加藤和彦 スーパー・ガス [CD]
「スーパー・ガス」は、71年1に発売された加藤和彦の2枚目のソロ・アルバム。全曲の詞は松山猛が担当し、作編曲は加藤和彦が手がけた。サウンド面での特色としてはフォークとロックの中間に位置し、洗練されたアンサンブルや、カントリー、トラッドなど、アメリカやイギリスの最新サウンドトレンドが色濃く反映された、きわめて先鋭的なアルバムだった。また当時の日本ではまだ珍しかったスティールパンに加え、輸入されたばかりのミニモーグや、ARP 2600などのシンセサイザーが使用されている。「家をつくるなら 」は当初アルバムのみの収録だったが、ナショナル住宅建材株式会社のCMソングに使われたことで人気を博し、アルバム発売から約1年半経った73年にシングルカットされた。琉球音階を取り入れた楽曲「魔誕樹の木陰(またんきのこかげ)」やファーストアルバムに収録されるハズだったと思われる大曲「児雷也冒険譚」など、この世界観がこの直後に加藤和彦が結成するサディスティック・ミカ・バンドにも流れ込んでいった。「アルカンシェル」のギター・ソロはサディスティック・ミカ・バンドの初代ドラマーでもある、つのだ☆ひろが弾いています。なお「スーパーガス」という奇妙なタイトルは、スーパーマンのイラストに作者の知り合いの飼い犬「ガスくん」の顔写真をコラージュしたもの。裏ジャケでは加藤氏とミカ元・夫人がガスくんとじゃれている写真も載っている。
「家をつくるなら」
「魔法にかかった朝 」
「魔誕樹の木陰」
「アルカンシェル」
「児雷也冒険譚」