Wynton Marsalis Think Of One [CD]
「シンク・オブ・ワン」は、ジャズ・トランペット奏者、ウィントン・マルサリスが83年にリリースしたリーダー作としては2枚目のアルバム。グラミー賞最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞、ソリスト部門を受賞している。アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを脱退して間もない頃、ウィントン・マルサリスは、同じくブレイキーの群れから出た兄弟ブランフォードと組んで、素晴らしいレコーディングを敢行した。この2人の兄弟のコンビネーションは音楽界で大きな話題を呼び、彼の最高傑作として話題を呼んだ、80年代初頭のヤング・ライオンズ・ムーヴメントのメインストリーム・ジャズの中でも、最も堅実なものの一つである。オープニング曲「Knozz-Moe-King」は、ウィントン・マルサリスのオリジナルで、スーパーチャージャー付きのバップが煽り立てられている。「My Ideal」は1930年代のスタンダードで、スタンダードの曲をウィントン・マルサリスなりのジャズを追究する姿勢が表れた演奏の曲。ジャズ界の巨人セロニアス・モンクの曲「Think Of One」をオリジナル・バージョン以上に個性的な演奏に仕上げている、その素晴らしい解釈は、曲の持つ構造を理解し巧みに活用し個性的なプレイを展開している。アルバム最後の曲「Melancholia」は尊敬するデューク・エリントンの曲、テーマのみの演奏だが、強い余韻を残す演奏となった。
「Knozz-Moe-King」
「My Ideal」
「Think Of One」
「Melancholia」