ジャコ・パストリアス

「Pinocchio」作:ウェイン・ショター

「And Then」作:ジョー・ザビヌル

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Herbie Hancock&Wayne Shorter 1+1 [CD]


1+1

1+1

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2016/11/23
  • メディア: CD


ジャズ界の巨匠、サックス奏者のウェイン・ショーターさん死去、89歳だった。50年代後半にドラマーのアート・ブレーキーが結成した「ジャズ・メッセンジャーズ」でテナーサックス奏者として名を上げ、60年代にはマイルス・デイビスのバンドに参加し、69年にはウェザー・リポートを共同結成し活躍。ジョン・コルトレーン以降、唯一新しいスタイルを確立したサックス・プレイヤーだった。
今回は97年にリリースされた、ピアニストのハービー・ハンコックとサックス奏者のウェイン・ショーターによるデュエット・スタジオ・アルバム「1+1」です。60年代、マイルス・デイヴィスのクインテットが"黄金のクインテット"と呼ばれた時期に共にメンバーとして活躍し、60年代から固い絆で結ばれた二人による初のデュオ・アルバム。ミャンマーの民主化活動家にちなんで名付けられたグラミー受賞の名曲「アウン・サン・スー・チー」をはじめ、ハービー・ハンコックの「ジョアンナのテーマ」ウェイン・ショーターの名曲「ダイアナ」などが収録、限りなく深い音の対話をしているアコースティックな作品。
ご冥福をお祈りいたします。

「Aung San Suu Kyi」98年、東京オペラシティコンサートホールのライブ映像。

「Sonrisa」

「Joanna's Theme」

「Diana」


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Ron Carter Parade [CD]


パレード

パレード

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2008/06/18
  • メディア: CD


ロン・カーターは、10歳頃からチェロのレッスンを始め高校生からベースを弾くようになりました。当初クラシックのコントラバス奏者を目指して猛練習をしていましたが、人種差別の壁もありオーケストラの入団の願いは届かず、ジャズのベーシストに活躍の場を移しました。59年22歳の時、チコ・ハミルトンのグループでプロとしてデビューしその後、キャノンボール・アダレイやボビー・ティモンズなどのグループに参加していたところマイルス・デイヴィスの目にとまりマイルス・デイヴィスのクインテットに参加、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムスと共に不動のリズム・セクションを形成して「黄金のクインテット」としてモダン・ジャズの頂点を極めました。79年にリリースされたマイルストーンにおける5作目となるアルバム「パレード」は、ロン・カーター自身がプロデュースにあたっているだけに、当時の彼の傾向が出ているアルバムで、A面はソフト・サイド、B面はストレート・アヘッドなジャズを強調していて、サイドによって趣を異なえていて、当時のロン・カーターの姿を見事に浮き彫りにしている。ジョー・ヘンダーソンがテナーサックスで、チック・コリアがピアノで、トニー・ウィリアムスがドラムで参加していることが、このアルバムの価値を大きく底上げしている要素の一つでもあるのだが、とにかく彼らの好サポートも聴きどころのひとつ。A面の「A Theme In 3/4」「Sometimes I Feel Like A Motherless Child 」はロン・カーターが当時やりたかった事で、ベースのユニークさを味わえ、ベースの音色が楽しめる。B面の「Tinderbox」「Gypsy」はトレート・アヘッドなジャズをきくことが出来る、特に「Gypsy」はこのアルバムのハイライトで、マイルス・デイヴィス・クインテットで鍛え上げられたロン・カーターの4ビートの刻みが聴ける、これこそがロン・カーターの本領で、この緊張感こそがロン・カーターが奏でる4ビートの魅力なのだ。

「A Theme In 3/4」

「Sometimes I Feel Like A Motherless Child 」

「Tinderbox」

「Gypsy」

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Chico Freeman Spirit Sensitive [CD]


Spirit Sensitive

Spirit Sensitive

  • アーティスト: Chico Freeman
  • 出版社/メーカー: India Navigation
  • 発売日: 1994/09/05
  • メディア: CD


チコ・フリーマンはアメリカのモダン・ジャズのテナー・サクソフォーン奏者、トランペット奏者のヴォン・フリーマンの息子である。若い黒人がジャズ・ミュージシャンとして一旗あげるには前衛ジャズをやらざるを得ない、そういう時代だった70年代後半、前衛派として頭角を現した76年、フリーマン自身の率いるグループのファースト・アルバム「モーニング・プレイヤー」がリリースされた。翌年、彼はニューヨークに移り、ニューヨークにおいて創造的な活動を続け、音楽の影響力を広げていった。前衛的な多くの作品とは対照的に、ジャズのスタンダードで構成され、79年にリリースされた「スピリット・センシティブ」は、一部の人達には「牙が抜けた」と酷評されたが、それにしてもここまでストレートなバラード・アルバムが出てくるとは誰もが考えていなかった。サイドのメンバーはエンヤなどで共演してきているベースのセシル・マクビーをはじめジョン・ヒックス(p)ビリー・ハー(ds)といったニュー・ブラック・ミュージックの流れの中にいるメンバーだ。さらにもう一つのテーマ、伝統的なジャズの遺産の踏襲と新たなフォームの確立という命題が、ここにも生かされている。なので前衛の人がたまに作るこういう作品には、どこか部分的にはフリーキーな要素が混ざるのが常だけど、このアルバムにはそういう箇所は皆無で、100%ピュアなバラード・アルバムとして徹底されている名盤である。中でも、セシル・マクビーのベースの演奏は圧巻だ。チコ・フリーマンは1970年代後半に、ジャズの伝統に浸った現代の演奏家であるウィントン・マルサリスを含む運動の一環として知られるところとなる。

「Autumn in New York」(作:ヴァーノン・デューク)

「Peace」(作:ホレス・シルバー)

「A Child Is Born」(作:サド・ジョーンズ)

「Close to You Alone」(作:セシル・マクビー)

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