The Who Quadrophenia [CD]
ザ・フーの6作目にあたるスタジオ・アルバム「Quadrophenia(四重人格)」73年にリリースされた。作詞・作曲は全てギタリストのピート・タウンゼントによるもので、全曲タウンゼントの曲で占められているのはオリジナル・アルバムは本作が唯一である。サウンドも前作のアルバムで初めて導入したシンセサイザーが多用され、前作以上に複雑で色彩豊かな音造りになっている。モッズ出身のバンドだったザ・フーは「コンセプト・アルバム」という新たな概念を打ち立て、「Quadrophenia(四重人格)」のコンセプトは1960年代中期のロンドン、モッズ少年のジミーの多重人格と精神的な葛藤を軸に展開される。自分達のルーツを題材にしているアルバムであるが、タウンゼントによればこれは自叙伝ではなく、ザ・フーの歴史がメンバーではなく観客によって作られてきた事を示しているという。また、主人公のジミーを支配する4つの人格は、それぞれザ・フーのメンバー4人の人格に割り振っていて、4人(ロジャー・ダルトリー (vo,harp)ピート・タウンゼント (g,vo)ジョン・エントウィッスル (b, vo))キース・ムーン (ds, vo)を反映するテーマ曲も4曲入っている。コンセプトアルバムの最高峰で20世紀ロック史に刻まれる名盤といわれているが、なぜか日本ではザ・フーの人気が無く、余り高い評価を得られなかった。
本作品を元にした映画『さらば青春の光』が1979年に公開されている。
「The Real Me」
「Quadrophenia」
「Cut My Hair」
「The Punk and the Godfather」