Nathan East [CD]
「ネイザン・イースト」は、アメリカのベーシスト、ネイザン・イーストが2014年に発表した、ソロ名義では初のスタジオ・アルバム、日本で先行発売された。
初めてのプロの仕事が16歳、ソウルの大御所、バリー・ホワイトのツアーで、それから40年以上スタジオ・セッション・ミュージシャンとして力量を求められ、アーティストから信頼関係を築き上げ、まさにセッション・ベーシスト中のベーシストである。今までに共演したミュージシャンの一部をあげるとジョージ・ハリスン、フィル・コリンズ(大ヒット曲「イージー・ラヴァー」の作者の一人でもある)、スティーヴィー・ワンダー、エリック・クラプトン、EW&F、フィリップ・ベイリー、マイケル・ジャクソン、チャカ・カーン、チック・コリア、ハーヴィー・ハンコック、ボブ・ジェームスなどで、その凄さが分かると思う。その膨大な緻密な音楽経歴を持つネイザン・イーストが初めてとなるリーダー作は様々なジャンルの実力者たちが参加し、色々な楽曲を取り上げている。「サー・デューク」と「オーヴァージョイド」はスティーヴィー・ワンダーのカヴァーで、後者ではワンダーがハーモニカで本人参加、「キャント・ファインド・マイ・ウェイ・ホーム」は、かつてクラプトンが所属していたブラインド・フェイスのカヴァーで、エリック・クラプトン本人も参加、ビートルズのカヴァー「イエスタデイ」は、ネイザン・イーストの息子ノアとのピアノとのデュオ、ジャズ系からはパット・メセニーやウェス・モンゴメリーやボブ・ジェームスの曲もとりあげていている。その多彩でグルーヴィなベース演奏だけなく、ネイザン・イーストの豊かなキャリアによる豊かな音楽性を聴く事が出来る。
「Sir Duke」スティーヴィー・ワンダーのカヴァー、トム・スコットがホーン・アレンジを担当している。
「Moondance」ヴァン・モリソンの名曲をジャズ色を強くしたアレンジにし、マイケル・マクドナルドが歌っている。
「I Can Let Go Now」マイケル・マクドナルドの82年の曲をサラ・バレリスが歌っている。
「Finally Home」ネイザン・イーストが小田和正に作曲を依頼し作られた美しい曲、ネイザン・イーストがヴォーカルをとっている。