John Pizzarelli Meets the Beatles [CD]
ジョン・ピザレリはスイングすることを第一と考える正統派ジャズ・ギタリストで、同じくジャズ・ギタリストだった父の影響か古いスタンダード・ソングに精通しており、お手本はナット・キング・コールというから恐れ入る。彼はインタビューの中で「ビートルズの曲というのはメロディーだけ抜き出してもビートルズにはならないんだよ。バックのコーラスとかギター、ベース、ドラムスのフレーズまで総て含めて、それでやっとビートルズになるんだ。要するに一曲一曲が完璧で、鳴っている音の全部が揃わないとビートルズの曲にはならない、ということなんだね。」と言っている。この盤が素晴らしいのは、どの曲も原曲の良さを壊すことなく、ビッグバンドを従えてのドン・セベスキーの秀逸なアレンジによる、粋なビートル・ジャズ・サウンドが楽しめる。
「Can't Buy Me Love」ギターとのユニゾンで聴かせる小粋なスキャットもたまらない。
「Here Comes the Sun」洒落た感覚はジャズならではのカッコイイアレンジになっている。