Cindy Don't Be Afraid [CD]
エンジェル・ヴォイスが特長のCINDYのサード・アルバム「Don't Be Afraid」は91年にリリースされた。作曲家として中山美穂に提供し、ヒットした数々の名曲を始め、様々なアーティストに曲を提供。86年から89年までは山下達郎のツアー及びライブ・アルバム「JOY」にコーラスとして参加。その他、多くのアーティストのスタジオ・セッションへの参加やTV/CM音楽などで活躍。CINDYから中山美穂への提供曲の「Rose Color」のセルフ・カヴァーも収録。鳥山雄司や清水信之などがアレンジを担当し,打ち込みが多用されている。80年代初頭から「うる星やつら」などのアニメ・ソングやCM音楽などを歌い、86年にリリースしたデビュー・アルバム「Love life」では、あのスティーヴィ・ワンダーが実力を認め2曲で作編曲・演奏で参加している。多岐にわたってその歌声を聞かせてくれた彼女、本作では、作曲だけでなくコーラス・アレンジも手掛けていて、その才能を聴かせてくれている。この後は他のアーティストへの作品提供などサポートに徹した、残念ながら2001年に亡くなってしまっている。
「Tell Me Why」
「Rose Color」
「Live So Fast」
「Little Love」
おまけで中山美穂バージョンの「Rose Color」
上田知華 Classiest [CD]
上田知華+KARYOBINを解散後、上田知華のソロ・アルバム第1作「Classiest」は84年にリリースされた。作曲は全曲上田知華、アレンジは全曲清水信之、「読みかけの短編集」「長い夢」「10月のウェザー・フォアキャスト」「窓際のハイヒール」「日曜日の狂騒曲」「ピンクのリボンが結べない」の6曲の作詞を秋元康が担当。上田知華のメロディ・メイカーとしての才能を発揮したファースト・ソロ・アルバムとなり、80年代のシティ・ポップそのもの様な可愛らしいアルバムとなった、秋元康の作詞の世界観も一役買っているし、清水信之のアレンジも的確な物だった。ほとんど同時に作曲家としての活動を本格的に開始。アイドル全盛期に松田聖子、南野陽子、薬師丸ひろ子、中山美穂、渡辺満里奈などに数多く作品提供し、作詞家の岩里祐穂と組んで今井美樹に提供した作品群が特に素晴らしい出来である。
「Hurricane」
「読みかけの短編集」
「長い夢」
「10月のWeather Forecast」
おまけで今井美樹に提供した名曲「PIECE OF MY WISH」
鳥山雄司 A Taste of Paradise [CD]
鳥山雄司の85年にリリースされた通算4枚目のアルバム「A Taste of Paradise」。鳥山雄司は81年、慶應義塾大学在学中、セルフプロデュースによるアルバム「take a break」でデビュー、ソロ活動の他、高中正義や松任谷由実などのコンサートツアーに参加、国内屈指のギタリストとしてとして、多くのシティ・ポップの名曲を手掛けたアレンジャーとして活躍、アレンジャーとして、小室哲哉、TM NETWORK、葉加瀬太郎、宮本文昭、伊東たけし、小松亮太、尾崎豊、西城秀樹など幅広いジャンルのアーティストを手掛けている、その中でも、シャ乱Qのシングル3枚「上・京・物・語」「恋をするだけ無駄なんて」「シングルベッド」、アルバム2枚「ロスタイム」「劣等感」の共同編曲・プロデュースを手掛け、シャ乱Qをヒット・ブレイクに繋げていった。アルバム「A Taste of Paradise」は鳥山雄司の軽快なギター・サウンドのみならず、打ち込みとシンセをベースにした軽快なサウンドや、Cindyによるボーカルチューンや、青山純(dr)伊藤広規(b)のリズム隊による曲など、多彩で聴きごたえ抜群のアルバムとなりました。青山純(dr)伊藤広規(b)佐藤博(key)Pecker(per)Eve(cho)Cindy(vo)などが参加し素晴らしい演奏をしています。
「EYES OF GOD」
「CITY SCREAM」
「A TASTE OF PARADISE」
「SOMETHING GOING ON TONIGHT」
Creation Super Rock In The Hightest Voltage [CD]
初めてインストゥルメンタル・ロックにチャレンジしたクリエイションのアルバム「Super Rock In The Hightest Voltage」は78年にリリースされた。ダイレクト・カッティングというレコーディング技術でレコーディングされ、当時ジャズやフュージョンの分野で多くリリースされていた、高度な演奏技術がなくてはならないレコーディング方法で、テープを使った従来のレコーディングではなく、直接その場でカッティングするため、A 面もB面も、全ての曲を最後までミスなく続けてなくてはならなかったですが、音は綺麗でした。当時のクリエイションはギタリストの松本繁が抜け、ツイン・ギターではなくなったり、ベーシストの山内テツが方向性が違うと脱退、クリエイション名義のアルバムですが、メンバーが一新され、ギタリストの竹田和夫とドラマーの樋口晶之の2人が中心となって進行したアルバムとなりました。全て一発録り勢いとテクニックが渦を巻くアルバムで、発売当時はロック少年、フュージョン少年達が聴きまくった作品でした。竹田和夫 のファースト・アルバム「misty morning flight」も同じ78年にリリースしていますから路線的には同じ方向でした。
「Fou fou, gun gun」
「Wild Cat」
「Spinning Toe-Hold No.2」
おまけで「LEO (暗闇のレオ)」ドラマ「ムー一族」の主題曲で、竹田和夫 のファースト・アルバムに入っていました。
渋谷祐子 Made In Japan [CD]
渋谷 祐子は、74年、栗秋雅子と共にフォークデュオ「ドド」でデビューを経てソロとなったシンガー・ソングライター。ドドではヴォーカルの他フルート、ギター、ヴァイオリン、オカリナも担当していた才女です。80年にリリースしたサード・アルバム「Made In Japan」は全曲、瀬尾一三によってアレンジされ、洗練されたサウンドと、1曲を除いてすべて渋谷 祐子の作曲というのも、コンポーザーとしての才能を感じさせてくれるアルバムですが、事実上の最終作となってしまう。さらに松本隆、竜真知子、来生えつ子などの作詞陣達や、今剛、後藤次利、穴井忠臣、ジェイク・H・コンセプション、数原進などの一流ミュージシャンが多数参加し、洋楽志向の強いサウンドとなっている。
「Sail Away」作詩:竜真知子 作曲:渋谷祐子
「5AMはバイオレット・ピンクで」作詞:松田侑利子 作曲:渋谷祐子
「都会の絵本」作詞:とべあきよ 作曲:渋谷祐子
「ムーンライト・ラプソディ」作詞:水谷啓二 作曲:瀬尾一三
星野源 ばかのうた [CD]
アルバム「ばかのうた」は、2010にリリースされた星野源のファーストアルバム。インストゥルメンタル・バンドのサケロックのリーダーから「大人計画」俳優、文筆業に映像ディレクターまで、幅広い分野で才能を発揮する星野源が、遂にソロアルバムをリリース。 自分の声が嫌いで、歌うことにまだ恥ずかしさを感じていたという星野源、恥ずかしさを抱えたまま歌に挑戦したファースト・アルバム。作詞の面も独特で、生まれてこなかった妹と夢の中でじゃれあう兄の歌とか、奥さんのもとで死にゆく老人の気持ちなど、独特の視点で日常に紛れた非日常を風景を描いている。いっけん地味だが、その表現方法は人の心に残る物でした。本作をきっかけに星野源はシンガーとして頭角を現していき、今や押しも押されぬヒットメイカーになっている。細野晴臣との共作楽曲「ただいま」も収録していました。
「ばらばら」
「キッチン」
「茶碗」
「老夫婦」
「兄妹」
松居和 Time No Longer(愛の黙示録) [CD]
松居和は、慶応大学哲学科からカリフォルニア州立大学(UCLA)民族芸術科に編入し卒業。尺八奏者としてジョージ・ルーカス制作の「ウィロー」、スピルバーグ監督の「太陽の帝国」をはじめ多数のアメリカ映画に参加、ピアノ・キーボード奏者、松居慶子の夫でありAORファンには、カズ・マツイ・プロジェクト名義で知られている。「Time No Longer(愛の黙示録)」は松居和のデビュー・アルバムで、81年にリリースされ、尺八奏者の松居和がアメリカ西海岸のとんでもないミュージシャン達と作り上げたアルバムです。コンセプトはトールキンの「指輪物語」C,S,ルイスの「ナルニア国物語」などのふぁんたじーに北欧の神話を融合し、それに松居和が世界が崩壊するという予言を受けたという設定で、ラリー・カールトン、リー・リトナー、スティーブ、ルカサー、ロベン・フォードの4人のギタアリストが共演、その他のミュージシャン達はジェフ・ポーカロ(dr)ラッセル・フェランテ(key)エイブラハム・ラボリエル(b)アレックス・アクーニャ(per)ブライアン・マン(key)スティーブ・ファマン(per)などで、和のテイストを加えた壮大な音のドラマを奏でています。
「Overture(Rainy Moon)」
「Voice From The Dark」
「Farther On (Song from the Prison)」
「Time No Longer(The Great Time-Giant Wakes Up)」
久保田利伸 Shake It Paradise [CD]
「シェイク・イット・パラダイス」は、久保田利伸のファースト・アルバム、86年にリリースされた。大学では軽音楽部ロック研究会に属し、そこで出会った羽田一郎とアマチュアバンド「HOTTENTOTS」(ホッテントット)を結成。1982年、ヤマハ主催のコンテスト「EAST WEST '82」に出演し、ベスト・ボーカリスト賞を受賞している。大学を卒業後、音楽プロデューサーとしてキティミュージックとの作家契約で音楽業界に入り、1980年代には20代前半という若さで多くの歌手、アイドルに楽曲を提供。主な相手としては、田原俊彦、中山美穂、小泉今日子、鈴木雅之、GWINKO、荻野目洋子、芳本美代子、小山水城、とんねるず、バブルガムブラザーズ。84年には 松岡直也のアルバム「LONG FOR THE EAST」の1曲目「The Latin Man」に作詞・ゲストボーカルとして参加。また一人ファンキーなポップ・シンガーが登場しただけでなく、シングル・カットはされなかったが「Missing」という彼のキャリアを代表するバラードを含む記念すべきアルバムとなったが、それだけでなく上質な楽曲を作り上げるメロディ・メーカーとしての資質を持っている才能を感じることが出来る事となり、これから日本のポップス・シーンが確実に変わり始めている作品となった。
「流星のサドル」
「Shake It Paradise」
「Missing」
「失意のダウンタウン」
おまけで松岡直也 feat. 久保田利伸「THE LATIN MAN」
遊佐未森 - 空耳の丘 [CD]
アルバム「空耳の丘」は、遊佐未森の2枚目のオリジナルアルバム、88年にリリースされた。日清カップヌードルのCM曲(出演はアーノルド・シュワルツェネッガー)として使われた「地図をください」がヒットしたことで注目され、またこの曲は遊佐のアルバムで作詞家として本格デビューした工藤順子の出世作ともなった。デビューアルバム「瞳水晶」では成田忍がサウンドプロデュースを担当していたが、「空耳の丘」からは、遊佐がメジャーデビュー以前から関わりのあった外間隆史がサウンドプロデュースを手掛けることになる。エピックソニーの音楽プロデューサー福岡智彦の指揮のもと、外間隆史が強く打ち出したコンセプトと、工藤順子が紡ぎ出す繊細な歌詞により、ファンタジー的な世界観を構築した初期代表作のひとつである。遊佐未森のミニ写真集と外間隆史による同名の童話が収録されており、アルバムには「聞く、見る、読むのハーモニック・アルバム」というキャッチコピーが付けられ、先行シングルとして「窓を開けた時」がリリースされた。参加ミュージシャンはドラムの青山純、“ポータブルロック”や“ヤプーズ”にいたベースの中原信雄、“レベッカ”の2代目ギタリストとして活躍し、やがて“フェビアン”でデビューする古賀森男、ベースの中原信雄は青山純の中学の同級生という個人的なつながりもあったとか、シンセサイザーやプログラミングを担当したのは外間隆史の高校時代の友人の遠山淳などで制作されました。
「風の吹く丘」
「窓を開けた時」
「日曜日」
「地図をください」
中山美穂 Mind Game [CD]
アルバム「Mind Game」は中山美穂の7枚目のオリジナル・アルバムで88年にリリースされた。前々作のアルバム「One And Only」からダンス・ミュージックの色が強くなり、久保田利伸、小室哲哉、尾関昌也、EPOなど新進気鋭の作曲家が参加した。それから2年後の本作は「心のままに」とあるように、ダンス・ミュージックにこだわったサウンドをコンセプトにしたアルバムとなった。作曲家の布陣は久保田利伸、久保田の作品に参加している羽田一郎やCINDYなどが楽曲を提供し、シンガーソングライターのCINDYをこのタイミングから起用し、久保田利伸の制作チームからの楽曲提供を受ける等、それまでの中山美穂の音楽性とは異なるアーティスティックな作品へと躍進を遂げている。本人作詞・作曲の「Long Distance To The Heaven」の歌詞の内容は中山自身の実話で、デビュー前から共に歌手を目指していたものの自ら命を絶ってしまった親友であるアイドル遠藤康子のことを歌っている。
中山のビキニ姿のイラストジャケット・アートはロバート・ブルーによるイラストレーション。
「Mind Game」作詞: 芹沢類 / 作曲: CINDY・羽田一郎 / 編曲: 杉山卓夫
「Cat Walk」作詞: 芹沢類 / 作曲・編曲: KITARO
「Moonlight Sexy Dance」作詞: 康珍化 / 作曲・編曲: 杉山卓夫
「Long Distance To Heaven」作詞・作曲: 北山瑞穂 / 編曲: 杉山卓夫