Daryl Hall & John Oates War Babies [CD]
ダリル・ホール&ジョン・オーツによる3作目のアルバム「ウォー・ベイビーズ」は74年にリリースされた。プロデューサーに鬼才トッド・ラングレンを迎えて制作された。前作までアリフ・マーディンがプロデゥースをし、フィラデルフィア・ソウルを前面に出しアコースティックの質感とブルー・アイド・ソウルを足したようなアルバムを作り上げたが、「ウォー・ベイビーズ」はロック寄りに舵を取り、さらにトッド・ラングレンとダリル・ホールの前衛性が強すぎたため、史上最も人気のないホール&オーツのアルバムとなってしまいます(トッド・ラングレンのリード・ギターもたくさん聴く事が出来ます)。そしてホール&オーツがアトランティックレコードを去ることにつながりました.。しかし後のホール&オーツの作品にこのアルバムが残した影響は多いと言えます。その後もトッド・ラングレンとダリル・ホールは親しい友人であり続けており、音楽のコラボレーションを続けています。
「Is It a Star」
「You're Much Too Soon」
「Better Watch Your Back」
「Johnny Gore and the "C" Eaters」
おまけでトッド・ラングレンとダリル・ホールのコラボレーションで「It Wouldn't Have Made Any Difference」昔から思っていたのですが二人のヴォーカルよく似ているですよね。
The Beach Boys Surf's Up [CD]
「サーフズ・アップ」は、71年にリリースされたザ・ビーチ・ボーイズのアルバム。タイトルは幻となったアルバム「スマイル」の中核をなす予定であった収録曲「サーフズ・アップ」から付けられた。60年代終盤から人気が低迷し始めたビーチ・ボーイズ、70年代に入り、ブライアン・ウィルソン、デニス・ウィルソン、ブルース・ジョンストンの成長がグループを支える事となる。そして「サーフズ・アップ」は70年代の新たなサーフィン・サウンドを世に披露し、それは複数のライティング・チームがそれぞれに多様性のある強力な素晴らしい作品で新たなビーチ・ボーイズ・サウンドの復活に貢献する。幻のスマイル・セッションが生み出した最高の成果のひとつとして、マイク・ラヴとアル・ジャーディンがオープニング曲を書き、カール・ウィルソンとジャック・ライリーは「Long Promised Road」を完成させ、ブルース・ジョンストンは名曲「Disney Girls」を書いた,、ブライアン・ウィルソンにしか作り得ないバラードの傑作「Til I Die」を書き、.タイトル曲の「サーフズ・アップ」はブライアン・ウイルソンとヴァン・ダイク・パークスとの共作でお披露目した。デニス・ウィルソンの役割がこの作品では減っているようだが、その理由は彼自身がソロの制作をしていたこと、そして、仲間内の争いを起こさないためでもあり、このアルバムがウィルソン兄弟だけの作品で埋め尽くされることを避けたのだ。
ヴォーカルとハーモニーの美しさは流石ザ・ビーチ・ボーイズです。
「Long Promised Road」、
「Disney Girls」
「Til I Die」
「Surf's Up」
Emitt Rhodes [CD]
カリフォルニアで育ったシンガー・ソングライター、エミット・ローズ。卓抜したメロディーセンスとサウンド・プロダクションから1人ビートルズと呼ばれ、アフター・ビートルズの代表的存在でした。ソロとして契約したダンヒル・レコードでの最初のアルバム「Emitt Rhodes」は70年にリリースされ、自宅スタジオでの多重録音を駆使してひとりでそのサウンドを作り上げました。アルバムは全米29位まで上昇しスマッシュ・ヒット。ポール・マッカートニーの遺伝子を持つポスト・ビートルとしての存在を鮮やかに印象付けたアルバムとなりました。ダンヒル・レコードからは71年の「Mirror」と73年の「Farewell to Paradise」をリリースしていましたが、毎年2作のアルバムを録音するという契約上の義務を果たしていないとして、レーベルはエミット・ローズを訴え、「Mirror」と「Farewell to Paradise」の売り上げも悪かった事もあり、その結果、彼はレコーディング・アーティストとしてのキャリアから身を引いてしまいます。
「 Somebody Made For Me」
「Lullaby」
「Fresh As A Daisy」
「Live Till You Die」
Pilot Second Flight [CD]
パイロットはスコットランドのロックグループで、73年にエジンバラでデビッド・ペイトンとビリー・ライオールによって結成されました。この二人はデビュー前のベイ・シティ・ローラーズに参加していたことでも知られています。そこにギタリストのイアン・ベアソンとドラマーのスチュワート・トッシュが加わり結成されたのがパイロットでした。セカンド・アルバム「セカンド・フライト」は75年にリリースされました。前作に続き、後期のビートルズやピンク・フロイドの「狂気」でエンジニアを務めていたアラン・パーソンズがプロデューサーを務め、彼のプロデュースは若さと技巧の両方で彼らの魅力を打ち出し、70年代のアフター・ビートルズと言われ、「ザ・ビートルズの遺伝子」を上手く受け継いでいて、ビートルズ直系の甘いメロディとハーモニー、エッジの効いたハード・ポップサウンドとなりました。核となって作っていたのはデヴィッド・パットンで、本作でも殆どが彼の作品です、特にポール・マッカートニーの影響が強くそのエッセンスを凝縮した作品でした。全英ナンバー・ワン・ヒットとなった「January」などを収録、そのポップなメロディはとことんキャッチーです。
「You're My No. 1」
「To You Alone」
「January」
「Call Me Round」
Elton John Honky Chateau [CD]
ホンキー・シャトー (50周年記念エディション)(SHM-CD)(2枚組)
- アーティスト: エルトン・ジョン
- 出版社/メーカー: Universal Music
- 発売日: 2023/03/24
- メディア: CD
「ホンキー・シャトー」は72年リリースされ、初の全米1位(5週連続)を獲得した、エルトン・ジョン黄金時代の幕開けを飾るアルバムとなった。初期の作品にあった文学青年的な雰囲気は薄くなり、ポップなアルバムとなり、彼の新たな時代を切り開きエルトン・ジョンをスーパースターにした作品となった。前作までのポール・バック・マスターによる陰影に富んだストリングスが姿を消した。エルトン・ジョンのロードバンドであるディー・マーレイ(ベース)、ナイジェル・オルソン(ドラム)、新メンバーのデイビー・ジョンストン(エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ヴァイオリン)をミュージシャンのコア・グループとしてフィーチャーした最初のスタジオ・アルバムでもある。意外なメンバーでは、その頃フランク・ザッパ・バンドにいたバイオリン奏者のジャン・リュック・ポンティやシンセシザーには、その後ジェネシスのプロデューサーとなるデイヴィッド・ヘンツェルなどが参加しているのも功を得ている。
アルバムが録音されたパリ郊外の住宅スタジオにちなんで名付けられた「ホンキー・シャトー」は、エルトンの音楽に新たなレベルのシンプルさとダイレクト感をもたらした。
「Honky Cat」
「Rocket Man」
「Salvation」
Cafe Jacques Round The Back [CD]
英国スコットランド出身の3人組、カフェ・ジャックスは、クリス・トムソン(g、vo)とピーター・ベイチ(key)によって73年に結成、その後、マイケル・オグドリー(ds)が加入。無国籍サウンドとモダン・ポップ・センスが絶妙にミクスチャーされた作風が特徴で、日本のムーンライダーズがお手本にしたとも言われている存在。ファースト・アルバム「ラウンド・ザ・バック」は77年にリリースされた。プロデュースはルパート・ハインで、キャラヴァンのジョン・G.・ペリーとジェフ・リチャードソンとジェネシス在籍時のフィル・コリンズがパーカッションで参加しています。いろんなスタイルの楽曲の数々は、まさに無国籍で、さらに英国人らしいアレンジはセンスが抜群で、このバンドの音楽性の高さを感じさせてくれます。スティーリー・ダン、リトル・フィート、さらに10CCなどの要素を含む英国ポップのおけるブリティッシュ・モダン・ロックの名盤です。しかし、セールスは悪く、ルパート・ハインもフィル・コリンズもこれが売れないのは不思議がっていたそうだが、パンク全盛期のイギリスでは受け入れられるのは難しかった。
「Sands Of Singapore」
「Farewell My Lovely」
「Eberehtel」
「None Of Your Business」
「Lifeline」
Tuck and Patti Dream [CD]
タック&パティはヴォーカルのパティと、ギターのタックの夫婦デュオです。正規の音楽教育を受け、スタジオミュージシャンとして活動していたタックのタッピング奏法を効果的に使ったギターとパティの温かみのあるヴォーカルによるデュオで、83年に結婚した2人は、87年に「ティアーズ・オブ・ジョイ」を録音し、デビューします。タック&パティの3枚目のアルバム「Dream」は91年にリリースされました。2人だけで作られる世界の、なんと変化に富んでいることか、様々なジャンルの曲を取り上げては、その曲の魂をとらえて、それを聞き手に優しく届けてくれる、3作目になる本作は、それがさらに上手くなっている。パティ作曲の「Dream」を始めオリジナル曲を3曲収録、ジミークリフの「Sitting In Limbo」のカヴァー、スティーヴィーワンダーの名曲「I Wish」でのタックのタッピング奏法には驚かされました。その他、バーンスタイン/ソンドハイム、J.B.レノア、ジャズアーティストのホレスシルバーなどの曲を収録。
聞こえるのはタックのギターとパティの声だけで、2つの素晴らしい楽器が最大限の可能性を探求しています。
「Dream」
「Togetherness」
「I Wish」
「Sitting In Limbo」
Randy Crawford Raw Silk [CD]
クルセイダースと共演した「ストリート・ライフ」のヒットで一躍有名になった、女性シンガー、ランディ・クロフォードのサード・アルバム「Raw Silk(絹の響き)」は79年にリリースされた。前2作は内容の素晴らしさが反映されず、セールス的にはパッとしなかったが、本作はR&B63位、ジャズ35位とチャート・インを果たし、知名度を着実に上げたアルバムとなった。プロデゥースはステファン・ゴールドマン、彼は60年代からフレイミングルーブス、ロジャー・カラウェイなど渋めのプロデュースをし、70年代はブラジルの名サックス奏者ジョン・クレイマーをアルバムを数枚手掛け、80年代はヴァン・ダイク・パークスの「ジャンプ」もプロデュースをしている。誰もが知っているヒット曲を生み出してはいないが、良質の作品を堅実に生みだしている。本作は、ほとんどがカヴァー曲で構成されているのだが、その選曲はステファン・ゴールドマンによるものなのか派手ではないがランディ・クロフォードの歌声に見事にマッチさせている。やはり良質の作品のアルバムである。
「I Stand Accused」R&Bシンガー、ジェリー・バトラーが64年にヒットさせた曲のカヴァー。
「Declaration of Love」伝説的なニューオーリンズのプロデューサーであるアレン・トゥーサンの曲で、彼の78年のアルバム「モーション」に収録されている。
「I Hope You'll Be Very Unhappy Without Me」AORのシンガー・ソングライター、ビル・ラバウンティの作品で、彼のファースト・アルバム及びセカンド・アルバムに収録されている。
「Just to Keep You Satisfied」マーヴィン・ゲイの名作「レッツ・ゲット・イット・オン」に収録されている。
The Brothers Johnson Winners [CD]
ブラザーズ・ジョンソンがクインシー・ジョーンズの元を離れてセルフ・プロデュースで新たなる可能性にチャレンジしたアルバム「ウイナーズ」は81年にリリースされた。「ストンプ」の大ヒットを生んだ「ライト・アップ・ザ・ナイト」から1年半、いよいよジョージとルイスのジョンソン兄弟自身プロデゥースによる意欲作が誕生した。グレッグ・フィリンゲインズ (key)デヴィッド・ペイチ(key)スティーヴ・ポーカロ(key)スティーヴ・ルカサー(g)ジョン・ロビンソン(dr)ジェフ・ポーカロ(dr)ジェリー・ブラウン (dr)パウリーニョダコスタ(per)アーニーワッツ(sax)ジェリー・ヘイ(tp)などTOTOを中心とした超豪華なミュージシャン達か参加、当然のことAOR色の強くなった本作は、AORファンへのアプローチには成功したもののソウル・ファンからは評価は得られず、決して成功を収めたアルバムとは言えないものの、その後、80's~AORの人気再燃で再び注目が集まる。「ストンプ」の大ヒットの路線から新たなブラック・ミュージックを模索し挑戦し続けるするブラザーズ・ジョンソンの魅力を感じてほしい。
「The Real Thing」
「Sun Light」
「In the Way」
「Daydreamer's Dream」ルイス・ジョンソンの当時の妻ヴァレリー・ジョンソンがボーカルを取っている。
Eric Gale Touch Of Silk [CD]
マイケル・ジャクソン、アレサ・フランクリン、ビリー・ジョエル、ダイアナ・ロス、ロバータ・フラック、などの作品に参加し、スタッフのギタリストであるエリック・ゲイル、80年に伝説的なニューオーリンズのプロデューサーであるアレン・トゥーサンと一緒に、ソロ・5枚目のアルバム「Touch Of Silk」を作りました、それは、よりファンキーで、よりブルージーなアルバムで、アレン・トゥーサンが大半の作曲を担当し、全曲のアレンジを担当した楽曲は、ブルーのソウルジャズから、甘くて私室にぴったりの都会的なスタイルのタイトルトラックの曲まで多岐にわたりました。ラルフ・マクドナルドやボブ・ジェームスなど作品ごとにプロデューサーを代えた、エリック・ゲイルのアルバムは本質的なプレイは何も変わらず、軽快で噛み付くグルーブに満ちており、その凄さは変わる事がなく、その存在感は抜け出ていました。南部風味あふれる泥臭い歌心とギターの響きが、よりシンプルに表現されている本作は、特にチャーリー・パーカー作曲でアルト・サックス奏者アーサー・ブライスと組んだチャーリー・パーカーのカヴァー曲「Au Private」での彼のプレイがずば抜けています、ビ・バップが自己の音楽ルーツと語る、エリック・ゲイルのストレートな演奏が実に素晴らしい。職人ギター奏者エリック・ゲイルの技のすべてが味わえるといっても過言ではない内容のアルバムでした。
「Touch Of Silk」作曲:アレン・トゥーサン
「With You I'm Born Again」シリータ・ライト&ビリー・プレストンのデュエットで有名な曲。
「Au Private」作曲:チャーリー・パーカー
「Live To Love」作曲:アレン・トゥーサン