大野方栄 Masae A La Mode [CD]
大野 方栄(おおの まさえ)は77年に前田憲男とティンパン・アレーのバンドでバック・コーラスを務め、それからCMソングを歌うようになり、代表作にはニッスイのちくわ、ムーニー(紙おむつ)、すかいらーく、伊勢丹テーマソングなど、800曲以上のCMソングを歌っている。83年にデビューアルバム「Masae A La Mode」をリリース。アルバムのプロデューサーはユーミンのデビューからの数枚でディレクターとして音楽的完成度に多大な貢献をした有賀恒夫、バックは鳥山雄司、佐藤博など、また当時同じくアルファレコードに所属していたカシオペアの4人がバック・アップし参加したのも話題となった。かの赤塚不二夫をして「ニヤロメ!大野方栄は超Aランク級の天才だよ!」と言わしめ、林真理子、大野雄二も賞賛のコメントを寄せていた。ジャズ、フュージョン、ブラジリアン、クラシックの楽曲から選曲された曲のセンスとアレンジも面白く、大野 方栄の個性に合ったものだった、その楽曲の上で自由自在に弾ける大野 方栄のヴォーカルも見事だった。
「Eccentric Person, Come Back To Me」ブロードウェイのオペレッタ/ミュージカル「ニュー・ムーン」のために、シグマンド・ロンバーグ作曲、オスカー・ハマースタイン2世作詞により制作された曲。
「さよならの風景(INVITATIONS)」シャカタクの「インヴィテイションズ」のカヴァー。
「人魚とサファイア」チャイコフスキー作曲のバレエ組曲『くるみ割り人形』第7曲「葦笛の踊り」および第8曲「花のワルツ」をモチーフにした楽曲。
Sadistic Mika Band [CD]
サディスティック・ミカ・バンドは71年、元ザ・フォーク・クルセダーズの加藤和彦、妻の加藤ミカ、角田ひろ(つのだ☆ひろ)のメンバーで結成され、そこに高中正義(リードギター)が加入し、72年にシングル「サイクリング・ブギ」でデビュー。その後まもなくして角田が自らのバンドを結成する為に脱退する、ドラマーとして高橋幸宏が参加、高橋に誘われる形で小原礼がメンバーとなる。バンド名の由来であるが、ジョン・レノンが結成していた「プラスティック・オノ・バンド」をもじったもので、また、ボーカルのミカの包丁使いがあまりにサディスティックだったことに由来する。日本のロックが創成期の頃に加藤和彦はロンドンのグラムロックを口では説明できない部分があったので、メンバーを連れて1ヶ月ぐらいロンドンに遊んできてから作られたのがこのファースト・アルバム「Sadistic Mika Band」で、ブライアン・フェリーともこの頃に偶然知り合いお互いに気に入り友人になった。当然ながらグラム・ロックが盛んだった頃のロンドン志向のサウンドになり、血気盛んで若々しさで突っ走っている演奏となり、ミカ・バンドのアルバムの中でも、カラフルでポップで派手で楽しいロックンロールなアルバムでもある。
「ダンス・ハ・スンダ 」
「快傑シルバーチャイルド」
「シトロンガール」
「ピクニック・ブギ」
Roxy Music Avalon [CD]
ロキシー・ミュージック は、71年にデビューしたイギリスのロック・グループで、ブライアン・フェリーの個性的なボーカルを中心に、革新的なサウンドを作るブライアン・イーノやギターの名手フィル・マンザネラなどがいたバンドでグラム・ロックやアート・ロックと言われ、70年代にイギリスでデヴィッド・ボウイのライバルと言われるバンドでした。日本でもサディスティック・ミカ・バンドがイギリスのツアーで前座を務めた事で注目され、特にファション業界を中心に高い人気がありました。不思議なことにイギリスでは人気がありましたが、アメリカではなぜが人気が出ませんでした、その後解散し78年に再結成、オリジナル・メンバーはいなくなりましたが、82年にリリースされた第8作目のアルバム「Avalon」がアメリカでも大ヒットします、その時の全米ツアーでは前座がキング・クリムゾンだったことからも人気があった事がわかります。残念ながらロキシー・ミュージックとしては本作が最後のオリジナル作品となります。全曲ブライアン・フェリーが作曲し、アーサー王が死後に赴いたとされる伝説の極楽島「アヴァロン」をモチーフに、ブライアン・フェリーの美学が最高点に到達したアルバムです。
「Avalon」
「The Space Between」
「More Than This」
「The Main Thing」
Talking Heads Remain in Light [CD]
「Remain in Light」は80年にリリースされたトーキング・ヘッズの4枚目のスタジオ・アルバムで、ブライアン・イーノがプロデュースする最後のアルバムでした。初期はニュー・ウェイヴ、ニューヨーク・パンク・バンドとされていたが、ボーカルのデヴィッド・バーンがアフロ・リズムに傾倒し、それを大胆に楽曲に取り入れるようになると、ポスト・パンクと言われるようになり、さらにブライアン・イーノをプロデューサーに迎えると、バンドは楽曲の中でよりリズム感やグルーヴ感を追求するようになりバンドはようやく一般的な認知度を得ることになります。「Remain in Light」のアルバムは、エイドリアン・ブリューやジョン・ハッセルなどをサポートに迎え、楽曲製作では実験的に「インプロヴィゼーション」の要素を取り入れ成功しヒット、トーキング・ヘッズはその評価を確固たるものにします。デヴィッド・バーンの都会的な神経症を連想させるボーカルとライブ・パフォーマンスは独特なものでした。「ワンス・イン・ア・ライフタイム」や「ロード・トゥ・ノーウェアー」のミュージック・ビデオなどの映像作品の評価も高いのも特徴でした。
「Once In A Lifetime」トーキング・ヘッズを代表するヒット曲、映像作品の評価も高い。
「Born Under Punches (The Heat Goes On)」
「Crosseyed and Painless」
おまけで昨年、デヴィッド・バーンと映画監督のスパイク・リーが作ったミュージカル映画「アメリカン・ユートピア」からトーキング・ヘッズの人気ナンバー「Once In A Lifetime」の映像、何もない舞台から始まるところはデヴィッド・バーンならでは演出で40年以上前の作品をさらに素晴らしい物にしている。
Faragher Brothers [CD]
ファラガー・ブラザーズの76年にリリースしたデビュー・アルバム「Faragher Brothers」。今もプロデューサーとして活躍するトミー・ファラガーを中心とした4兄弟で、60年代と70年代のソウル・ミュージックをのエッセンスを取り入れ、そこにロサンゼルスならではの都会的なセンスを加え、当時のブルー・アイド・ソウルのお手本のような内容。プロデューサーはヴィニー・ポンシアでメリサ・マンチェスターの一連の作品を手掛けたほか、リンゴ・スター、スキャンダル、キッス、ピーター・クリス、リンダ・カーターなどを手がけた。ファラガー・ブラザーズはソウルトレインに出演した最初のオールホワイトバンドで、またキッス、メリッサ・マンチェスター、ピーター・クリス、リンゴ・スター、ランディ・エーデルマン、リンダ・カーターなどの数多くの曲のバッキング・ボーカルも務めている。カーティス・メイフィールドの「It's Alright」以外は彼らのオリジナルで、曲作りの中心はジミー・ファラガーとトミー・ファラガーでリード・ヴォーカルも二人で分担している。
「The Best Years Of My Life」
「It's Alright」
「Never Felt Love Before」
「You Touched Me」
Paul Simon You're The One [CD]
2000年にリリースされたポール・サイモンの10枚目のソロ・アルバム「You're The One」。10年ぶりの新作で、2001年にグラミー賞アルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされ、サイモンは50年連続でこの部門にノミネートされた最初のアーティストとなった。ソロ・ミュージシャンとなってからはフォルクローレのようなラテン、レゲエ、またアフリカ音楽など第三世界の音楽を早い段階から積極的に取り入れ、素晴らしい音楽の世界を聴かせてくれた。90年代はブロードウェイ・ミュージカルに進出し「ケープマン (The Capeman)」は短期間の上演となったものの、そのキャストアルバムは批評家の間では高い評価を受けている。2000年代に入り、その歌声は淡々としていて、言葉やメロディーを紡ぎあげた音楽は落ち着ていて、以前ほどのインパクトは無いがポール・サイモンの心を映し出しているようだ、アルバムとしても過去の成果を積み上げている事を改めて感じさせてくれるもので、彼の作品は幾ら聴き続けてても飽きる事がないと感じるアルバムである。
「That's Where I Belong」
「You're The One」
「Old」
「Look at That」
Donny Hathaway In Performance [CD]
70年代初頭にマーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドらと共に「ニュー・ソウル」と呼ばれ、新世代の黒人アーティストとして脚光を浴びたダニー・ハサウェイ、79年にニューヨークのエセックス・ホテルから謎の転落死をし、一年後に遺作としてライブ・アルバムが生々しくリリースされたのがこの「In Performance」、バックのメンバーもコーネル・デュプリー、フィル・アップチャーチ(g)リチャード・ティー(Key)ウィリー・ウィークス(b)など一流どころで、ダニー・ハサウェイの名盤「ライブ」にも引けを取らないライブ・パフォーマンスを聴けるとは思わなかった、アルバムの聴きどころの一つレオン・ラッセルの名曲「A Song for You」も素晴らしいが、未発表曲の「We Need You Right Now」「Nu-Po」「Sack Full of Dreams」が聴けたのが嬉しかった、インストの「Nu-Po」ではダニー・ハサウェイのキーボード奏者としてのプレイも聴ける。アルバムとしては目新しい物ではなかったが、観客のかけ声がムードを高めててくれて、ライブの醍醐味を楽しまさせてくれるし、全く古さを感じさせないダニー・ハサウェイのライブ・アルバムです。
「A Song for You」
「We Need You Right Now」
「Nu-Po」
「Sack Full of Dreams」
Barbra Streisand Memory [CD]
バーブラ・スレイサンドのバラードを集めたベスト・アルバム。
このアルバムの為に新曲として「Memory」と「Comin'in And Out Of Your Life」が追加され、特にミュージカルで大きな成功を収めたイギリスの作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーがこのアルバムの為に書き下ろした「Memory」はこの後のミュージカル「Cat's」に使われて有名になる名曲、その他にもビリー・ジョエルの「New York State of Mind」のカヴァーやドナ・サマーとデュエットをした「No More Tears (Enough Is Enough)」などが入っている、一つ一つの曲に託された彼女の感情豊かで丁寧に歌いこむ歌が本当に素晴らしい。冬の寒い夜に温かい部屋で一人静かに聴くといいアルバムである。
「Memory」色々な人のバージョンがあるがこれが原曲です。
「You Don't Bring Me Flowers Anymore」ニール・ダイアモンドとのデュエット。
「Comin'in And Out Of Your Life」アルバムからのシングル曲。
「Evergreen (Love Theme from A Star Is Born)」76年の映画「スター誕生」の主題歌。
「The Love Inside 」ビー・ジーズのバリー・ギブの曲。
「The Way We Were」73年の映画「追憶」の主題歌。
Sneaker [CD]
スニーカーはロサンゼルス出身のギターのティム・トーランス、ボーカルとギターのミッチ・クレーン、ボーカルとキーボードのマイケル・キャリー・シュナイダー、ドラムのマイク・ヒューズ、ベースギターのマイケル・コテージ、キーボード、シンセサイザー、バイブのジム・キングの6人のバンドで、全員がセッション・ミュージシャンとして豊かな経験を持つマルチ・プレイヤー達で、4人がソングライターでもある強力なバンドである、グループ名のスニーカーはスティーリー・ダンの曲「バッド・スニーカー」から取られたほどスティーリー・ダンの音楽の影響を受けている。彼らのデビュー・アルバム「Sneaker」は81年にリリースされ、アルバムにはデビッド・フォスターやポーリーニョ・ダ・コスタなどの一流ミュージシャン達も加わり、元スティーリー・ダンのメンバーでドゥービー・ブラザースのメンバーでもあるジェフ・バクスターがまとめ役のプロデューサーを務めているのだから悪いわけがない、「Don't Let Me In」以外はメンバー達の作曲、ドゥービー・ブラザースやスティーリー・ダンの好きな人にはオススメのアルバムである。
「Don't Let Me In」ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの曲
「More Than Just The Two Of Us」全米でもシングル・ヒットした美しい曲。
「Jaymes」
「No More Lonely Days」
Larry John McNally Cigarette and Smoke [CD]
シガレット・アンド・スモーク -COMPLETE EDITION- LARRY JOHN MCNALLY
- アーティスト: ラリー・ジョン・マクナリー LARRY JOHN MCNALLY
- 出版社/メーカー: CA VA? RECORDS / HAYABUSA LANDINGS
- 発売日: 2019/10/09
- メディア: CD
ラリー・ジョン・マクナリーは、ニューヨークを拠点に活動するミュージシャンで、デビュー・アルバム「Cigarette and Smoke」は81年にリリースされた。彼を世に送り出したのは、元フィフス・アヴェニュー・バンドのメンバーでアース・ウィンド&ファイアに曲を提供していたジョン・ハンドで、このアルバムのプロデューサーでもあり曲も提供している。ラリー・ジョン・マクナリーのソングライターとしての才能はチャカ・カーンの「Sleep On It」ロッド・スチュワートの「The Motown Song」イーグルスの「I Love to Watch a Woman Dance」エモーションズの「If I Only Knew Then」などの曲を提供している事でも証明済み、メジャーヒットは記録していないが、過去に曲を提供した(あるいは曲をカヴァーした)ミュージシャンには大御所も多く、いわゆるミュージシャンズミュージシャンでもある。本人はフォーク、ジャズ、ブルースなどの要素を取り入れた自身のスタイルを"フォーク・ヘンドリックス"と表現している。デビュー・アルバムに入った曲は彼のソングライターとしての才能を見事に表している、作る曲の渋さや粋な歌い方から 男リッキー・リー・ジョーンズと呼ばれることもあるそうだ。バック・アップしているミュージシャンもトム・スコット、バジー・フェイトン、バレリー・カーターなどの一流どころを集めていて、サウンド面でも貢献し、魅力的なものとなっている。
「Just Like Paradise」ディヴォンスクエアの87年のアルバム「Walking On Ice」でカヴァーされた。
「Real Good Thing」本作唯一のバラードで、女性シンガーのメイヴィス・ステイプルズが、79年のアルバム「Oh What A Feeling」において、この曲をカヴァーした。
「Sleep On It」チャカ・カーンのデビュー・アルバム「Chaka」に提供した曲のセルフ・カヴァー。ここでも、バジー・フェイトンのギターがクールで渋い。