佐藤奈々子 Sweet Swingin' [CD]
佐藤奈々子のセカンド・アルバム「Sweet Swingin'」は77年にリリースされた、ジャズ・ギタリストの横内章次をアレンジャーに迎え完成させ、吉田美奈子や大貫妙子らが同時期に創り上げていた物ともまた一線を画した、価値観、世界観を示し、ある種の新しい女性ヴォーカリストの在り方を創り上げた。独特のコケティッシュなウィスパー・ヴォイスは、渋谷系の元祖とも言われた。デビュー作に続き、佐野元春との共作ナンバーがさらに凄みを増した、2人のコラボレーションによるドリーミンな世界は、けだるく、チョットつっけんろうな歌い方によって、よりロマンティックでありリアルである。ジャズやボサノバなどのあらゆるジャンルの音楽を包み込み、密度の濃い楽曲がズラリとならぶ出来栄えのアルバムで、ため息が漏れてしまう。
「フェアウェル・パーティー」
「オリーブの風」
「スリーピー・コール」
「週末のハイウェイ」
「イヴの月の上で」