Abraham Laboriel Dear Friends [CD]
エイブラハム・ラボリエは、メキシコ出身のベーシストで、ギタリストとして17歳でプロデビューしたが、21歳の時に渡米して、バークリー音楽学院に入学。ヘンリー・マンシーニに認められ、ベーシストとして西海岸に呼ばれた事をきっかけに、アル・ジャロウやジョージ・ベンソンなど、さまざまなレコーディングに参加した。リー・リトナー&ジェントル・ソウツのメンバーでもあります。その後に3000作を越える楽曲の録音に参加、最も幅広く活躍するセッションベーシストとして評価されている。スティーヴィー・ワンダー、バーブラ・ストライサンド、アル・ジャロウ、エルトン・ジョン、レイ・チャールズ、マドンナ、ポール・サイモン、クインシー・ジョーンズ、デイブ・グルーシン、マイケル・ジャクソン日本のアーティストでは渡辺貞夫、神保彰、松任谷由実、中島みゆき、高中正義、織田哲郎、角松敏生など多様なアーティストのレコーディングに参加している。このアルバムはエイブラハム・ラボリエの初のリーダー作で彼の幅広い音楽性と人柄が出ているアルバムで、ファンキーでハッピーなナンバーからバラードまでとヴァラエティーに富んだ内容で、彼の豊かで柔軟性あるサウンドが聴けるアルバムとなっている。ラリー・カールトン、スティーブ・ガッド、ジョー・サンプル、デイブ&ドン・グルーシン、アル・ジャロウ、アーニー・ワッツ、ビル・チャンプリン、ポール・ジャクソンJrなど豪華なメンバーがレコーディングに参加、また息子に、ポール・マッカートニーなどのサポート・ドラマーで有名なエイブラハム・ラボリエル・ジュニアも、このアルバムにも参加している。
「Quote, Unquote」アルバムの一曲目、スティーブ・ガットのドラムとエイブラハム・ラボリエのベースは鉄壁のリズム・セクションとアーニー・ワッツの凄いサックス・ソロが聴けます、後半で2人の掛け合いのソロも聴きどころです。
「AND I DO」アース,ウィンド&ファイアのフィリップ・ベイリーがヴォーカルをとっています。
「Look At Me」エイブラハム・ラボリエルのヴォーカルです、
Lee Ritenour&Gentle Thoughts Gentle Thoughts [CD]
リー・リトナー&ジェントル・ソウツの紹介していなかったので、デビュー・アルバムの「ジェントル・ソウツ」を紹介したいと思います。ジェントル・ソウツのメンバーはリー・リトナー- ギター、アーニー・ワッツ - サクソフォーン、フルート、デイヴ・グルーシン - ピアノ、ローズ・ピアノ、パトリース・ラッシェン 、ピアノ、ローズ・ピアノ、アンソニー・ジャクソン - ベース、ハーヴィー・メイソン - ドラムス、スティーヴ・フォアマン - パーカッション、当時のロサンゼルスを中心に活動していたリー・リトナーのセッション仲間達によって結成されたグループ。このアルバムは76年に渡辺貞夫の「マイ・ディア・ライフ」に参加したことからきっかけに日本のJVCレーベル制作することになり、またダイレクト・カッティング方式のレコーディングで、音の劣化を防ぐために生の演奏をそのままカッティングするという方式で、後から編集できない、LP片面分をミスなく一気に演奏するライブ感覚のレコーディングで、エネルギッシュかつテクニカルなサウンドは素晴らしく、まだ馴染みの薄かったメンバー達を当時の音楽ファンたちから支持を得て、人気が出るきっかけとなる最初のアルバムとなります。
「Captain Caribe,~Get Away」デイヴ・グルーシン の名曲からアース・ウィンド&ファイアーのヒット曲と繋がっている。
「Feel Like Makin' Love」ロバータ・フラックの名曲をカヴァー。
「Captain Fingers」超難曲を軽々と演奏するテクニックに脱帽。
Harvey Mason Earth Mover [CD]
ハービー・ハンコックのザ・ヘッドハンターズとリー・リトナーのグループ「ジェントル・ソウツ」の共演でトップ・ドラマーとなったハーヴィー・メイソン、前回紹介した渡辺貞夫のヒット・アルバム「California Shower」でも好サポートしている。76年にリリースされた「Earth Mover」はドラマーとしてのハーヴィー・メイソンの特徴が最もよく出たアルバムと言ってもいいかもしれない。ハーヴィー・メイソンは作曲やアレンジの面でも優れた才能を持って、この後の作品はファンク色が強くなりヴォーカルをフィーチャーしたポップな物となっていくからである。
このアルバムはジェントル・ソウツのメンバーやシー・ウィンドのホーン・セクションを中心にヴァラエティーに富んだ楽曲を聴き応えのある演奏力でたっぷり聴くことが出来る、しかもドラムの聴きどころもあるという、この辺りはハーヴィー・メイソンのプロデュースの手腕も見事に発揮されている。
「No Lands man]ジェントル・ソウツのメンバーでベースのアンソニー・ジャクソン、フランジャーを効かせたベースは新鮮だった、ヤン・ハマーのミニ・ムーグのシンセサイザー、ハーヴィー・メイソンのドラム、超最強トリオのナンバー、作曲はヤン・ハマー。
「K.Y And The Curb」いかにもハーヴィー・メイソンらしいナンバー、後半のドラム・ソロのノリが素晴らしい。
「When I'm with You (live version) 」レイ・パーカーとマイケル・センベロ2人のギター・アンサンブルがカッコイイ、ドラム・ソロもご機嫌だ。
渡辺貞夫 California Shower [CD]
前年に発売した「MY DEAR LIFE」で、デイヴ・グルーシン(keyb)、リー・リトナー(g)、チャック・レイニー(b)、ハービー・メイソン(ds)、のメンバーからなるサウンドは、アフリカ音楽などのワールド・ミュージックのエッセンスをいち早く取り入れ、その先見性が素晴らしく、みずみずしくて、シンプルでワクワクするようなハッピーな理想的な形の音楽を作る事が出来上がり、今回紹介するアルバム「CALIFORNIA SHOWER」にも繋がっていきます。今回のメンバーもほぼ同じで、デイヴ・グルーシン(keyb)、リー・リトナー(g)、チャック・レイニー(b)、ハービー・メイソン(ds)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)、で、さらに息の合った生き生きとした演奏で盛り上げています。全7曲中5曲が渡辺貞夫のオリジナル曲で、親しみやすいメロディーとデイヴ・グルーシンらしいアレンジによるのが特徴で、まさに抜群の相性でした、中でもアルバム・タイトル曲「CALIFORNIA SHOWER」は、資生堂のCMで採用され渡辺貞夫さん本人も出演し、その軽快でハッピー満載の音楽は空前の大ヒットを記録しました。
「California Shower」渡辺貞夫の作曲。
「Seventh High」渡辺貞夫の作曲。
「Duo-Critics」デイヴ・グルーシンの作曲。
PACIFIC 細野晴臣,鈴木茂,山下達郎 [CD]
南太平洋の美しい海をテーマに、細野晴臣、鈴木茂、山下達郎が書き下ろし作品を提供した、Sound Image Series第1作。細野はちょうどYMOの準備中で、担当3曲をすべて坂本龍一、高橋ユキヒロ+αで制作している。黎明期の電子楽器とマーティン・デニー譲りのエキゾティック・サウンドを掛け合わせたアイディアは、既にここで具現化。YMOのデビュー作『イエロー・マジック・オーケストラ』に収めた<コズミック・サーフィン>も、実はこのオムニバスで初披露されていた。トロピカルなソロ3部作からYMOに至るプロセスの一部が、このアルバムから垣間見えるワケである。山下達郎はサーフィン系のシエスタ・ミュージックとオールディーズ調のコーラスを織り交ぜたポップ・インストを、メドレーに仕立てた<ノスタルジア・オブ・アイランド>、<キスカ>では浮遊感溢れるクロスオーバー・サウンドを提示。鈴木茂はトロピカルなファンキー・インストを3曲収録している。その他豪華参加メンバーは、林立夫、村上秀一、高水健司、浜口茂外也、斎藤ノブ、佐藤準、大村憲司、徳武弘文、土岐英史。ジャケット写真は浅井慎平。オリジナル発売日 1978年5月1日 。
「Coral Reef」鈴木茂
「Passion Flower」鈴木茂
「Noahnoah」鈴木茂
高中正義 AN INSATIABLE HIGH [CD]
1977年にリリースされた高中正義のサード・アルバム「AN INSATIABLE HIGH」初のロサンゼルス録音で当時人気実力共に絶頂だったリー・リトナー&ジェントル・ソウツ(ギタ:リー・リトナー、ベース:エブラハム・ラボリエル、ドラム:ハヴィー・メイソン、キーボード:パトリッシュ・ラッシェン、パーカッション:スティー・フォアマン)のメンバーを中心とした共演アルバム。他の参加ミュージシャンはリー・リトナー&ジェントル・ソウツ以外にベース:チャック・レイニー、ドラム:エド・グリーン、村上秀一、深町純、パーカッション:浜口茂外也、ポリーニョ・ダ・コスタなどの超豪華なメンバー、特にホーン・セクションにタワー・オブ・パワーが入っているのが嬉しい、しかしジェントル・ソウツのメンバーのサックス・プレイヤーのアーニー・ワッツがいないのが残念。タイトル曲の「AN INSATIABLE HIGH」は10分に及ぶ曲でジェントル・ソウツのメンバーのプレイとリー・リトナーとのギター・コンビネーションも聴きどころ、特にパトリッシュ・ラッシェンのピアノ・ソロが良い。前作でラテンとディスコをクロスオーバーし音楽ファンの喜ばしたが、今回のアルバムは前回のラテン気質ではなく、いかにも西海岸らしい爽やかな音に溢れている。
「Sexy Dance」
「E.S.P.」
「An Insatiable High」
「Malibu」
Greenwood Lost In Paradise [CD]
1985年に山下達郎氏の名曲「Sparkle」を英語でカバー、そのバージョンをMUROが自身のMIX CD『HAWAIIAN BREAKS』に収録したことでも知られるハワイの日系バンド、グリーンウッド(GREENWOOD)のデビュー・アルバム。グリーンウッドはハワイにてベーシストでリーダーのロビン・キムラを中心に結成。当時ナイト・クラブなどを中心に活動していたローカル・バンドです。テンプテーションズ、ボブ・スキャッグスなど美味しい曲を収録。ハワイの爽快なメロウ・サウンドにバリエーション豊かなテイストを織り交ぜていくハワイアンAORが感じられるアルバムです。1985年に山下達郎氏の日本が世界に誇るフリー・ソウル・クラシックス「Sparkle」を英語でカバーした自主制作のシングルをリリース、DJ MUROが『HAWAIIAN BREAKS』に収録したことで一気にその名が知られることになりました。このアルバムは80年代に一度は活動休止したグリーンウッドが、2000年以降に再結成されたことをきっかけに制作されたアルバムです。前にも紹介した「ALOHA GOT SOUL - SOUL, AOR & DISCO IN HAWAI'I 1979~1985」にもグリーンウッドのシングル・カットした「Sparkle」が入っています。名作ではないのですが、チョット面白いアルバムだったので取り上げてみました。
「Sparkle」当時リリースされたシングルとはテイクが違いますが、このバージョンも、まあまあのクオリティーです。
「Cheerleader Strut」和製EW&Fとの呼び声高いSPECTRUMの「ミーチャンGOING THE HOIKUEN」のカヴァーです。
Pablo Cruise A Place In The Sun [CD]
カラパナ、セシリオ&カポノと並び当時ここ日本でもサーファー達に大人気だった西海岸はサンフランシスコ発の元祖サーフ・ロック・グループ「PABLO CRUISE」。彼等の人気を決定づけた77年にリリースされたサード・アルバム「A Place In The Sun(邦題:太陽の放浪者)」アルバム・ジャケットのバンドのロゴがお洒落で、ハワイのバンドだと思っていた人も多かった。全米シングル・チャート6位を記録したAORヒット・ナンバー「WHATCHA GONNA DO?」を始め、シングル「A Place In The Sun」「Never Had A Love」もヒットを記録するなどの成功を収める事になる。北米市場での人気は凄まじく、全米プラチナ・ディスクを獲得、更にカナダでもゴールド・ディスクを獲得している。全曲メンバーのオリジナル曲で構成、随所でセンス溢れる精密な展開を聴く事が出来る。
プロデュース&エンジニアに ビル・シュネー、彼はミッシェル・ポルナレフ、TOTO、ボズ・スキャッグス、スティーリー・ダン、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、シカゴ、オリビア・ニュートン=ジョン、ホイットニー・ヒューストン、など多数の大物アーティストの音楽作品にてプロデューサー、エンジニアとして活躍していて、日本では、オフコースの小田和正のレコーディング・エンジニアとして知られている。
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「WHATCHA GONNA DO?」バンド・メンバーのジェンキンス&レリオス共作。全米最高6位を記録した共、洗練されたジャジーなアレンジに彼等のセンスが感じられる。
「RAGING FIRE」ジェンキンス&レリオス共作。アコギ&ピアノをバックにした愁いのあるスロー・バラード。
「I JUST WANNA BELIEVE」レリオス作。エルトン・ジョン風のサウンド。リード・ヴォーカルのスタイルもそれ風だ。
Cecilio & Kapono The Night Music [CD]
1972年米国ハワイで結成された男性ポップ・デュオ・グループのセシリオ&カポノ。フランク・ザッパのハワイ公演のフロント・アクトを務め注目を集めた、カラパナと同じ様に米国本土でレコード・デビューが実現する。素朴でナチュラルなハーモニーとポップなロック・サウンドが調和したトロピカル・ムードの曲で人気がでる、カラパナと並ぶ人気ハワイアン・サーフ・ロック・デュオで、77年にリリースされた「The Night Music」はセシリオ&カポノの3作目のアルバム、爽やかなウェストコースト・ロック~AOR系のサウンドの中に、ハワイ風のトロピカルな要素が散りばめられた作品、前作よりさらに洗練された曲作りとサウンドなっている、ストリングス・アレンジを巨匠、ニック・デカロが手がけている他、トム・スコット(sax)らLAの一流ミュージシャンたちがレコーディングに参加している。ボズ・スキャッグスの「We're All Alone」のカヴァーも収録されている、その他の曲は2人のオリジナルとなっている。
「The Night Music」
「Have You Ever Had That Feelin'」
「Make It Up To You」
Seawind Light the Light [CD]
一般的にハワイ出身のバンドだと思われているシーウィンド、ハワイ出身はヴォーカルのポーリン・ウィルソンとベースのケン・ワイルドだけ、ケンはドラムのボブ・ウイルソン、キーボードのラリー・ウィリアムズ、サックスのキム・ハッチクロフトらと知り合い意気投合、さらにヴォーカルのポーリンンにも出会い72年頃にシーウィンドの前身OXが誕生、タワー・オブ・パワーやコールド・ブラッドやフランク・ザッパに至る幅広い楽曲をレパートリーとし、ハワイで活動を始め、ハワイへやってくる大物人気アーティストのフロント・アクトを務め注目を集めていた、そしてドラマーのハーヴィー・メイソンに見いだされ、76年にCTIレコードからデビューし人気を獲得。今回紹介するサード・アルバム「Light the Light」は79年にリリース、初めてレコード会社を移籍し、プロデューサーも大物トミー・リピューマとなり、ポーリンのキュートなヴォーカルの魅力を損なう事無く、トミー・リピューマらしい洗練された聴きやすくなったバンドの進化を聴くことが出来るアルバムとなっている。
「Hold On To Love」R&Bチャート70位と初のスマッシュ・ヒットを記録。
「Free」サンバのリズムと変拍子のコンビーネーションは斬新だった。
「Enchanted Dance」シーウィンド・ホーンズの良さが聴けるインストでジェリー・ヘイの美しいトランペット・ソロが聴ける。シーウィンド・ホーンズはこの頃にはデビッド・フォスターやクインシー・ジョーンズから信頼を得てマイケル・ジャクソン、アース・ウィンド&ファイアー、チャカ・カーンなどのセッションに参加、特にトランペットのジェリー・ヘイはホーン・アレンジャーとして高い評価を得ていた。