New York [CD]
70年代後半、トーキョーの最先端サウンドを創り出していた8人のギタリスト達、秋山一将、大村憲司、鈴木茂、竹田和夫、松木恒秀、松原正樹、水谷公生、矢島賢がニューヨークのイメージを音で表現したアルバム「New York」が78年にリリースされた。8人8様の個性が出て、同じニューヨークを対象にそれぞれがイメージのふくらまし方は随分と違っていいる物で面白い、8人が一曲に自分のやりたいことを凝縮して、思うままにプレイして曲を仕上げている、ギターのオムニバス・アルバムとしてもギタリストの個性が十分に出ている、ニューヨークのイメージの曲だが当時のトーキョーの音が聴こえる。
「Kennedy Airport」鈴木茂の作品、アルバムの中でも凝ったアレンジの作品、ストリングスも鈴木茂自身が指揮をしている、ギタープレイもギブソンES-335とストラトキャスターを弾き分けてソロを組み立てている、ギター職人の技が聴ける。
「Hard Times」松原正樹が取りあげたのは、ボズ・スキャッグスの「ハード・タイムス」アレンジは坂本龍一と松原正樹の2人、後藤次利のブリブリなベースと林立夫とロバート・ブリルの迫力のツイン・ドラムのリズム隊も聴きどころの一つ。
「New York Subway」水谷公生の作品、鈴木茂のアレンジ以上に凝っている、隣でレコーディングしていたハーヴィー・ハンコック・グループのドラマー、アルフォンス・ムゾーンが飛び入りでコーラスと地下鉄の中の会話のシーンで参加するハプニングが起きた。
「New York Woman Serenade」竹田和夫の作品、クリエイションのメンバーにカルメン・マキ&OZのギタリスト春日博文とヴォーカルにアイ高野を加えてのロック・ナンバー、2人のツイン・リードはこの曲でしか聴けない。