清水靖晃 北京の秋 [CD]
小林泉美&フライング・ミミ・バンドのメンバーとしてデビューし、渡辺香津美のバンドでも笹路正憲と一緒に活動し新しい渡辺香津美の魅力を創り上げた清水靖晃、自身のマライア・プロジェクト「うたかたの日々」に続き、ボリス・ヴィアンの作品をタイトルにしたストリングスをフューチャーし、ムーディーなサックス・セクションを奏でるアルバム「北京の秋」は83年にリリースされた。スタンダード・ナンバーに美しいサックスの音色に酔いしれる。マライアでの先鋭的な実験的なオルタナティブな音楽性から一転、サックス・ソロでどこまでもその表現力や演奏力で我々を唸らせる清水靖晃に敬服したいアルバム。8曲目の「EVERYTHING HAPPENS TO ME」では坂本龍一のジャージーなピアノも聴けるのも魅力。清水靖晃&サキソフォネッツのファースト・アルバムにして、永遠に語り継がれる名盤。バック・トラックは完全にエレクトロニクスで、レトロな風合いと先鋭的な電子音のがなんとも絶妙で、チョット聴くと、耳当たりの良いイージーリスニングに聴こえるが、さりげないテンションを使ったアレンジのアプローチなどはひとひねりしていて、先進的で清水靖晃のスピリッツの真髄がここにある作品。
Personnel:清水靖晃(ts)、坂本龍一(p)、山木秀夫(ds)、生田朗(linn)、渡辺モリオ(b)、久保修平(tuba)、Royal Artless Strings
「JUST ONE OF THOSE THINGS」
「NIGHT AND DAY」
「I'LL REMEMBER APRIL」
「AS TIME GOES BY」
「EVERYTHING HAPPENS TO ME」