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BEN SIDRAN Old Songs For The New Depression [CD]




Dr.ジャズと呼ばれたベン・シドラン、ジャズの音楽本を執筆したり、ラジオのDJをするほど造詣が深い、独自のユーモア、インテリジェンスを備え、ジャズやソウルやロックを自由に行き来するベン・シドランの80年代の傑作の一つの「Old Songs For The New Depression」は古い曲を蘇らせようというコンセプトの作品です。古いスタンダード曲「Making Whoopee」を取り上げていて、後にエルヴィス・コステロやノラ・ジョーンズも影響を受けて取り上げていますけど、選曲の良さなどがDr.ジャズと言われるんだと思う。ベン・シドランのピアノもなかなかのものだが、デビッド・サンボーンのバンドでずっと一緒だったマーカス・ミラーとバディ・ウィリアムスのリズム隊が古い曲に新しいフィーリングで挑んでいるのが面白い。


「Let's Get Away from It All」フランク・シナトラのバージョンが有名だが、ダイアナ・ロス&シュープリームスも取り上げているポップ・スタンダード。マーカス・ミラーとバディ・ウィリアムスが、ファンキーなノリで攻めている。

「Old Folks」30年代の曲で、多くのジャズ・ミュージシャンが取り上げるスタンダード。チャーリー・パカー直径のビバップスタイルで80年代を席巻したリッチー・コールの脂の乗りきったサックスが良い。

「Piano Players」ベン・シドランの曲、ひたすらジャズ・ピアノの巨人達の名前を呼びながらスイングしてゆく。

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Cheryl Lynn Instant Love [CD]


INSTANT LOVE ~ EXPANDED EDITION

INSTANT LOVE ~ EXPANDED EDITION

  • アーティスト: CHERYL LYNN
  • 出版社/メーカー: BBR
  • 発売日: 2012/07/30
  • メディア: CD


「Instant Love」はシェリル・リン4作目のアルバム、プロデュースはルーサー・ヴァンドロス、ジャム&ルイスをはじめとするR&Bクリエイター、そして多くのR&Bファンから支持を集め、シェリル・リンがディスコ・クイーンからソウルへの傾倒を深め、ソウル・シンガーと認められたたのもこの作品からで、ルーサーのアルバム「Never Too Much」と、同じ頃にルーサーがプロデュースしたアリサ・フランクリンのアルバム「Jump To It」のソウルの艶やかなグルーブ感がこのアルバムにもある。後のインタビューでアリサが歌ったJump To Itをシェリルが歌いたいと懇願したがルーサーがこれはアリサのために書いたから曲だからダメと断った、この話を聞いた時シェリルのバージョンも凄く聴いてみたいと思ったのを思い出す。この頃はルーサーとマーカス・ミラーは歌物の制作では一緒に行動していて、スタイリッシュでニュー・ヨークのアーバンソウルなサウンドを創り出している。


「Instant Love」アルバムの一曲目からマーカスのベースとヨギー・ホートンのドラムのグルーブが最高で、この演奏にシェリルがこれ以上ない高揚感で歌い上げる、ルーサーのコーラスも良い。

「If This World Were Mine」マーヴィン・ゲイ&タミーテレルのカヴァー、シェリルとルーサーでの美しくエレガントなバラード。

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Take 6 Beautiful World [CD]


Beautiful World by Take 6 (2002-05-21)

Beautiful World by Take 6 (2002-05-21)

  • アーティスト: Take 6
  • 出版社/メーカー: Warner/Reprise Cntry Adv
  • メディア: CD


20世紀を代表する素敵な名曲を集めたカヴァー&リメイクのアルバム、TAKE6のファンはもちろん音楽ファンが楽しめるアルバム。プロデューサーがマーカス・ミラーで、アカペラ・グループという、本来は余分なバックのサウンドを必要しないアーティストの魅力を最大限に生かした斬新なアレンジのセンスは抜群だ。TAKE6のメンバーもアカペラの可能性を進化させクリエイテブの面でも大きな成果を生んでいる。ドゥービー・ブラザース、カーティス・メイフィールド、ビル・ウィザース、スティービー・ワンダー、ドナルド・フェイゲン、ピーター・ガブリエル、ラムゼイ・ルイス、ダーニー・ハサウェイ、スティングのカヴァーで、この名前を聞くだけでどんな感じのアルバムになっているかワクワクしてしまう。


「Takin' It To The Streets」ドゥービー・ブラザースの名曲、TAKE6の表現力も見事、マーカス・ミラーのアレンジのセンスも抜群です。

「Beautiful World」スティーリー・ダンのメンバー、ドナルド・フェイゲンのヒット曲をTAKE6が歌詞やメロディを加えてリメイクしスケール・アップした作品。

「Someday We'll All Be Free」ダニー・ハサウェイの名曲、ダニーの愛娘レイラ・ハサウェイをゲストに迎えて、ドラマチックに仕上がっている。。

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Marcus Miller Suddenly [CD]


Suddenly

Suddenly

  • アーティスト: Miller, Marcus
  • 出版社/メーカー: Rhino
  • 発売日: 2014/09/22
  • メディア: CD


マーカス・ミラー、フェンダー・ジャズベースをトレードマークに世界屈指のエレクトリック・ベース奏者となり、その独自のベースの音は世界中のベーシスト達に大きな影響を与え現在もスタンダードとして確立している。22歳にして巨匠マイルス・デイビスの復帰を助けたり、音楽プロデューサー、作曲家、編曲家としても非凡な才能を見せ、広く音楽界に影響を与える事となる。デイヴィッド・サンボーンのアルバム「夢魔」で初めてグラミー賞を受賞、R&Bのスター、ルーサー・ヴァンドロスのアルバムもヒットさせている。そんな状況の中での初めてのソロ・アルバムのレコーディング、ベース・プレイをメインした内容に期待したが、ベースだけではない、マルチ・ミュージシャンぶりを見せつけるヴォーカルを中心としたアルバムで、当時は彼のヴォーカルに驚き、さらに基本的にワンマン・レコーディングで、シンセサイザー、ギター、ドラム、ベースなどをすべて自身でプレイした。ゲストとしてデビッド・サンボーン、マイク・マイニエリ、ハーヴィー・メイソン、バディ・ウイリアムス、ラルフ・マクドナルドなどが参加し、彼らが曲の必要に応じてさらにクリエイトする対応し曲の完成度を上げている。


「Suddenly」デビッド・サンボーン(Sax)、ラルフ・マクドナルド(per)以外は、全てマーカス・ミラーがプレイしている。

「Lovin' You」コーラスのルーサー・ヴァンドロス以外は全てマーカス・ミラーの演奏。映画「パスティン・ルース」のサントラで取り上げられ、シングル・カットされR&Bチャート55位になった。

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Al Jarreau Tenderness [CD]


テンダネス <FUSION 1000>

テンダネス <FUSION 1000>

  • アーティスト: アル・ジャロウ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: CD


アル・ジャロウのスタジオ・ライブ・アルバム。
彼の、広い声域とソフトかつ伸びやかな歌声と卓越したボーカル・テクニック、中でもボイスパーカッションは特技ともいえるほど優れたパフォーマンスを存分に聴けるアルバム。
スタジオ・ライブということもあって、驚異的なヴォーカル・パフォーマンスも熱く、迫力のあるものになっている。収録曲も、これまでの彼のアルバムの曲や、カヴァー曲(カヴァー曲の選択も最高に良い)だか、マーカス・ミラーのプロデュース、アレンジで、卓越したヴォーカルと卓越した演奏が一つになったヴォーカル・アルバムである。マーカス・ミラーの人脈で選んだ豪華なメンバーの演奏も見逃せない。


映像の「マシュ・ケ・ナダ」はセルジオ・メンデスの名曲、こういった、パーカッシブなナンバーを歌わせると物凄い、聴き慣れたナンバーに新しい力を吹き込んでいる。ジョー・サンプルのピアノ・ソロも凄い。

「My Favorite Things」スタンダードの名曲をクラシック界の歌姫キャスリーン・バトルとの共演、人間の声の無限の可能性を感じる。

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Wayne Shorter Native Dancer [CD]


ネイティヴ・ダンサー(期間生産限定盤)

ネイティヴ・ダンサー(期間生産限定盤)

  • アーティスト: ウェイン・ショーター
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/04/27
  • メディア: CD


ウェイン・ショーターが1975年に発表したスタジオ・アルバム。当時ショーターが在籍していたバンド、ウェザー・リポートの所属レーベルであるコロムビア・レコードから発売された。ブラジルの歌手ミルトン・ナシメントがフィーチャリング・ゲストとして参加、ショーターはかねてより、妻のアナ・マリア(ブラジル人)から「ナシメントと会うべきだ」と進言されており、1972年にウェザー・リポートのブラジル公演でナシメントと対面を果たして、2年後に本作のレコーディングを開始した。なお、参加メンバーのうちワグネル・チゾとホベルト・シルヴァは、ナシメントのバンドのメンバーである。収録曲の一部は、ナシメントが自身のアルバムで発表した曲の再録音で、「タルジ」はアルバム『Milton Nascimento』(1969年)、「ミラクル・オブ・ザ・フィッシュ」はアルバム『Milagre Dos Peixes』(1973年)、「リリア」はアルバム『Clube da Esquina』(1972年)からの曲である、また、「ジアナ」は、本作のレコーディングに参加したアイアート・モレイラの娘に捧げられた曲である。ブラジル音楽色の強いフュージョンの傑作、明らかにショーターの最重要作の一つであるアルバム。


「Ponta de Areia」「砂浜の岬」という意味、ミルトン・ナシメントの作曲、歌声も素晴らしい。

「MIRACLE OF THE FISHES」Live Under The Sky 1991からの映像。

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Herbie Hancock Sunlight [CD]


サンライト

サンライト

  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2014/02/26
  • メディア: CD


ヘッド・ハンターズからのファンクの流れで、鬼才キーボード奏者ハービー・ハンコックが、ヴォコーダーを用いて歌手としての一面を発揮した一枚。当時の肉声を自在に加工できるアナログ・シンセサイザーのボコーダーを自在に使いこなすミュージシャンはまだ少なく、これをハービー・ハンコックは楽し気に使いこなし、ヘッド・ハンターズのメンバーも参加する、ディスコ・ヒット「I Thought It Was You」をリリース、この数年後に爆発的なヒットとなる「Future Shock」や「Sound-System」の布石になったアルバム、後半には、ジャコ・パストリアスやトニー・ウィリアムスと共に壮絶なインプロヴィゼーションを繰り広げるインストゥルメンタル「Good Question」等、絶頂期ハービーの勢いがふんだんに収められている。


「I Thought It Was You」

「Good Question」


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PATRICE RUSHEN PATRICE [CD]


PATRICE

PATRICE

  • アーティスト: PATRICE RUSHEN
  • 出版社/メーカー: SOULMUSIC RECORDS
  • 発売日: 2012/04/05
  • メディア: CD


77年にリー・リトナー&ジェントルソウツに参加、当時はジャズ・ピアニストとして認識されていたパトリース・ラッシェン、78年にエレクトラ・レコードと契約、このアルバムをリリースし、ファンを驚かせる、ここでは彼女のキュートなボーカルとポップでダンサブルなサウンドだったからだ、エクストラは、以前からR&Bの人達と一緒にプレイして歌っていたのを知っていたし、リスナー層を広げるため歌ってみないかと言ってきて、彼女もR&Bを聴きながら育っていた為に、すんなりと受け入れられ制作されたボーカルがメインの初めてのアルバム。パトリース・ラッシェンを含めて3人のキーボード奏者がプロデュースしているのも興味深い。フレディ・ワシントン、ジェイムス・ギャドソン、モーロ・ヘンダーソンなどのR&Bのセッション・ミュージシャンやエイブラハム・ラボリエル、アル・マッケイ、ポーリン・ウィルソン(シーウィンド)などの協力なミュージシャンが参加し彼女をサポートしている。10曲中の9曲が彼女の作曲で、アレンジも担当している、サウンド・クリエーターとしても才能を発揮している。


「Music Of The Earth」アルバムの一曲目、ピアニストだけじゃないと驚かされた曲。

「When I Found You」シングル・カットされR&Bチャート・インした曲。

「Hang It Up」彼女のピアノ・ソロも聴けて、同じくシングル・カットされR&Bチャートで16位になったヒット曲。

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Clarke Duke Project [CD]


Clarke Duke Project

Clarke Duke Project

  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1988/10/27
  • メディア: CD


73年のアイアート・モレイラ&フォローラ・プリムソロ作品で顔を合わせたスタンリー・クラークとジョージ・デューク、この二人はジャズ・フュージョンにとどまることなく、ジャンルを超えていくタイプのミュージシャン、81年にリリースされた「Clarke Duke Project」とは、パブリックにすんなり受け入れてもらえるコマーシャルで売れ線を狙うアルバム、どうせ二人で手を組むのならと、55年に書かれたポップ・スタンダード「Louie Louie」のカヴァーしたものなど、やりたい放題に自由に個性を炸裂させ、アーティスト性も感じられ、当の2人が楽しんでいるアルバムとなっている。マイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」などで有名なドラムはジョン・ロビンソン、アースウインド&ファイアーのホーン・アンサンブルを担当していたトランペットのジェリー・ヘイも参加している。


「I Just Want to Love You」スタンリー・クラークの曲、彼のポップな感覚を感じられる。

「Sweet Baby」ジョージ・デュークの作曲このプロジェクトで一番ヒットした曲。

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Jaco Pastorius TWINS1&2~ライヴ・イン・ジャパン [CD]


TWINS1&2~ライヴ・イン・ジャパン

TWINS1&2~ライヴ・イン・ジャパン

  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1999/12/10
  • メディア: CD


ジャコ・パストリアスは、1982年にはピーター・アースキンと共にウェザー・リポートから脱退し、ジャコは自身のビッグ・バンドに活躍の主軸を移した、もちろんブラスセクションのアンサンブルもジャコがやっています。1982年8月下旬〜9月上旬にかけて、オーレックス・ジャズ・フェスティバルに参加する形で「ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンド」としての来日公演を行い(武道館に見に行きました、トロンボーンのJJ・ジョンソンも良かったですが、ジャコのバンドがピカイチでした、20人を超えるホーンセクション、それからコードを弾ける楽器が一つも無い編成でビックリし、Steel Drumsの名手Othello Molineauxに驚愕しました、もちろんジャコのベースとビック・バンドのアレンジジャーとバンド・リーダーとしても)、各地で大成功をおさめた。この来日公演の模様は、後日NHK放送枠でオンエアされ、コンサート音源がライブ・アルバム『Twins I & II』であります。


一曲目の「Soul Intro / The Chicken」で、オーレックス・ジャズ・フェスティバルの武道館ライブ

「Reza/Giant Steps/Reza」野生の王国のテレビ番組からヒントを得て、コルトレーンのジャイアント・ステップを導入するジャコらしい、とんでもない発想のアレンジの曲。

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