The Meters Rejuvenation [CD]
「リジュベネーション」は、ニューオーリンズのファンクグループ、ザ・メーターズの5枚目のスタジオ・アルバム、74年にリリースされました。アレン・トゥーサンがプロデュースをし、ニューオーリンズにあるアレン・トゥーサンの真新しいシー・セイント・スタジオで録音され、いくつかの曲には、トゥーサンによるホーンセクションのアレンジが含まれています。全曲メンバー4人による連名の作曲となっていて、ロックの影響とハードエッジなファンクを導入し、ソウル・ファンよりもロック・リスナーに同意を得たアルバムとなり、全曲素晴らしい出来となりました。ダリル・イーズリーは、この音楽を「ファンクとスワンプ・ロックの融合」と呼び、このアルバムは「グルーヴに満ち、フックに富んだ、顔に映るファンクの縮図」であると述べています。「Africa」はレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアルバム「Freaky Styley」でカヴァーされている名曲です。
「Just Kissed My Baby」
「Love Is For Me」
「It Ain't No Use」
「Africa」
Labelle Nightbirds [CD]
ラベルはパティ・ラベルを中心にノーナ・ヘンドリックス、サラ・ダッシュから成る女性人トリオで、グループの最大のヒット曲である「レディ・マーマレード」が収録されたアルバム「ナイトバード」は74年にリリースされました。プロデューサーはニューオーリンズの巨匠アレン・トゥーサンにすべてを任され、フィラデルフィアのグループでありながらニューオリンズ色が随所にちりばめられていて、さらにミーターズの面々が担当したと言われている演奏と3人の歌声が一丸となって弾けている作品となった。黒人女性グループでは通常取り上げられないテーマを扱い、カルト的な人気を博し、グラム・ロックを適応させ、奇抜な宇宙時代とグラムの衣装を身にまとっていたグループでもありました。
「Lady Marmalade」
「What Can I Do For You?」
「Nightbird」
「You Turn Me On」
Allen Toussaint Life, Love And Faith [CD]
60年代から70年代にかけて数多くのアーティストのプロデュース、ピアニストとして、作曲、編曲を手がけ、ニューオーリンズのR&Bシーンを影から支えてきたアラン・トゥーサンの72年にリリースした「 ライフ・ラブ・アンド・フェイス」はニューオーリンズのR&Bに根ざしながらも、ハード・ファンクやスムース・ソウルも含むように、自分のサウンドを伸ばし、洗練させ、拡張した物だった。ソウル・アルバムではあるが、ランディ・ニューマン、ボニー・レイット、リトル・フィート、ジョニ・ミッチェルといったリプライズのシンガー・ソングライターの一員であるという感覚があった為か、70年代初頭にニューオーリンズから生まれたほとんどの音楽よりも、この作品のように感じられる視覚、ここでトゥーサンは、ニューオーリンズのR&Bサウンドとほぼ同じである彼の特徴的なサウンドのあらゆる順列を見つけたかのようだ。トゥーサンの家族の1人であるヴァンサン・トゥーサン、トゥーサンの関連グループであるメーターズのジョージ・ポーター・ジュニアとレオ・ノセンテッリを含む22人のミュージシャンがアルバムのレコーディングを手伝った。 このアルバムはトゥーサンの最高傑作の1つとされている。彼が関わったアーティストは、アーマ・トーマス、リー・ドーシー、アーニー・ケイドー、ミーターズ、ラベル、ポール・サイモン、ザ・バンドなど、広範囲に渡っている。
「Out Of The City Into Country Life 」
「Goin' Down」
「Victim Of The Darkness」
「She Once Belonged To Me」
The Doobie Brothers Stampede [CD]
「スタンピード」は、75年にリリースされた、ドゥービーブラザーズの5枚目のスタジオアルバム。カントリー・ロック、ファンク、フォーク・ミュージックだけでなく、古いサウンドの要素も組み合わせ、バンドのサウンドの要素をこれまで以上に多様化させていることを示した。このアルバムには、マリア・マルダー、ライ・クーダー、カーティス・メイフィールドなど、多くのゲスト・ミュージシャンが参加し、それぞれのアレンジは効果的でした。このアルバムからジェフ・"スカンク"・バクスター(g)をバンドの本格的なメンバーとしてフィーチャーし、このアルバムの前にはバンドと一緒にツアーを行っていた。この後、マイケル・マクドナルド加入し、ドゥービーブラザーズのあ音楽性は大きく変わっていきます。マイケル・マクドナルドがトム・ジョンストンに代わってリード・ヴォーカリスト兼メイン・ソングライターに就任する前のバンドの最後のアルバムとなった。
「Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While)」
「Slack Key Soquel Rag」
「Sweet Maxine」
「I Cheat the Hangman」
Robben Ford The Inside Story [CD]
ロベン・フォードは70年代の中盤にトム・スコットのL.A.エクスプレスに参加し注目され、79年に初のリダー・アルバム「The Inside Story(ギターに愛を)」をリリース、ジャズ・フュージョンのギタリストのトップに躍り出た、このアルバムに参加したバック・ミュージシャン達はラッセル・フェランテ(key)ジミー・ハスリップ(b)リッキー・ロウソン(ds,perc)トミーヴィグ(perc)スターズ・アンダー・ロケット(perc)アラン・ルービン(tp)トム・マローン(tb,bs)ルー・マリーニ(sax)マーク・フォード(harmonica)などで、後にイエロージャケッツを結成、ロベン・フォードも初期のレコーディングに参加している。プロデュースはブッカー・T&ザ・MG'sで知られるスティーヴ・クロッパーを依頼した、ブルージーに溢れ、それでいて切れ味の鋭いコンテンポラリーなサウンドに仕上がっている。この後ロベン・フォードが見出したのは、原点回帰で、ロベン・フォードのルーツであるブルースという音楽を追究していく。
「Magic Sam」
「North Carolina」
「Need Somebody」
「Tee Time For Eric」
The Crusaders Those Southern Knights [CD]
南から来た十字軍(Those Southern Knights) (クラシックCD付)
- アーティスト: The Crusaders(ザ・クルセイダーズ)
- 出版社/メーカー: 株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2020/10/28
- メディア: CD
「南から来た十字軍(Those Southern Knights)」は、ザ・クルセイダーズが76年にリリースしたアルバムで、前身のジャズ・クルセイダーズ時代から16枚目、ザ・クルセイダーズとしては9枚目のアルバムである。オリジナルメンバーでバンドリーダーだったウェイン・ヘンダーソン(tb)はこのアルバムを発表後、グループを脱退した。ウェイン・ヘンダーソン (tb)、ウィルトン・フェルダー (sax)、ジョー・サンプル (key)、スティックス・フーパー (ds)、ラリー・カールトン (g)、ロバート・ポップウェル (b)のメンバーによる演奏はザ・クルセイダーズのなかでも最強の布陣と言われている。そして各自の個性が最も生かされたアルバムとも言われている。特に「Spiral」はクルセイダースの代表曲で、ラリー・カールトンのソロはワイルドで洗練されたプレイは、素晴らしい出来である。ラスカルズから新しく加入したベースのロバート・ポップウェル とドラムのスティックス・フーパー との新しいリズム隊はファンキーさを増し、新しいグルーブをクルセイダースに巻き起こした。「Keep That Same Old Feeling」はロバート・ポップウェル を中心にヴォーカルを取った名曲で、音は典型的なクルセイダーズ・サウンドだが、少しのヴォーカルが入るだけで雰囲気が随分変わり、この曲からヴォーカルを迎えた曲を取るようになり、79年にランディ・クロフォードをフィーチャーした「Street Life」80年にビル・ウィザースをフィーチャーした「Soul Shadows」がヒットしている。ちなみにビル・ウィザースは同じ年にグローバー・ワシントン・ジュニアの「Just the Two of Us」も大ヒットさせている。
「Spiral」
「Keep That Same Old Feeling」
「My Mama Told Me So」
おまけで76年のモントルージャズフェスティバルからの映像で「Spiral」ウェイン・ヘンダーソン が抜けた後で残念ですが、当時のクルセイダースを勢いを感じられる事が出来る。
Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten [CD]
72年に「フル・ムーン」というアルバムをリリースした時のユニット名を再び、そのまま冠した、ニール・ラーセンとバジー・フェイトンによる3作目のアルバム「フルムーン」は82年にリリースされた。ラーセン・フェイトン・バンドはニール・ラーセン(key)バジー・フェイトン(g,vo)アルト・ロペス(ds)レニー・カストロ(per)ウィリー・ウィークス(b)の5人でで活動をスタートする。本作の収録曲は7曲で、インスト曲が2曲、残りはヴォーカル曲という構成。ブルースやロックを基調にしながら、ジャズやソウル、ポップといった要素を取り入れており、熟した味わいの曲が多い。バジー・フェイトンの乾いたギターにニール・ラーセンの軽やかなキーボードが絡む洒落たサウンドがAORやフュージョン・ファンの人気を集めた。本作も前作に続きトミー・リピューマがプロデュースをし、R&Bやブルー・アイド・ソウルをベースにした作品となっている。最後に「The Visitor」でのデビット・サンボーンのサックス・ソロには痺れました。
「Phantom Of The Footlights 」
「Sierra」
「Brown Eyes」
「The Visitor」
Will Lee Oh! [CD]
数々の名作・名演にジャンルを問わず参加する超一流ベーシストのウィル・リー、最初に聴いたのは山下達郎のファースト・アルバムの「Windy Lady」のカッコイイ・ベースラインだった、ほぼ同時期にブレッカー・ブラザース結成に召集される頃には売れっ子のベーシストなっていて、大好きなベーシストになっていた。日本で人気だった24丁目バンドではロック・バンドとしてベースとボーカルで活躍、ステージで見せるワイルドなパフォーマンスは素晴らしかった。ファーストソロ・アルバム「OH!」は93年にリリースされ、あまりに広範囲な音楽性を持っているゆえ、本当の自分を表現するタイミングがなく、あまりに遅いソロ・デビューのリリースとなった。ベン・シドランから誘われてファースト・アルバム「OH!」を完成させ、AOR系のヴォーカルを中心とした作品となり新たなウィル・リーの表現力を聴かせてもらった。ランディ・ブレッカ(tp)、ハイラム・ブロック(g)、チャーリー・ドレイトン(ds)、スティーヴ・ガッド(ds)、ドン・グロルニック(p)、クリス・パーカー(ds)、ジョン・トロペイ(g)などのニュヨークの仲間達が参加、何と言ってもジェフ・ベックの参加が話題になったアルバムでもあった、ウィル・リーの交友の広さを感じるものであった。「Driftin」でのジェフ・ベックのギターは素晴らしいです、ちょうど1年ほど前に亡くなりましたが、やはり素晴らしいギタリストでした。
「Maryanne」
「Georgy Porgy」
「Driftin」
The Brecker Brothers Don't Stop The Music [CD]
「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」は、ブレッカー・ブラザーズの3枚目のアルバム。77年にアリスタ・レコードからリリースされた。前作「バック・トゥ・バック」に続き、ヴォーカルを大きくフィーチャーしたアルバムだった。彼らのポップで新しい自由な演奏を支持したのはジャズ・ファンではなく、広い意味でのポップ・ファンだった。ニュー・ヨークの同じセッションの仲間のから出るエネルギッシュな音は、明らかにこの時代を代表する音楽であった。「Funky Sea, Funky Dew」は、マイケル・ブレッカーの素晴らしいテナー・ソロが特徴の、内省的で都会的なミッドテンポの作品で、ライブでも必ず演奏するブレッカー・ブラザースの影の名曲で、78年のグラミー賞で、アルバムは最優秀R&Bインストゥルメンタルパフォーマンスにノミネートされた曲です。ちなみに前回紹介したエアロスミスの初期のアルバム「飛べ!エアロスミス」やトッド・ラングレンの名盤「ハロー・イッツ・ミー」などの作品にホーン・セクションとして参加しています。
「Finger Lickin' Good」
「As Long As I've Got Your Love」
「Don't Stop The Music」
「Funky Sea, Funky Dew」
Aerosmith Draw The Line [CD]
「ドロー・ザ・ライン」は、77年ににリリースされた、エアロスミスの5枚目のスタジオアルバム。前作の名盤「ロック」と同様に、その後のヘヴィメタルなどに影響を及ぼし、挑むようなヴォーカルスタイルのスティーヴン・タイラーの絞り出すようなシャウトが炸裂し、ギタリストのジョー・ペリーを軸に据え、ジョーと共にツイン・ギターを勤めるブラッド・ウィットフォードのギター・サウンドの完成度は高く、ベーシストのトム・ハミルトンとドラマーのジョーイ・クレイマーの分厚いリズム隊も素晴らしい。その圧倒的な破裂しそうな凄みのあるレベルは変われないが、絶え間ないツアーとメンバー全員がドラッグの使用の間にレコーディングした為か、まとまりには欠けていたとギタリストのジョー・ペリーが後のインタビューでかたっている。発売後6週間足らずで100万枚以上を売り上げたが、ドラッグの使用の影響からバンドは徐々に衰退していき、80年代中盤に本格的に復活するまで時間を要してしまう。
ジャケットに使われたメンバーのドローイングは、1930年代からブロードウェイ・ミュージカルの戯画で有名だった、風刺画家のアルバート・ハーシュフェルドによるものである。
「Draw The Line」
「I Wanna Know Why」
「Get It Up」
「Sight For Sore Eyes」