山本達彦 MARTINI HOUR [CD]
、
前作の大ヒットアルバム「太陽がいっぱい」のポップなアルバムから一転し、よりサウンド志向が強く反映されたアルバムで、クールでストイックなダンディズムの極致ともいえる世界を展開、当時のファンには、当時大きな戸惑があったと思われるアルバム「マティーニ・アワー」は83年にリリースされた。現在の山本達彦の出発点となった作品で、スティーリー・ダンのフリークの彼らしい都会的で洗練されたナンバーが並び、スティーリー・ダンの名作「Aja」でエンジニアを務めたエリオット・シャイナーにミックスダウンを依頼する徹底ぶり、80年代シティポップの貴公子と言われた山本達彦らしいスマートな世界感を展開、彼のアルバムの中で、間違いなくトップクラスの出来の良さの作品である。作詞・作曲・編曲の顔ぶれは、作詞は山川啓介・竜真知子・杉山政美、作曲は山本本人とNOBODY、作詞で松尾由紀夫が初参加となっているのが大きいだろう、松尾はこの時期作詞家としての活動を手掛けるようになった当初だったようだが、以後山本のアルバムにおいて欠かせない存在となっていく、編曲は前作に続き井上鑑。さらに当時、航空会社の沖縄キャンペーン曲「MY MARINE MARILYN」は山本達彦の大きなステップアップのきっかけとなった。
余談ですが、高校時代は同級生の渡辺香津美(17歳でソロ・アルバムを出してデビューした天才ジャズ・ギタリスト)とバンドを組んでいたそうです。
「May Storm」
「In Summer Day」
「Too Far Away」
「Summer Holiday」
「My Marine Marilyn」