Beck, Bogert & Appice [CD]
ヴァニラ・ファッジ、カクタス、ベック・ボガート&アピスなどで活躍したベーシスト、ティム・ボガートが2021年1月13日に死去。76歳でした。盟友だったカーマイン・アピスが自身のフェイスブックで明かした、ご冥福をお祈りします。ティム・ボガートは歌も上手かったし、べース・プレイも凄かったし、カーマイン・アピスとのリズム・セクションは最高でした、ベック・ボガート&アピスのライブはトリオ・ハード・ロックの最高峰と言われました。スタジオ・アルバムはこの一枚しかなく、スティービー・ワンダーやカーティス・メイフィールドのカヴァーなどが入っていることからロックとソウルを融合させた第二期ジェフ・ベック・グループの音楽性を進化させた形にしたかったとジェフ・ベックは思っていたのだが、ライブでのリズム・セクションの2人のパワルルでヘヴィーな面が前面に出過ぎてしまい、(ロック・ファンの心に永遠に刻み込まれるほど凄かった為に)結果的にスタジオ・アルバムとの差が出てしまいその後に解散、ジェフ・ベックは新たな音楽性を求める事になります。
ティム・ボガートの事を書こうと思っていたら、フィル・スペクターも2021年1月16日に死去を知り更にビックリ。「ウォール・オブ・サウンズ」と呼ばれる制作手法で、数々の名作を世に送り出した奇才プロデューサー。81歳でした。ご冥福をお祈りします。彼の事もどこかで取り上げたいと思います。
「Superstition」スティービー・ワンダーの名曲。ベック・ボガート&アピスのパワフルなライブからの映像。
「Sweet Sweet Surrender 」スタジオ・アルバムからのバラードでドン・ニックスの作曲。
「I'm So Proud 」スタジオ・アルバムから、カーティス・メイフィールドの名曲。
The Crusaders Rhapsody And Blues [CD]
前作の「Street Life」でボーカルをフューチャーし大成功、80年にリリースしたアルバムで今度はビル・ウィザーズのヴォーカルをフューチャーした味わい深い「ソウル・シャドウズ」収録した名盤。ジョー・サンプルが大作曲家ガーシュウィンへの思いを込め、彼の名曲をもじって付けたタイトル・ナンバーも美しい。クルセイダースの当時のレコーディングのメンバーは、ジョー・サンプル(Key)、ウィルトン・フェルダー(Sax)、スティックス・フーパー(Dr)という不動の3人に、ディーン・パークス/ローランド・バウティスタ/ボブ・マン/フィル・アップチャーチ(g)、エイブ・ラボリエル/アルフォンソ・ジョンソン(b)、ポウリーニョ・ダコスタ/シェイラ・エスコヴェドことシーラ・E(per)。この時期のギターはデヴィッド・T. ウォーカーじゃなく、アース・ウインド&ファイアーのローランド・バウティスタだったのとパーカッションがシーラ・E.というのが面白い、プリンスに見出される前の彼女は、本当にパーカッションとして色々なアーティストと競演している。
「Soul Shadows」ビル・ウィザーズの歌声が渋いアルバム・バージョン。
「Soul Shadows」Live Under The Sky 1983の映像で、Larry Grahamの歌とベースで。
Larry Graham and Graham Central Station My Radio Sure Sounds Good to Me [CD]
My Radio Sure Sounds Good to Me
- アーティスト: Graham Central Station
- 出版社/メーカー: Collectables
- 発売日: 2006/02/14
- メディア: CD
グラハム・セントラル・ステイションの6作目アルバム、このアルバムはグループとラリー・グラハムのとって大きな転換期に作られたもので、グループの結成がホット・チョコレートというバンドのプロデュースをラリーが依頼され、ラリーがこのバンドを乗っ取ってしまった事から始まるぐらいの凄いメンバーだったのに、そのメンバーが次々と脱退し、本作でついに全員いなくなってしまった事、結果としてさらにラリーの色が強まったのが良い方向になり、世界中のベース弾きのバイブルとなるようなファンク・ベースの「POW」が生まれる事となる。アルバムの名義もグラハム・セントラル・ステーションからラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステイションになっている。
ラリーが最後までこだわっていたのはグループの編成で、男性と女性と人種の混合、常に白人メンバーがいる事、スライ&ザ・ファミリー・ストーンがそうであったかのように。
「Pow」ベースを弾きながら歌っているなんて、とんでもないです。ノリも最高の楽しいナンバー。
Marvin Gaye I WANT YOU [CD]
孤独と愛への欲求を表したアルバムなのだが、モータウンのお抱えコンポーザーだったリオン・ウェアのオリジナル「I Want You」をそのまま譲り受け、当時の妻のジャニスへの思いを込めた非常にエロティックなアルバムだが、やはりマービン・ゲイのセクシーさ全開のソウルという要素は何物にも変え難い。他人の作品でありながらアルバム全体を自分のものにしてしまう、マービン・ゲイの強烈な個性を感じてしまう、ちなみに全11曲中、8曲のコンポーザーのT・ボーイ・ロスは、ダイアナ・ロスの弟。本アルバムの特徴は、ファルセットを駆使いている点で、何度も何度もヴォーカルを重ね非常に丁寧に作られている点と、アルバムに一定の流れがあるため、通して聴ける作品になっている。
「I Want You」マービン・ゲイのヴォーカルが織りなす名曲の一つ。
「All The Way Around」マービン・ゲイらしくて、個人的に好きな曲。
Average White Band [CD]
アヴェレイジ・ホワイト・バンドは、イギリス、スコットランド出身のファンク、ソウル/R&Bのバンド。 1973年にエリック・クラプトンのコンサートのサポートを務め、同年にアルバム『ショウ・ユア・ハンド』でデビューした。1974年にニューヨークへ渡る。同年8月、アリフ・マーディンのプロデュースにより2枚目のアルバム『アヴェレイジ・ホワイト・バンド』を発表。シングルカットされた「Pick Up The Pieces」は、翌1975年2月にインストゥルメンタル曲としては異例の全米1位の大ヒットを記録した。 この為に、インスト専門のバンドだと思われているが、彼らの本領は、洗練された白人ならではのソウルフルなヴォーカル曲である、ファンキーで軽快なリフの曲とメロウなバラードなどがあるサウンドは、タワー・オブ・パワーのスコットランド版というとこかな。ベーシスト、ロッコ・プレスティアが2020年9月30日に死去。69歳でした。ご冥福をお祈りします。
「Work To Do」ソウルフルでァンキーで軽快なアイズレー・ブラザースのカヴァー曲。
「 Pick Up The Pieces」アヴェレイジ・ホワイト・バンドの代表曲。
Commodores [CD]
1971年にジャクソン5のライブツアーのオープニングアクトを務めて注目され,ジャクソン5のバックを務めることで名を上げてい行ったコモドアーズ。そんな彼らの5作目のアルバムは77年にリリースされた。彼らのセールスポイントはファンク・バンドとしてのシャープでヘヴィな高い演奏力なのだが、ライオネル・リッチーのヴォーカルのスター性により必然的に売れ筋のポップ・ミュージックに傾倒していった。このアルバムは 売れ筋になる直前の最もファンク・バンドとしての成熟度が高い作品となっている。ライオネル・リッチーはヴォーカルだけでなくバンドでの担当楽器はピアノ、キーボード、サックスと幅広い、熱心なソウル・ファンの間では、リッチーの白すぎるヴォーカルを嫌う声が圧倒的に多かったのも事実である。
「Brick House」ソウルチャートで1位を獲得したコモドアーズの本領が全開で発揮されたナンバー。
「Easy」ライオネル・リッチーのポップなバラード、今後の方向性を示している。
Minnie Riperton Stay In Love [CD]
ミニー・リパートン77年リリースの4作目のアルバム、5オクターブの声域のハイトーン・ヴォイスで知られているが、それが無くてもスウィートで女性的な歌声は稀な才能だ。アルバムの副題が、A Romantic Fantasy Set To Muisicからうかがえるようにトータルなラブ・ストーリーの作品。プロデュースとリズム・アレンジはフレディ・ベレン(ジャクソン・ファイブも手掛けている)。参加ミュージシャンもチャック・レイニー(b)ジェイムズ・ギャドソン(dr)サニー・バーク(key)ウィルトン・フェルダー(b)などで、彼らの演奏のグルーブと彼女の歌声でラブ・ストーリーのロマンティックでセクシーな感情が滑らかに描写されている。残念ながらこのアルバムの彼女のコンセプトと、レコード会社はそのコンセプトに反発し、彼女と多くの衝突が起こるようになる為にセールスは伸び悩んだ、このアルバム最後に契約を解消する。好きな2曲を選んでみました。
「Could It Be I'm In Love」
「Can You Feel What I'm Saying?」
Stevie Wonder Fulfillingness [CD]
前作『Innervisions』をリリースして間もなく、交通事故に一時的ではあるけれど味覚と嗅覚を失い、そのせいもあったのか、心境的に転機が訪れることになる。革新的なサウンド作りに躍起になっていた前作までと比べ、達観した静かなサウンドで満たされている。のちのStevieサウンドの特徴である、大らかで壮大で緩やかなバラード・ナンバーが顕著になった、アップテンポ・ナンバーが少ない分、派手さも少ないけど、時代の流れに揺らぐことのないスタンダード・ナンバーを創り上げている。それでもスティーヴィー・ワンダーとして初のビルボード・ポップチャートで1位をとったスタジオ録音盤となった。アルバムはエリック・クラプトンの『461 Ocean Boulevard』に代わり2週連続1位を獲得している。
「Bird Of Beauty」デニース・ウィリアムスのコーラスが良い、スタンダードの名曲になっている。
「It Ain't No Use」個人的に大好きな曲、デニース・ウィリアムスとミニー・リパートンのコーラスが光る。
Stuff More Stuff [CD]
セカンド・アルバム「モア・スタッフ」は、ヴァン・マッコイとスタッフの共同プロデュースのもと、前作よりグルーヴィーかつリラックスしたアンサンブルのサウンドが存分に味わえる。スタッフの良さは、メンバー全員がリズム・セクションであることからくる心が躍るリズム&グルーヴ感で最高に酔いしれることが出来ること、リチャー・ティーのピアノやエリック・ゲイルのギターのワン&オンリーのサウンドとツイン・ギターとツイン・ドラムのユニークな構成もよりスペシャルな物にしている。このアルバムはメンバーのヒューマンな歌心の豊かさをしっかり表現し、バリエーションに富んだナンバーの良さを引き出している、そのバランスの良さはヴァン・マッコイのプロデューサーとしての本領が発揮され、スタッフの最高傑作のアルバムと言われている。
「As」スティービー・ワンダーのカヴァー、何度聴いても鳥肌物。
「Love of Mine」リーダーでベースのゴードン・エドワードのオリジナル、彼のだみ声のヴォーカルが微笑ましい。
増尾好秋 Saling Wonder [CD]
渡辺香津美も憧れていた日本人のジャズ・ギタリストといえば増尾好秋。単身渡米し、当時チックコリアのRTFのオーディションに合格したものの先に決まったソニー・ロリンズ・バンドに参加したという、世界を股にかけて活躍するギタリスト、このアルバムは、そのロリンズのグループで活躍した後に、ニューヨークで録音した78年の作品。ニューヨーク在住の為にリチャード・ティー、エリック・ゲイル、スティーヴ・ガッドなど、"スタッフ"の主力メンバーやデイヴ・グルーシンなどの豪華なメンバーが参加、ソニーロリンズの影響を受けた大らかなギターを感じてほしい、タイトルそのままの海を航海するようなスケールの大きいメロディ・ラインが魅力的である。
「Saling Wonder」ラテン調のトロピカルなナンバー、ブリッジ的なエリック・ゲイルの短いギター・ソロも入っている。
「Kirk Out」良き相棒、ベースのTMスティーブンスのファンキーなベースがカッコイイ。