That's The Way I Feel Now A Tribute To Thelonious Monk [CD]

That's The Way I Feel Now - A Tribute To Thelonious Monk
- アーティスト: Thelonious Monk
- 出版社/メーカー: A&M
- 発売日: 2022/01/26
- メディア: LP Record
モダン・ジャズ・ピアノの巨人セロニアス・モンクの偉大なる足跡を讃え、レーベルとジャンルの壁を超越して当代ジャズ、ロック・シーンの大物達が参加した話題の追悼アルバム「That's The Way I Feel Now A Tribute To Thelonious Monk」は84年にリリースされた。ジャズ界屈指の作曲家でもあったモンクの不滅の名曲の数々を、各自の解釈とスタイルで演じた異色のモンク・ミュージック集。バリエーション豊かなトリビュートアルバムを次々に世に送り出して一躍有名になった音楽プロデューサーのハル・ウィルナーがプロデュース。最初の作品である1981年の「Amarcord Nino Rota: Interpretations of Nino Rota’s Music From the Films of Federico Fellini」(ニノ・ロータ作品集)、2作目の本作、そして3作目の1985年「Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill」(クルト・ヴァイル作品集)と、そのどれもが、トリビュート対象への深い造詣と、ジャンル混合的、メジャーからマイナー、カルトまでの豊富な人選による多面的な分析と新たな価値の再構築で満たされており、何度聴いても聴き飽きることがない素晴らしい作品です。その後もディズニーソング、チャールズ・ミンガス、ハロルド・アーレン、チャーリー・パーカー、レナード・コーエンと、バラエティに富む対象へのトリビュートアルバムを精力的に発表し続けています。ジャズ系、ロック系、フュージョン系、アヴァンギャルド系などを絶妙に配置して、全体的に飽きがこない作りになっています。どんなアレンジを施されようと、どんな演奏をされようと、全体から醸し出される強烈なモンク臭。それが逆に、モンクの楽曲の持つ強烈な個性を際立たせているという、モンクトリビュートの異色作です。
「Round Midnight」Joe Jackson
「Reflections」Steve Khan & Donald Fagen
「Work」Chris Spedding & Peter Frampton
「Four in one」Todd Rundgren & Gary Windo
Wynton Marsalis Think Of One [CD]
「シンク・オブ・ワン」は、ジャズ・トランペット奏者、ウィントン・マルサリスが83年にリリースしたリーダー作としては2枚目のアルバム。グラミー賞最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞、ソリスト部門を受賞している。アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを脱退して間もない頃、ウィントン・マルサリスは、同じくブレイキーの群れから出た兄弟ブランフォードと組んで、素晴らしいレコーディングを敢行した。この2人の兄弟のコンビネーションは音楽界で大きな話題を呼び、彼の最高傑作として話題を呼んだ、80年代初頭のヤング・ライオンズ・ムーヴメントのメインストリーム・ジャズの中でも、最も堅実なものの一つである。オープニング曲「Knozz-Moe-King」は、ウィントン・マルサリスのオリジナルで、スーパーチャージャー付きのバップが煽り立てられている。「My Ideal」は1930年代のスタンダードで、スタンダードの曲をウィントン・マルサリスなりのジャズを追究する姿勢が表れた演奏の曲。ジャズ界の巨人セロニアス・モンクの曲「Think Of One」をオリジナル・バージョン以上に個性的な演奏に仕上げている、その素晴らしい解釈は、曲の持つ構造を理解し巧みに活用し個性的なプレイを展開している。アルバム最後の曲「Melancholia」は尊敬するデューク・エリントンの曲、テーマのみの演奏だが、強い余韻を残す演奏となった。
「Knozz-Moe-King」
「My Ideal」
「Think Of One」
「Melancholia」
Steps Paradox [CD]
79年にヴィブラフォン奏者のマイク・マイニエリがニューヨークで結成したステップス、結成時のメンバーはマイケル・ブレッカー(sax) マイク・マイニエリ(vib) ドン・グロルニック(key) エディ・ゴメス(b) スティーヴ・ガット(ds)だったが、このアルバムからドラマーが変わり、ウエザー・リポートのドラマーだったピーター・アースキンに変わり、さらなる変化を求めた作品となった。ピーター・アースキンもこの頃に拠点をロサンゼルスからニューヨークに移行し、ジャズ・ドラマーとしての向上をはかりたいと思っていた時で、ステップスの参加はピッタリとハマっていた。サード・アルバム「パラドックス」は81年の9月17日から20日かけて、彼らのホームグラウンドであるニューヨクのセヴンス・アヴェニュー・サウスでのライブを録音したもので、特にピーター・アースキンはスティーヴ・ガットとは違ったリズムを叩きだし、ステップスに新たなサウンドを創り出している。そして ステップスならではのアグレッシブなアコースティック・ジャズを展開している。その後ステップスはステップス・アヘッドとグループ名を変え、全米デビューを果たし、アルバムごとにサウンドやメンバーを変えながら活動をしていく。初期の頃のアコースティックなサウンドは貴重な物で、アコースティック・ジャズという形態で新しいジャズを創造し、80年代以降にコンテンポラリー・ジャズの胎動がここから始まっている。
「N L 4」
「Patch of Blue」
「Take A Walk」
Don Grolnick Medianoche [CD]
ジャズ・ピアニスト、作曲家、音楽プロデューサーのドン・グロルニックは大学在学中にマイケル・ブレッカーに出会い、このことは彼の人生において大きな影響を与えられることになる。その後ニューコークに活動場を移し、少し前に紹介したブレッカー・ブラザースの元となったドリームスの一員となり、その後はニューコークのセッション・ミュージシャンとして活躍、ロバータ・フラック、リンダ・ロンシュタット、カーリー・サイモン、J.D.サウザー、などのポップス・シンガーやマイケル・フランクス、スティーリー・ダンなどのジャズ・フレイバーのあるアーティストなどたくさんのアルバムのレコーディングに参加、特にジェームス・テイラーとは74年から21年間ドン・グロルニックが亡くなる直前までコラボレーションが続き、90年代からはジェームス・テイラーのアルバムのプロデューサーを務めていて、音楽的に深く結びついている。本作「メディアノーチェ」はドン・グロルニックの4枚目のアルバムで、95年にリリースされた。ラテン・ジャズ・プロジェクトのアルバムで、アンドリュー・ヒルの「Catta」、ウェイン・ショーターの「Water Babies」、チック・コリアの「Oran」などのジャズ素材の曲を巧みにアレンジし本物のラテン・ジャズとなったアルバムで、他の4曲も強力なドン・グロルニック・オリジナルも収録されています。テナーにマイケル・ブレッカー、ヴァイブスにマイク・マイニエリ、フルートにデイヴ・ヴァレンティン、ベースにアンディ・ゴンザレス、パーカッションにドン・エイリアス、スティーヴ・ベリオス、ミルトン・カルドナというメンバーで、ラテンとポスト・バップのハイブリッドのサウンドは素晴らしいく、パーカッションを多用し、フルートとテナーサックスのコンビネーションでカラフルなサウンドが心地良く、楽しいものとなっている。
「Catta」
「Water Babies」
「If Ever I Should Leave You」
「Night Song」
Chick Corea The Mad Hatter [CD]
「マッド・ハッター」は、チック・コリアの11枚目のアルバムで、絶頂期であったリターン・トゥ・フォーエバーを解散し、その直後の78年にリリースされた。このアルバムは、リターン・トゥ・フォーエバーに飽き足らなくなっていたチック・コリアが作り上げた最高傑作と言われたアルバムです。ルイス・キャロルの1865年の小説「不思議の国のアリス」にインスパイアされたコンセプトアルバムで、収録曲のタイトルが示す通り、全曲が「不思議の国のアリス」をテーマとしている。中でも特筆すべきが「Humpty Dumpty」「Dear Alice」、そして「The Mad Hatter Rhapsody)」の3曲で、「Humpty Dumpty」は「不思議の国のアリス」に登場するタマゴのキャラクターで、英語でずんぐりむっくりな人といった意味があるらしいが、スティーヴ・ガッドとエディ・ゴメスのリズム隊が複雑な転調の4ビートを演奏する楽曲で、現在も多くのジャズメンによって好まれ演奏されている。「Dear Alice」は、はチック・コリアのファンタジー感覚が絶頂に達した名演で、チック・コリア夫人でもあるゲイル・モランのヴォーカルが素晴らしく、ここぞのタイミングで絡んでくるストリングス隊やブラス隊も抜群です。「The Mad Hatter Rhapsody)」はゲスト参加したハービー・ハンコックがフェンダーのローズ・ピアノを弾き、チック・コリアらしい複雑に創られたテーマに続いて、当時大流行していたアナログシンセであるミニ・ムーグを演奏するチック・コリアの圧巻のソロと、ローズ・ピアノを演奏するハービー・ハンコックの怒涛のソロが入れ替わり展開される曲です。本作はチック・コリアにしか表現し得ない最高の音楽が展開されているアルバムです。
「Falling Alice」
「Humpty Dumpty」
「The Mad Hatter Rhapsody」
Digital III At Montreux Ella Fitzgerald , Count Basie , Joe Pass [CD]
Digital III at Montreuxは、エラ・フィッツジェラルド(vo)、カウント・ベイシー(p)、ニール・ペデルセン(b)、ジョー・パス(g)、レイ・ブラウン(tp)らの演奏による79年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでデジタル録音したライブ・アルバムである。モントルー・ジャズ・フェスティバルでフィッツジェラルドをフィーチャーした4枚のアルバムのうちの1枚で、エラ・フィッツジェラルドがモントルーでリリースした3枚目のアルバムである。この年のエラ・フィッツジェラルドのモントルー公演の残りは、79年のアルバム「A Perfect Match」に収録されている。エラ・フィッツジェラルド、ギタリストのジョー・パス、カウント・ベイシー・オーケストラによるジョイントとセパレートの演奏を収録している。このアルバムでのエラ・フィッツジェラルドのパフォーマンスは、82年のグラミー賞で最優秀ジャズ・ヴォーカル・パフォーマンス賞(女性部門)を受賞している。当時まだデジタル・レコーディングが目新しい時代だっため、今からしたら時代遅れのアルバム・タイトルが付けられている。
「Flying Home」
「I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You」
「I Cover The Waterfront」
「Oleo」
Arthur Blythe Illusions [CD]
アルバム「イリュージョン」はジャズ・サックス奏者アーサー・ブライスが80年にニューヨークで録音した3枚目のアルバム。当時40歳だった黒人アルト奏者でキャノンボール・アダレイのような大男でアルト・サックスが小さく見えてしまう人で、なによりサックスらしさを前に出し、、アルトらしからぬ太くて豪快な音を出し、これだけ楽器を鳴らすことが出来れば、それだけでも十分堪能できるミュージシャンでした。このアルバムでは、ピアニストのジョン・ヒックス、ベーシストのフレッド・ホプキンス、ドラマーのスティーヴ・マッコールによるカルテットと、ギタリストのジェームズ・ブラッド・ウルマー、チェロ奏者のアブドゥル・ワドゥッド、チューバ奏者のボブ・スチュワート、ドラマーのボビー・バトルによるよりエキセントリックなユニットの2つの異なるグループから構成されていて、アーサー・ブライス独特なオリジナル曲の6曲で最高の形で聴く事が出来ます。アルバムに収録されているファンク・チューンの「Bush Baby」は、ブラック・コンテンポラリーらしさの極みだし、「My Son Ra」のチェロとの絡みはヨーロッパ音楽との融合ともいえるものでした。伝統音楽を現代的感覚で再構築しようとするアーサー・ブライスの考えを聴く事が出来るアルバムでした。
「Bush Baby」
「My Son Ra」
「Miss Nancy」
「As of Yet」
Scott Hamilton No Bass Hit [CD]
サックス奏者スコット・ハミルトンは、77年に初のリーダー・アルバムを出し、ジャズ界に彗星のように現れて、あっという間にコンコード・ジャズ・オールスターズの中心メンバーとして活躍、短期間の間に物凄い数のリーダー・アルバムを吹き込みました。79年にリリースした「ノー・ベース・ヒット」はベースレス・トリオで、メンバーはデイヴ・マッケンナ(p)ジェイク・ハナ(dr)というちょっと変わった編成によるバラード・アルバムとなりました。曲目は、ガーシュイン、ポターなどのスタンダードを収録、美しく素晴らしいスタンダード集となりました。ジャケットも久しぶりにコンコードらしい秀逸ものとなりました。
ちなみに、彼の長男、オカモトショウは、日本のロック・バンド、OKAMOTO'Sのボーカリストです。
「But Not For Me」
「Easy To Love」
「I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter」
「Long Ago And Far Away」
Kool & The Gang Something Special [CD]

SOMETHING SPECIAL: EXPANDED EDITION
- アーティスト: KOOL & THE GANG
- 出版社/メーカー: BBR
- 発売日: 2013/12/05
- メディア: CD
「サムシング・スペシャル」は、81年にリリースされた、クール&ザ・ギャングの13枚目のスタジオ・アルバム。このアルバムは、グループにとって3年連続でプラチナ認定を受けたアルバムである。79年にジェームス・"JT"・テイラーが加入し、79年に「レディーズ・ナイト」80年に「セレブレーション」そして本作と、エウミール・デオダートによるプロデュース&アレンジを起用し、クール&ザ・ギャングが絶頂期を迎えたアルバムとなった(初期の頃のサウンドが好きな人はチョットと思うかもしれない)。「Take My Heart」はR&Bチャートで1位、ポップチャートで17位を記録した。「Get Down on It」はR&Bチャートで4位、ポップ・チャートで10位を記録した。さらに「Steppin' Out」はR&Bチャートで12位、ポップ・チャートで89位を記録した。ニュージャージー・ファンクの典型だったグループに、シンプルで緻密度の高いサウンド作りを持ち込んだのはエウミール・デオダートで、ジェームス・"JT"・テイラーが加入したことで彼をフューチャーし、モダンなヴォーカル・アレンジを可能にしたことによってクール&ザ・ギャングの新たな方向性を見出している。
「Steppin' Out」
「 Take My Heart」
「Get Down On It」
「Pass It On」
Lipps inc Mouth to Mouth [CD]
ミネソタ州ミネアポリスにて、マルチ・インストゥルメンタル・プレーヤーとして活動し、オクトーバー・レコード・レーベルの設立者でもあるスティーヴン・グリーンバーグが、ミネアポリスでスタジオ・ミュージシャンをしていた黒人女性歌手でサクソフォーン奏者のシンシア・ジョンソンと共に結成し、そこにミネアポリスのセッション・ギタリストのデヴィッド・リヴキンが加わってデビューを果たしたのがリップス・インクで、デビュー・アルバム「Mouth to Mouth」は80年にリリースされた。リップス・インクとは、英語で「口パク」を意味している。このアルバムは、主にスティーヴン・グリーンバーグが編曲、プロデュース、作曲を担当し、彼はアルバムで複数の楽器を演奏している。このアルバムに収録されている「ファンキータウン」が2枚目のシングルとしてカットされ、これが全米ダンスシングルチャートで急上昇し、全米シングルチャートで1位を記録する大ヒットとなった。
「Funkytown」
「All Night Dancing」
「Power」
「Rock It」