Curtis Mayfield Back to the World [CD]
カーティス・メイフィールドは70年にソロ・アーティストとして活動を始め、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、スティーヴィー・ワンダーらと並んでニュー・ソウルと呼ばれた。柔らかなファルセットによるヴォーカルとソリッドなギター・ワークを武器に、その時代背景を歌い、同時に優れたプロデューサーとしても活躍、前作の「Superfly」はブラック・シネマのサントラとして大ヒットしているが、73年にリリースされたアルバム「Back to the World」の方が完成度は高い。メイフィールドが全曲作詞作曲し、アルバムのプロデュースも行っていて、アルバム・タイトルの「Back to the World」はベトナム戦争の帰還兵について歌っているが、それほど重くならない感覚で作られている。「Future Shock」はカーティスの代名詞となったワウワウギターが素晴らしく、83年にはハーヴィー・ハンコックがカヴァーし、話題となった曲の原曲。「If I Were Only a Child Again」は全ての子供たちに捧げた曲など、政治的メッセージを含めてアレンジに溶け込ませ、さまざまな曲の完成度が、綺麗にまとまった作品で、70年代前半のカーティス・メイフィールドを現しているアルバムである。
「Back to the World」
「Future Shock」
「Keep on Trippin'」
「Right on for the Darkness」
「If I Were Only a Child Again」