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Stanley Clarke [CD]


Stanley Clarke

Stanley Clarke

  • アーティスト: Clarke, Stanley
  • 出版社/メーカー: Sbme Special Mkts.
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: CD


「チルドレン・オブ・フォーエヴァー」(73年)に続くリーダー・アルバムだが、スタンリー・クラーク自身によれば、同アルバムはレーベル及びチック・コリア主導の作品とのことで、74年にリリースされた本作が実質的なリーダー・デビュー作と位置付けられている。スタンリー・クラークはエレクトッリック・ベースの歴史において非常に重要な演奏家で単に卓越したテクニックを持っていただけでなく、エレクトッリック・ベースの新しい方向性を追究する、革命的なベーシストで、本人はギターみたいに弾きたかったからと言っているが、彼はクラッシックによるアコースティック・ベースの専門的な教育も受けている為か、エレクトッリック・ベースの範疇を全く別の楽器と捉えている所が一般のベーシストと決定的に異なるベーシストである。アレンビック社製のエレクトリック・ベースをメインに使い独自の音を出し、ドラムスにトニー・ウィリアムス、ギターにビル・コナーズ、そしてキーボードにヤン・ハマーという簡素ながら、強力なメンバーによって作成さたアルバムは、革命的なエレクトッリック・ベースの原点が聴けるだけでなく、アコースティック・ベースによるインプロビゼーションまで聴ける、スタンリー・クラークのベースに対しての考えが解かる非常に興味深いアルバムである。

「Vulcan Princess」

「Lopsy Lu」

「Power」

「Spanish Phases For Strings & Bass」

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The Billy Cobham ・George Duke Band  Live On Tour In Europe [CD]


The Billy Cobham / George Duke Band /

The Billy Cobham / George Duke Band / "Live" On Tour In Europe

  • アーティスト: The Billy Cobham / George Duke Band
  • 出版社/メーカー: Atlantic
  • 発売日: 1976/01/01
  • メディア: LP Record


超絶技巧の重量級ドラマー、ビリー・コブハムとシンセサイザーにも精通し、持ち前のファンキーなプレイのキーボード奏者ジョージ・デュークによる双頭バンドによる1976年7月27~29日ロンドンと7月6日モントルーでのライヴ録音盤。若きジョンスコ・フィールドやアルフォンソ・ジョンソンが参加。メジャー・シーンではブレイクしなかったが、後続のミュージシャン達に多大な影響を与えたアルバムであった。ビリーコブハムはマハヴィシュヌ・オーケストラを脱退しソロとして活動、73年にリリースした初のリーダー・アルバム「スペクトラム」はロックの世界にも影響を与える程脂がのっていた頃だった、ジョージ・デュークもキャノンボール・アダレイやクインシー・ジョーンズ、フランク・ザッパのグループに参加し注目を集めていたプレイヤーだった、アルフォンソ・ジョンソンはドラマーのビリー・コブハムとバンドを組む為にウェザー・リポートを脱退、ジョンスコ・フィールドは バークリー音楽院を卒業したばかりの新人ギタリストだった、今から考えれば信じられないような4人よるスーパー・セッションでビリー・コブハムとアルフォンソ・ジョンソンによるファンキーなリズム隊を軸としたアグレッシブな即興性と綿密に組み立てられたサウンドはこの時代では新しい物で絶妙なサウンドだった。

「Hip Pockets」

「Do What Cha Wanna」

「Ivory Tattoo 」

「That's What She Said」

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Dave Grusin One Of A Kind [CD]


ワン・オブ・ア・カインド

ワン・オブ・ア・カインド

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2012/01/18
  • メディア: CD


デイヴ・グルーシン、60年代に「アンディ・ウィリアムズ・ショウ」のピアノと音楽監督を務め、その後にクインシー・ジョーンズ・オーケストラのピアニストであったりと優れたジャズ・ピアニストとしてキャリアをスタートさせたが、やがて映画音楽の世界に進出、音楽家として才能を開化させていく、ダスティン・ホフマンが主演、サイモン&’ガーファンクルが主題歌を歌った「卒業」が特に有名だ。映画音楽の成功を足掛かりにスタジオ・ワークにも精をだすようになり、この時意気投合したのがレコーディング・エンジニアのラリー・ローゼン、2人はさまざまなプロジェクトを請け負い、アール・クルー、リー・リトナー、渡辺貞夫などの作品を成功させていき、2人の名前を冠にしたレーベルGRPを設立、その後は以前にも増してキーボード奏者兼、作・編曲家として精力的に活動を展開、アルバム「One Of A Kind」はそんな頃の77年にGRPからリリースされた作品で、ピアニストとしての優れた才能の持ち主であることは言うまでもなく、作曲者と編曲家としての素晴らしい骨のあるサウンドを見事に作り出している作品で、特に「Modaji」は名曲と言われ色々なミュージシャンがカヴァーしている。デイヴ・グルーシンの原点といえるセンスが凝縮されたアルバムでデイヴ・グルーシンの代表作で名作と言われている。

「Modaji」

「Catavento」

「The Heart Is A Lonely Hunter」

おまけでフルーティストのヒューバト・ロウズのヴァージョンで名演奏と言われた「Modaji」。デイヴ・グルーシンでなくボブ・ジェームスがピアノを弾いているのも聴きどころの一つだ。

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Wynton Marsalis & Eric Clapton Play The Blues [CD]


Wynton Marsalis & Eric Clapton Play The Blues

Wynton Marsalis & Eric Clapton Play The Blues

  • アーティスト: Wynton Marsalis & Eric Clapton
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 2011/09/26
  • メディア: CD


「Wynton Marsalis & Eric Clapton Play The Blues」は2011年4月にニューヨークのリンカーン・センターで行われたコンサートを収録したアルバム。トロンボーンのクリス・クレンショー、クラリネットのビクター・ゴインズ、ドラムのアリ・ジャクソン、ピアノのダン・ニマー、ベースのカルロス・エンリケスからなるウイントン・マルサリスのバンドに加え、才能あるトランペッターのマーカス・プリントアップと、クレオール・ジャズ・セレネーダーズの名声を持つニューオーリンズのバンジョイスト、ドン・ヴァッピー、そしてクラプトン氏の昔のコラボレーター、クリス・ステイントンがキーボードを担当し、 エリック・クラプトンがゲストとして参加した形で実現した。エリック・クラプトンがブルースやジャズなどから様々な名曲を取り上げ、ウイントン・マルサリスが全ての曲をアレンジし、エリック・クラプトンのブルースギターと渋いヴォーカルとニューオーリンズジャズの融合によるスペシャルなライブ(どの楽器のソロも素晴らしくて感動ものです)となり、さらにバンドメンバーによるリクエストで実現した、エリック・クラプトンの代表曲「Layla」はホルンとバンジョーで輝くニューオーリンズのジャズスタイルでマルサリスがアレンジしたもので、クラプトン・ファン、ブルース・ファン、ならびにウイントン・マルサリス・ファン、ジャズ・ファンにも目が離せないものとなります。

「Ice Cream」

「The Last Time」

「Kidman Blues」

「Layla」

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Wynton Marsalis [CD]


Wynton Marsalis

Wynton Marsalis

  • アーティスト: Marsalis, Wynton
  • 出版社/メーカー: Colum
  • 発売日: 2009/09/04
  • メディア: CD


トランペット奏者のウィントン・マルサリスは80年にわずか18歳でアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに加入し、鮮烈なデビューを飾り、80年代以降のジャズの伝統的なアコースティック・ジャズを継承する大型新人として話題となる、その超絶的なトランペットの技巧は高い評価を得ている。父はピアニストのエリス・マルサリス、兄はサックス奏者のブランフォード・マルサリス、弟にトロンボーン奏者のデルフィーヨ・マルサリス、ドラム奏者のジェイソン・マルサリスの音楽一家。
ウィントン・マルサリスの衝撃の初リーダー作「Wynton Marsalis(邦題マルサリスの肖像)」は弱冠20歳にして作られ、82年にリリースされた。当時、ニューヨークに凄い新人が出て来たとか、クリフォード・ブラウン以来の天才だとか、30年に一度出るか出ないかの逸材とか言われ、81年のライブ・アンダー・ザ・スカイで初来日し、ハーヴィー・ハンコックのステージに参加し驚異的な演奏を披露した。そのメンバー(ハーヴィー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズ)と兄のブランフォード・マルサリスが加わり、東京でのレコーディングとなり「RJ」「Sister Cheryl 」「Hesitation」「Who Can I Turn To」の4曲が録音され、残る3曲はその後にニューヨークに戻って、この時点でウィントン・マルサリスが最初に組んだクインテットの面々が全員が顔を合わせてのレコーディングとなった。このアルバムのプロデュースを担当したのはハーヴィー・ハンコックで、いかにウィントン・マルサリスに力を入れていたかが分かる。当時多くの人達が絶賛したこのアルバムは、実に2年近くに渡ってビルボード誌にチャート・インする快挙を成し遂げ、翌年のグラミー賞でもベスト・アルバムに輝くという成果を収めている。

「Father Time」ウィントン・マルサリス:作曲

「I'll Be There When The Time Is Right」ハーヴィー・ハンコック:作曲

「RJ」ロン・カーター:作曲

「Sister Cheryl 」トニー・ウィリアムズ:作曲

おまけで、わずか18歳でアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに入った頃の映像。

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Weather Report Mysterious Traveller [CD]


Mysterious Traveller

Mysterious Traveller

  • アーティスト: Weather Report
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2002/07/13
  • メディア: CD


74年に発表された「ウェザー・リポート」の5枚目のアルバム「Mysterious Traveller」。ウェザー・リポートのアイディアを創り上げた一人の初代ベーシストのミロスラフ・ヴィトウスが参加した最後のアルバムである、ミロスラフ・ヴィトウスは結局「American Tango」をジョー・ザビヌルと共作し、その1曲のレコーディングに参加しただけで、グループを去っていった。このアルバムから曲の構成が一層厳密に組み立てられており、ファンク、リズム・アンド・ブルースのノリ、そしてロックの要素を取り入れた最初のアルバムであり、このミックスされた要素が後にこのバンドの醍醐味となった。さらにミロスラフ・ヴィトウスの脱退によって、ジョー・ザビヌルとウェイン・ショーターの音楽性が、より強まり、後任のベーシストのアルフォンソ・ジョンソンが共作者として曲も提供するものの、このアルバムも全ての曲をウェイン・ショーターとジョー・ザビヌルの2人の作風に彩られる。ジャコ・パストリアスが加入するまではこの形が続く事になる。本作は74年度の「ダウンビート」誌読者人気投票でジャズ・アルバム・オブ・ジ・イヤーを獲得、コンボ部門でも3年連続でトップの座に輝いている。ちなみに、このコンボ部門の人気投票では、84年まで12年間、連続でトップの座を維持し続けた。

「Nubian Sundance」ジョー・ザビヌル:作曲

「American Tango」ジョー・ザビヌル/ミロスラフ・ヴィトウス:作曲

「Cucumber Slumber」ジョー・ザビヌル/アルフォンソ・ジョンソン:作曲

「Mysterious Traveller」ウェイン・ショーター:作曲

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The Crusaders Scratch [CD]


Scratch

Scratch

  • アーティスト: Crusaders
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 1997/02/25
  • メディア: CD


ジャズ・クルセイダースからジャズの文字を取り心機一転クルセイダースとなり新しいスタートを切ってから4作目のアルバム「Scratch」後にテキサス・ファンクと呼ばれるタイプの音楽で支持を受けだした頃のライブ・アルバム。ロサンジェルスのライブ・ハウス「ロキシー」での録音で、この頃ロサンジェルスの檜舞台とも言われた場所で、キャパはおよそ400人程だが、ここを埋めてこそ一流という評価を受ける場所であった。クルセイダースのオリジナル・メンバーのウェイン・ヘンダーソン(Tb)ウィルトン・フェルダー(Sax)ジョー・サンプル(Key)スティックス・フーパー(Ds)の4人にクレジットではアンド・フレンズという表記だったラリー・カールトン(G)とマックス・ベネット(B)の6人によるライブで、本作が発表された当時は理想的なライブ・アルバムと言われた。オリジナル曲はもちろん、ビートルズの名曲「Eleanor Rigby」は彼らの手に掛かるとここまでジャージーな雰囲気に曲が変わり、キャロル・キングの名曲「So Far Away」ではウェイン・ヘンダーソンの痺れるような超ロングトーンとその後のラリー・カールトンの華麗なギター・ソロがフューチャーされ会場の盛り上がりは最高潮に。当時は彼らは絶頂期であり、ソウル、ジャズ、ロックというジャンルに拘られずに彼ら独自のスタイルが十分に伝わる名盤です。

「Scratch」

「Eleanor Rigby」

「So Far Away」

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The Jamaica Boys J- Boys [CD]


J Boys

J Boys

  • アーティスト: Jamaica Boys
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 1990/03/29
  • メディア: CD


ファースト・アルバムから1年9ヶ月、ジャマイカ・ボーイズのセカンド・アルバム「J- Boys」は90年にリリースされた。前作と違う点は、ヴォーカリストがマーク・スティーヴンスからディンキー・ビンガムに変わり、彼はヴォーカルをとるマーカス・ミラーとのバランス、相性、そして楽曲やバンドのサウンド・イメージをふまえての人選で、マーカス・ミラー、レニー・ホワイト、ディンキー・ビンガムの3人がレギュラー・メンバーとなる。バーナード・ライトもキーボードや曲作りで参加し、マーク・スティーヴンス(チャカ・カーンの実弟)も曲作りに名を連ねている。前作よりファンク色が強烈に打ち出されており、ヒップホップ、ラップ、当時注目されていたニュー・ジャック・スイングやGO-GOを含むファンク全般に柔軟に対応していくのは本当に胸躍るものだった。キャロル・キングの名曲「You've got a friend」も彼らの手にかかるとミドル・ファンクに早変わり、シングル・カットされた「Shake It Up!」のビデオ・クリップを見てもらうとノリノリでダンスをする抜群のパフォーマンスをみせてくれているように、バンドとしての一体感や勢いやノリの良さが前作との大きな違いなのである。この年のNHKホールでの来日公演を見に行ったが想像以上に楽しいコンサートだった、レギュラーの3人とニック・スミス、エリック・コーディーの2人のキーボード奏者に、ギタリストのスペースマンことビリー・パターソンの6人によるパフォーマンスは異常なまでの盛り上がりを見せてくれた、スペースマンはギター・ソロそっちのけで踊り出すほどでした。この後、マーカス・ミラーがソロ活動に入り、ジャマイカ・ボーイズとしての活動はなくなってしまうのは残念だった。

「Move It!」

「Serious」

「Shake It Up!」

「You've got a friend」

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Cyndi Lauper She's So Unusual [CD]


She's So Unusual

She's So Unusual

  • アーティスト: Cyndi Lauper
  • 出版社/メーカー: Sbme Special Mkts.
  • 発売日: 2000/11/21
  • メディア: CD


アルバム「She's So Unusual」はシンディ・ローパーが1983年に発表したソロとしての初のスタジオ・アルバム。
ザ・フーターズのエリック・バジリアンとロブ・ハイマンが、レコーディングの主要メンバーとして参加し、収録曲のうち「ホエン・ユー・ワー・マイン」を除く9曲は、バジリアンとハイマンがシンディ・ローパー、リック・チャートフと共にアレンジを手掛けており、「ホエン・ユー・ワー・マイン」はローパー、チャートフ、それに共同プロデューサーのウィリアム・ウィットマンによってアレンジされた。ファースト・シングルの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」がヒット・チャートに急上昇して第2位に輝き、セカンドシングルの「タイム・アフター・タイム」は全米第1位になり、サードシングルの「シー・バップ」は第3位、「オール・スルー・ザ・ナイト」が第5位とデビューアルバムから4曲連続トップ5入りした初の女性ソロ・アーティストとなった。「タイム・アフター・タイム」はマイルス・デイヴィスがカヴァーし、その後、様々なミュージシャンがカヴァーするスタンダード曲となる。 第1回MTVミュージック・ビデオ・アワードで最優秀女性歌手賞を受賞し、ローリング・ストーン誌の1984年度の最優秀新人賞など数々の賞を総なめにしたアルバム。 様々な曲調を歌いこなすことから「七色の声を持つ歌手」と称される。

「Girls Just Want To Have Fun」シングルは奇抜なミュージック・ビデオとともにリリースされた。プロモーション用も含め、シングルは38以上のヴァージョンがリリースされた。

「Time After Time」作詞作曲はシンディ・ローパーとロブ・ハイマンによる共作。この時、ローパーがテレビ雑誌でSF映画『タイム・アフター・タイム』(1979年)のタイトルを見て、それを曲名にした。

「All Through the Night 」作曲はジュールズ・シアー、元々は彼のアルバムに入っていた曲でシンディ・ローパーもコーラスで参加している。

おまけでマイルス・デイヴィスの「Time After Time」

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Miles Davis The Man With The horn [CD]


ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン(期間生産限定盤)

ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン(期間生産限定盤)

  • アーティスト: マイルス・デイビス
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2017/11/29
  • メディア: CD


6年間のマイルス・デイビスの沈黙を経て復活した帝王マイルス・デイビスのアルバム「The Man With The horn」は81年にリリースされた。タイトル曲を除いてすべてアコースティック・トランペットを演奏し、ドラムのアル・フォスター以外、新進気鋭のベースのマーカス・ミラー、ギターのマイク・スターン、サックスのビル・エバンスらを起用し、存分に才能を発揮している。万全のコンディションで新たなスタートラインに立ったマイルスの尽きない創造性、チャレンジ・スピリットが胸を打つ。10月には新宿西口広場(現在の東京都庁)で来日公演を行った。この模様は、後日NHKテレビで放映され、ライヴ盤『ウィ・ウォント・マイルス』にはその一部が収録されている。
マイルス・デイビスの演奏の基本的パターンは6年前とほとんど変わってはいないが、躍動的なリズムとビートに乗って自由な即興演奏を行っている、6年前はワウワウ・ペダルによる電気トランペットを吹いていたが、今回はアコースティック・トランペットを吹き、シンプルな演奏が目立つ。このカムバックは、さりげなく、ナチュラルなプレイの姿勢で復帰したところは、さすがマイルスだと思わせるものである。
余談ですがこの年にギタリストの渡辺香津美はマイルス・デイビスに直接、俺のバンドに入らないかと誘われるが、まだ東京でやることがあると断っている。

「Fat Time」アルバムのハイライトとなるのがアル・フォスターとマーカス・ミラーが生み出す骨太グルーヴにKOされ、そこにマイルスのミュート音が絡むとこれこそがマイルス・デイビスと思い、さらにビル・エバンスの渋いサックスに続き、マイク・スターンのギターが炸裂、ちなみにタイトルの「Fat Time」とはマイク・スターンのことなのだ。

「The Man With The Horn」歌詞はタイトルからわかる通りマイルスのカムバックをテーマにした、おおらかな曲、リード・ヴォーカルは作曲者のランディ・ホール。

「Shout」レゲエの影響を受けた躍動的なナンバー。

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