Stuff [CD]
ゴードン・エドワーズが結成した「エンサイクロペディア・オブ・ソウル」のセッションで一緒にプレイしていいなと思ったプレイヤーを徐々に決めていった、最初にコーネル・デュプリーがメンバーになり次にリチャード・ティーという具合に、ドラムは一番良かったスティーブ・ガッドそうやって全パートがしっくりくるまでメンバーが変わり最終的にStuffができあがった、リーダーのゴードン・エドワーズ(b)、コーネル・デュプリー(g)、エリック・ゲイル(g)、リチャード・ティー(key)、スティーヴ・ガッド(ds)、クリストファー・パーカー(ds)の6人がメンバーになり、ドラマーとギタリストが2人ずついるのが特色だった。 バンド名はコーネル・デュプリーの奥さんがあんた達「スタッフ」と呼ばれてるじゃないと言ったことから決まった。R&Bやソウルのセッションから生み出された最高のグルーブ感を重視し、ヒューマンで温かみのある音、難解でなくニュー・ヨークのクラブでのジャムの延長した音作り、本人達が楽しそうに演奏するのが肌で感じられるのが、唯一無二のバンドStuffである。このファースト・アルバムのプロデュースはトミー・リピューマ、彼らは76年のモントルー・ジャズ祭に出演して絶賛され、その後の同年発表したこのファースト・アルバムも大いに話題となった。
「Foots」アルバムの一曲目、コーネル・デュプリーとエリック・ゲイルの2人がフューチャーされた曲。
「My Sweetness 」リチャード・ティーのメロウなローズ・ピアノがたまらない。
深町純&ニューヨーク・オールスターズ・ライヴ [CD]
1978年9月、後楽園ホール及び郵便貯金小ホールで行なわれた伝説のLIVEアルバム。参加ミュージシャンは深町純 (key), Randy Brecker (tp), David Sanborn (as), Michael Brecker (ts), Richard Tee (p), Steve Khan (el-g, ac-g), Anthony Jackson (el-b), Steve Gadd (ds), Mike Minieri (vib, per)。, Anthony Jackson (el-b), Steve Gadd (ds), Mike Minieri (vib, per)。もはや再現不可能な超豪華メンバーによる熱い演奏がこれでもかと繰り広げられる。来日して初日の中野サンプラザでこのバンドを見る事が出来た、Richard Tee (p),とSteve Gadd (ds),はStuffで、Anthony Jackson (el-b)はLee Ritenourのバンドでもう見ていたのだが、このメンバーだとどんな感じになるのだろうとワクワクしていた、各々のミュージシャンのソロ・アルバムに収録される代表曲的レパートリーで構成されて、緻密な演奏が聴けると思っていたが、Steve Gaddのライブならではのドラミングもあるが、思ったよりも若さ溢れる荒っぽい演奏で楽しめた、後で聞いた話では、初日でもあるしリハーサルがあまりできなかった為らしいが、熱いバトルを考えたライブ・アルバムとなっている。ずっと前に取り上げたマイク・マイニエリがリーダーの「Blue Montreux」のアルバムと比べると荒っぽさが解かると思う。
「Rocks」Randy Brecker (tp), David Sanborn (as), Michael Brecker (ts),の三人のホーンセクションのライブはこのアルバムでしか味わえない。
「Gypsy Jello」Richard Tee (p)の作曲、ピアノのタッチが強く、特に左手の低音のタッチが力強く、グランドピアノが少し揺れていたのを思い出す。
「Dance of Paranoia Op.2」深町純 (key)の作曲、ニュー・ヨークのミュージシャンから触発されて出来た曲、彼の貢献のおかげで、このライブが現実になる。
深町純 On The Move [CD]
キーボード&シンセサイザー奏者の鬼才、深町純がニュー・ヨークのミュージシャン達と歌のあるインストゥルメンタルの聴きやすい新しいアルバムを作ろうと、今までもブレッカー・ブラザースなどのニュー・ヨークのミュージシャン達とは、何枚かアルバム作っていたが、それらはかなり実験的色彩の強いものだった。ブレッカー・ブラザーズ、スタッフ、サンボーンにマイニエリらの存在をさらに日本に知らしめたアルバムで、この後に日本で行われるニュー・ヨーク・オール・スターズのライブに繋がるアルバム。
「Letters To New York」深町純の作曲、彼が一番やりたかった歌物で、これこそがニュー・ヨークのサウンド、歌物でのマイケル・ブレッカーのソロでこれが一番だと思う。
「YOU'RE SORRY」マイケル・ブレッカーの 名曲のバラード「I'm Sorry」のオマージュで深町が作った曲、マイケル・ブレッカーのソロ、マイク・マイニエリのソロが素晴らしい、後半の スティーブ・ガット の三拍子のドラミングに息をのむ。
「When I Got Your Wave "Pathetique"」深町純がベートーベンのピアノソナタ「悲愴」の第二楽章をアレンジしたもの。スティーブ・ガット からもこれをアメリカで出せばヒットしたのにと後で言われたと、深町純が言っている。
Mike Mainieri Love Play [CD]
マイク・マイニエリ、12歳よりヴィブラフォンを学び、14歳でプロ・デビューしている。バディ・リッチのオーケストラに参加し、知名度を得た。1961年度のダウンビート誌の批評家投票でヴィブラフォン部門の新人賞に選ばれる。キャリアのほとんどでニューヨークを中心に活動しており、60年代後半のアフターアワーセッションで、ありとあらゆるジャンルのセッションからニュー・ヨークでの新しい音楽への挑戦の中心にいた、(ジミヘンもこのセッションに参加したらしい)1977年に発表したリーダー作「ラヴ・プレイ」はデヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、スティーヴ・ガッド、デヴィッド・スピノザ、ウィル・リー等が参加しているが、ヴィブラフォンの楽器とマイク・マイニエリ自身の知名度が無く発売当時は話題にはあがらなかった、「深町純&ニューヨーク・オールスターズ/ライヴ」で大きなセンセーション呼んで、このアルバムが一躍注目を集め、豪華なメンバーの魅力を100%引き出した曲とアレンジとプロデューサーとしての才能とヴィブラフォン奏者のプレイの素晴らしさを多くの人に認められ、最もニュー・ヨークを感じられる名作アルバムと言われる事になる。
「Love Play」リマージュの時にも紹介したが、まだ若きマイク・マイニエリ、デヴィッド・スピノザ、スティーヴ・ガッド達のプレイを聴いてほしい。
「Sara Smile」ホール&オーツのヒット曲、デヴィッド・サンボーンにバラードの切ないメロディを持ったこの曲を吹かせたマイク・マイニエリのプロデュースの名曲。
「I'm Sorry」今度は、マイケル・ブレッカーにバラードを吹かせる、マイク・マエニエリに脱帽です。
Steve Khan Tightrope [CD]
スティーヴ・カーン、父親は シナトラの作品の作詞を手がけた サミー カーン、U.C.L.A.に在学中19歳でウエス・モンゴメリーに触発されてギターを始めた、それまでは、ドラマーだったという、卒業した後、ジャズに興味を持ち、ニューヨークに移住。メイナード・ファーガソンやバディ・リッチなどと共演しギタリストとして頭角を表わし、また有名な所ではビリー ジョエルのアルバムで「ストレンジャー」のギターも彼が弾いています、東海岸 ニューヨークを代表する個性的なギタリストとなっていきます。ファースト・アルバム「タイトロープ」は、彼が30歳の時の作品、やや遅咲きではあるが、プロデューサーのボブ・ジェームスによって秘めた可能性を引き出している、メンバーもほぼブレッカー・ブラザースの気心のしれたミュージシャンなので、ひと味違う彼のギターサウンドを引き出せる事に貢献している。
アルバムジャケットに ジャン ミッシェル フォロンを起用、子供の頃から好きな画家で、アルバムが出るたびにジャケットを見るのが楽しみでした。
「Tightrope (for Folon)」スティーヴ・カーンの作曲、重層的でありながら爽快感をもたらすアンサンブル、ギター・ソロも彼ならではのフレイジングとテレキャスターの音が際立っている。
「Darlin' Darlin' Baby (Sweet Tender, Love)」O'Jaysの大名曲のカヴァー、スティーヴ・カーンの都会的なギターとデビッド・サンボーンの泣きのサックスがたまらない。
The Brecker Brothers Back To Back [CD]
ブレッカー・ブラザースは、ランディ・ブレッカー(トランペット、フリューゲルホルン)とマイケル・ブレッカー(サックス、フルート、EWI)の兄弟を中心に結成されたバンド。フィラデルフィア生まれの2人は、プロのミュージシャンになるためニュー・ヨークに、兄弟そろってセッション・ミュージシャンとしても活動しており、有名な所では1973年に参加したトッド・ラングレンの「ハロー・イッツ・ミー」、エアロスミスの『飛べ!エアロスミス』などのアルバムに参加、ビリー・コブハム達とドリームスを結成2枚のアルバムを残したがヒットはしなかった、「曲が短く、即興が長ったらしく、時代に合っていなかったと」ランディが回想している。ファースト・アルバムが10万枚セールスでまずまずのスタート、このセカンド・アルバム「Back To Back」は20万枚を売り上げる、この大きな原因はヴォーカルを大きくフィーチャーしたこと、まだ大物のバック・ボーカルをしていたルーサー・バンドロスがヴォーカル・アレンジをしている。彼らのポップで新しい自由な演奏を支持したのはジャズ・ファンではなく、広い意味でのポップ・ファンだった。ニュー・ヨークの同じセッションの仲間のから出るエネルギッシュな音は、明らかにこの時代を代表する音楽である。
「If You Wanna Boogie (Forget It Baby)」ベースのウィル・リーのファンキーなメチャカッコイイヴォーカル、ファンキーなホーン・アンサンブルが最高です。
「Keep It Steady (Brecker Bump) 」ルーサー・バンドロスのセクシーなボーカルから始まり、スティーブ・カーンの個性的なギター・ソロ、デビィッド・サンボーンのハイ・ブロウなソロが聴ける。デビィッド・サンボーンはこのアルバムで脱退してしまう。
「Night Flight」ブレッカー・ブラザースらしいエッジの効いたアンサンブルと、二人兄弟のソロがカッコイイ。
L'Image [CD]
リマージュは、マイク・マイニエリ(vib)、スティーヴ・ガッド(ds)、トニー・レヴィン(b)、ウォーレン・バーンハート(p)のカルテットとして70 年代前半のウッドストックにてスタートし、その後デビッド・スピノザ(g)が加わりクインッテット編成となったグループ。
6 か月間の気楽なリハーサルを経てギグを開始すると、圧倒的な演奏力で人気を博しましたが、スタッフの人気に火が付きスティーヴ・ガッドが忙しくなり、またフュージョンの傑作の一つと言われるマイニエリの『ラヴ・プレイ』が爆発的ヒットにより、リマージュは2 年の活動期間中一枚のレコードも残すことなく自然消滅してしまいました。
2008年、そのリマージュが、マイニエリが音頭を取りクインテットを再結成、ウッドストック近郊でレコーディングしたのが本作です。幻のスーパーバンドが30 有余年の歳月を経て、ついにその姿を現します。音楽が最もクリエイティヴでアーティスティックだった時代のウッドストックの革新的スピリットに、コンテンポラリーな感性を吹き込み、卓越した技量と成熟した音楽性で蘇らせる、昔の若さ溢れる演奏ではありませんが、最高の演奏が聴けます。
名曲の「ラヴ・プレイ」東京Jazz 2009の映像、デビッド・スピノザのソロの映像は、非常に珍しいので、見応えがあります。
「Praise」マイク・マイニエリ(vib)とウォーレン・バーンハート(p)のデュエット曲をL'Image用にアレンジし直した曲。
John Tropea Tropea [CD]
トロペイ[国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き / CDSOL-5675]
- アーティスト: ジョン・トロペイ
- 出版社/メーカー: SOLID/T.K.RECORDS
- 発売日: 2019/05/15
- メディア: CD
ジョン・トロペイは,ニュー・ヨークの生まれで、バークリー音楽院を卒業後、ニュー・ヨークのセッション・ギタリストに、ジェイムス・ブラウンやアストラット・ジルベルトのセッションに参加し、73年のデオダードの「ツァラトゥストラはかく語りき」に参加、ここでギタリストとして大きな注目を集め、このファースト・アルバムス「トロペイ」を75年に発表、当時の彼のニュー・ヨークでのセッションの仲間、今となっては超豪華なメンバーが参加し、まだ若きミュージシャン達のイキイキとしたプレイを聴かせてくれる。注目はティーヴ・ガッド(右)とリック・マロッタ(左)によるツイン・ドラム(リック・マロッタのプレイにインスパイアされて、ティーヴ・ガッドが今の彼のプレイスタイルの基礎となっている)この後もアルバム3作続けてツイン・ドラムの形を取って、リズムの厚さが良い効果的をあげている。デビッド・スピノザも参加し楽曲も提供、二人の名コンビのツイン・ギターも聴ける。このアルバムは、75年のニュー・ヨークの音楽シーンの充実ぶりを聴けるアルバムでもある。
「Muff」トロペイ、ウィル・リー、リック・マロタの共作、トロペイのギター・ソロ、デビッド・サンボーンのサックス・ソロ、ツインドラムなど当時の若さに満ちたプレイを感じられる。
Spyro Gyra Morning Dance [CD]
スパイロ・ジャイラが結成されて4年目にファースト・アルバムを発表「シェイカー・ソング」がマンハッタン・トランスファーのアルバムに取り上げられ、ほぼ自主制作に等しいにマイナー・レーベルにもかかわらず20万枚のヒット、このセカンド・アルバムは豪華なメンバーをゲストに向かい入れ大ヒットとなったアルバム。ファースト・アルバムからゲストを入れてサウンドをまとめて磨き上げていく手法を取っているチョット珍しいバンドなのだが、ジェイ・ベッケンスタイン(Sax)とミュージカル・ディレクターとキーボードを兼任しているジェレミー・ウォールを中心にこの手法は80年代の中盤まで続いてこの美しいサウンドを創り出す、二人の才能を感じてしまう。サックスのジェイ・ベッケンスタインはこのアルバムで人気を決定することなる、18歳までドイツで暮らしていた為か、個人的にヨーロッパ、特に北欧の叙情的なヨーロピアンのジャズのエッセンスを感じる。
「Morning Dance」ジェイ・ベッケンスタイン作曲のスパイロ・ジャイラの代表曲。デイブ・サミュエルズのスティール・ドラムから始まるイントロ、ジェイ・ベッケンスタインの奏でる美しいサックス、デイブ・サミュエルズのマリンバのソロ、ジェレミー・ウォールのブリッジ的な短いソロ、ジェイ・ベッケンスタインのソロは途中の転調からの美しい構成。
「Starburst」ジェレミー・ウォール作曲。テーマはジェイ・ベッケンスタインの美しいサックス、ジェレミー・ウォールのセンスあふれるキーボード・ソロ、ゲスト・ミュージシャンはドラムのスティーブ・ジョーダン、ベースのウィル・リー、ギター・ソロはジョン・トロペイ、サックス・ソロはマイケル・ブレッカー、演奏力のみがきあげられたクオリティの高い曲。
David Spinozza Spinozza [CD]
デビッド・スピノザは、ニューヨークで活躍するイタリア系アメリカ人のセッション・ギタリスト。巧みなギタープレイで、多くのミュージシャンの作品に参加、有名なのは、ロバータ・フラック「フィール・ライク・メイキン・ラブ」ビリー・ジョエルの「オネスティ」やダニー・ハザウェイ、ジョン・レノンやポール・マッカートニーなどの作品にセッション・ギタリストとして参加している。個人的にニュー・ヨークのセッション・ギタリストが好きで彼のほかにのも色々聞いていました。このアルバムのプロデュースはマイク・マイニエリとスピノザ自身で、マイケル・ブレッカー(sax)、ウォーレン・バーンハート(kyd)、ロブ・マウンジー(kyd)、アンソニー・ジャクソン(b)、スティーヴ・ジョーダン(ds)、リック・マロッタ(ds)らが参加している。本作の面白さは、ギタリストのデビッド・スピノザをアピールするだけでなく、作編曲の才や以外にもヴォーカルまで披露し、トータル・ミュージシャンとしてのスピノザを表現していることである 。
「The Ballerina」デビッド・スピノザのボーカルが聴ける、とても珍しい曲、ニュー・ヨーク・シティ・バレイのリーリー・サミュエルズとダニー・ハザウェイにインスパイアされてスピノザが作った曲,フル・オーケストラのアレンジと指揮もしている。
「On My Way To The Liqour Store」レオン・ペンダーピスの作曲。ギタリストとしての卓越したテクニックを聴くことが出来る。