Bobby Caldwell Cat In The Hat [CD]
前作のデビュー・アルバムと同じマイアミ録音のセカンド・アルバム「Cat In The Hat」は80年にリリースされた。発売直前に所属するT.K.レコードが倒産し十分なプロモーションが行われなかったが、アルバムのクオリティの高さを保持しているのはさすがボビー・コールドウェル、ファースト・シングルの「Coming Down From Love」がポップ、R&Bの両方のチャートに入ったのは、この頃のポップ・シーンはまだそれなりに健全で多額の宣伝費をかけなくても良いものは売れていた証明であった。ボズ・スキャッグスやスティーヴィー・ワンダーの影響を強く感じさせるのは前作の延長で変わらないが、ファースト・アルバムとの一番の違いは生のストリングスをボビー・コールドウェルのシンセサイザーに替わったこと、そしてボビー・コールドは全部のギター・パートを弾き、ベース、キーボード、新たにドラムやヴィブラフォンまでプレイしマルチ・プレイヤーぶりを発揮し、サポート陣はジョージ”チョコレート”ベリー(b),エド・グリーン(dr)新たにアンディ・ニューマーク(dr)らが加わった。その結果よりソリッドなサウンドになり、新たな音楽的な指向性を示し「Wrong Or Right」ではスティーリー・ダンの影響を感じさせている。収録曲を記しただけの簡素な裏ジャケットも、スティーリー・ダンの歴史的名作「AJA(エイジャ)」のデザインを模写し、リスペクトを現している。
「Coming Down From Love」
「Wrong Or Right」
「Open Your Eyes」